佐渡裕指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、すみだトリフォニーホールでした。
「すみだクラシックの扉」シリーズです。
平日のマチネーですが全席完売、客席はいつもとはちょっと違う客層で埋められていました。
プログラムは、オールチャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番(ソロ 角野隼人)
交響曲第5番
アンコールは、ピアノソロでガーシュインの「I got Rhythm(角野隼人編曲)」、オケでチャイコフスキーの弦楽セレナーデ第2楽章ワルツ、でした。
2月に反田恭平、3月に小林愛実、そして今日角野隼人、2021年のショパンコンクールメンバーのコンサートが続きました。
今日は前の二人と客席の雰囲気が全然違い、追っかけと思しき数多くの女性が客席を埋めていました。
ホワイエでは嬌声が響き、ホール内でもあちこちから世間話が聞こえてきます。
インターミッションで「終わり?」「前半がね」、そんな会話も聞こえてきましたがマナーは悪くありませんでした。
ただ、驚いたのは、演奏終了後、3~4ヶ所からのブラボーの声と同時にスタンディングオベーション、それも半端な人数じゃありません。
センターブロックは前2~3列程度でしたが、左右のブロックは、10列目ぐらいまで大半の人が立っていました。
今日は1階の真ん中の通路より少し後ろの席でしたが、僕の回りでも立つ人が少なからずいました。
かてぃん、ある程度は予想していましたが、考えていた以上の人気にビックリしました。
その演奏は「これでもショパンコンクールじゃファイナルに進めないんだ」とビックリする素晴らしい演奏でした。
ともかく音が透明感高く粒だっていて、トレモロを弾いても一つ一つの音が粒だって全部クリアーに聴こえます。
こんなに沢山の音が聴こえるチャイコフスキーのコンチェルトは初めてだったかもしれません。
音が混濁しませんから、彼の意図するところ、弾きたいことが、はっきりと伝わってきます。
オケとのバランスも申し分ありませんでしたし、とってもすっきりとした、清涼感すら漂う、チャイコフスキーでした。
カデンツァはジャズっぽく、ロシアの香りは全くしない、スマートでスタイリッシュなチャイコフスキーでした。
リヒテルは、まかり間違ってもこんな風には弾きませんが、万が一グルダが弾いてたら、こんな風に弾いたかも、などと妄想まで巡らせてしまいました。
アンコールは、ガーシュイン。
これまた素晴らしいガーシュインでした。
このアンコール1曲でかてぃんのFanになってしまいました。
リズム感、音の強弱と音色のコントラストの鮮やかな描き分け、聴いていて、楽しくてワクワクするガーシュインでした。
後半は交響曲第5番。
佐渡さんの、佐渡さんによる、チャイ5でした。
良くも悪くも佐渡節全開だったと思います。
クラリネットソロの出だしは、ゆっくりとしたテンポで、低弦の強拍を強調しながらのスタートでした。
第2楽章以降はほぼアタッカでした。
思わぬところでルバートを掛けたり、意表を突かれることもありましたが、唐突感はなく、スケールの大きい納得の演奏でした。
毎度のことではありますが、ClTopのマルコス・ペレスさんのソロがとても生き生きと、生命力を持って楽しく聴かせてくれました。
第2楽章でHrnソロから引き継いでソロだったり、バックに回ったり、とても楽しい掛け合いでした。
佐渡さんの意図に応えるオケの反応がとても気持ち良かったです。
プレトークに佐渡さんが登場、この後角野隼人さんと全国11ヶ所のツアーをやるそうなのですが、チケットはどこも即完だったそうです。
かてぃんの人気故と感謝していらっしゃいました。
今日の客席も平日マチネーにも関わらずFanの女性がいっぱいでした。
同じプログラム2日目の明日は土曜日、平日は仕事の方もいらっしゃるでしょうから今日以上に凄いことになるんじゃないかと思います。
かてぃん、追いかけてみようかなと思いますが、反田恭平さん同様、しばらくの間はチケット入手困難が続くんでしょうね。
次は是非ラヴェルのコンチェルトを聴いてみたいです。