小泉和裕指揮、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。

ホールは、みなとみらいホールでした。

 

プログラムは

 

ブラームス    ヴァイオリン協奏曲(ソロ 金川真弓)

チャイコフスキー 交響曲第1番「冬の日の幻想」

 

アンコールはありませんでした。

 

神奈川フィル、決して室内オーケストラ的にこじんまりという意味ではなく、とてもまとまりの良いオケだと思います。

石田コンマスのアグレッシブで渾身のリーダーシップに導かれながらも、各パートのまとまりが良く、パート間のまとまりが良く、決して突出せず、だからといって埋もれることもなく、特に木管の古山さん、江川さん、斎藤さん、鈴木さんの各Topが抜群のバランス感覚で、石田コンマスが率いる盤石の弦楽器群の上に、ふわりと乗っかりながらもオケを支えています。

個々のパートがどうだこうだということが気にならずオケ全体に音に身を任せて安心のオケだと思います。

 

ブラームスはヴァイオリンコンチェルトの中で一番聴いているコンチェルトかもしれません。

生演奏の頻度は、チャイコフスキーやシベリウス、ブルッフなどに及びもつきませんが、ジョージ・セル&COをバックにオイストラッフがソロのCDを愛聴しています。

古典的なコンチェルトにありがちですが、ソロが登場するまでが長い。

ブラームスもご多聞に漏れませんが、金川さんはまるで今までオケと一緒に弾いていたかのように、違和感なくスッと入ってきました。

音色も、ボリュームも、音の強さも、違和感なく、ソリストでございます、ただいま参上しました、などという目立った感が全くなく、見事にオケと一体化した登場でした。

しかし、ソリストとしては、長めで丁寧なフレージングで隅々まで神経を行き届かせた美音を聴かせてくれます。

力強さもあり、優雅さもあり、とても素晴らしい演奏でした。

バックのオケも、手練れの小泉さんに応えるように、柔らかく、明るく、ソリストとの協演を楽しんでいたと思います。

 

休憩を挟んでチャイコフスキー。

1番を生で聴くのはいつ以来か記憶になく、とっても久し振りでした。

改めて、チャイコフスキーらしさが随所に感じられる曲だなぁと思いました。

第1番の演奏を聴く経験値が低いので名演とは言い切りませんが、次の展開を楽しみに引き込まれるように聴くことができました。

第1楽章出だしの豊田さんのHrが素晴らしかったし、第2楽章のしっとりとした古山さんのObも印象的でした。

第4楽章のクライマックスも、慌てす騒がず、悠揚と淡々としながらも否が応でも盛り上がってゆく小泉さんのスケールの大きな音楽づくりにホールは大きな拍手で包まれました。

 

神奈川フィル恒例のお見送りでは、江川さんはFlを手に、豊田さんはHrを募金箱に持ち替えて、古山さんは疲れも見せずにこやかに、みんなを送ってくれました。