上岡敏之指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました。

ホールは、すみだトリフォニーホールでした。

 

平日昼間のコンサート、年齢層は高かったですがほぼ満席でした。

 

プログラムは

 

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番(ソロ アンヌ・ケフレック)

シューベルト  交響曲第8番「グレイト」

 

アンコールは、ピアノソロでヘンデルの組曲第1番の第4曲「メヌエット」でした。

 

ソリストと指揮者が登場してピアノの前に座るケフレックを見て「あれっ、違う?」。

3番のつもりでいましたが、ケフレックに弾き始める緊張感が感じられません。

と思っているうちに1番が始まりました。

時々やるんですよね、プログラムの勘違い。

今日はベートーヴェンの番号違いでしたが、以前はショパンの1番のつもりでいたら、リストの1番が始まったことがあります。

今日は気配で直前に違うとわかり、しかも1番でしたから事なきを得ましたが、ショスタコーヴィチやシェーンベルクなどで間違っていたり、コンチェルトでスタートだと思っていたのに小品から始まって「これなんて曲?」となると、演奏中にプログラムをガサガサするのはいやなので、頭の回りが?マークで満たされたまま曲が進んでゆきます。

事前の確認は大切です。(笑)

 

ケフレックのベートーヴェン、柔らかく気品があり、背筋が伸びた演奏でした。

だからといって硬くなく、伸び伸びと素直に真っ直ぐと伸びる音はとても気持ちの良いベートーヴェンでした。

1stVn10人の小振りなオケも上岡さんの棒に応えて、ピアノに寄添い、息ピッタリに歩調を合わせて、オケの存在感も感じさせながら、素晴らしいサポートでした。

 

後半は「グレイト」

上岡さんの音楽を楽しみながらオケをドライブする指揮がとても心地よいグレイトでした。

右手で常に拍子を刻み、各奏者に出のタイミングを指示し、左手で音楽に色付けし、表情を与えてゆく、指揮者としての仕事は当然にこなしています。

しかしその背中は、それ以上にシューベルトの音楽を奏でることが楽しく楽しくてしょうがないといった風に見えて、聴いているこちらも、上岡さんが楽しそうに振るシューベルトに引き込まれてゆきました。

冒頭の笠松さんのHrnは素晴らしい響きでした。

Obの神農さん、Clのペレスさん、お二人の活躍も目立ちました。

個々の奏者の申し分のないソロの素晴らしさ、崔さん率いる弦楽器群の充実、それをまとめ上げているのは上岡さんなんですが、そこにはしかめっ面や厳しい指示はなく、ただひたすら音楽を楽しんでいる様子でした。

厳しい練習がなければ今日の演奏はあり得ないと思いますが、それをおくびにも出さず楽しげに指揮する上岡さんが印象的でした。

平日の午後、楽しくくつろいだ気分にさせてくれるグレイトでした。