原田慶太楼指揮、東京都交響楽団のコンサートに行ってきました。

ホールは、東京文化会館でした。

 

今年も聴き初めは「ニューイヤーコンサート2024」でスタートしました。

 

プログラムは

 

J・シュトラウスⅡ オペレッタ「こうもり」序曲

バーンスタイン  「ウエスト・サイド・ストーリー」セレクション

ヴィエニアフスキ  グノーの「ファウスト」による華麗な幻想曲(ソロ 前田妃奈)

バーンスタイン  「キャンディード」序曲

サラサーテ     カルメン幻想曲(ソロ 前田妃奈)

J・シュトラウスⅡ 美しく青きドナウ

 

アンコールは、ラデツキー行進曲でした。

 

今日のコンサート、痛快な「こうもり」序曲で幕開けでした。

外連味なく、歯切れの良い、メリハリの効いたJ・シュトラウス、とっても気持ちが良い演奏でした。

少なくとも、ウィーンの宮殿の舞踏会では踊れないワルツ、むしろストリートダンスに適したリズミカルでダイナミズムに富んだオペレッタの序曲でした。

 

演奏が終わると、やおらマイクを手に指揮者自らがMCを始めます。

軽快な話っぷりで、ウィットに富んで、音楽同様リズムよく楽しませてくれます。

 

続いて、バーンスタイン。

原田さんにピッタリ、情緒たっぷりの「マリア」、ワクワクする「Tonight」、リズミカルな「アメリカ」、とっても楽しい演奏でした。

続いて、2022年ヴィエニアフスキ国際コンクール優勝者前田妃奈さんによるヴィエニアフスキ。

藤岡幸夫さんがMCのエンターザミュージックで神尾真由子さんのレッスンを受ける様子が何度か放映され、観るごとに上手になっていくのを頼もしく、期待をして観ていたら、東京音楽コンクール第1位になり、ついにはヴィエニアフスキ国際コンクールで優勝、期待を込めて初生前田さんでした。

21歳とは思えない、泰然とした構えで、超絶技巧を聴かせてくれました。

 

休憩を挟んで、再びバーンスタイン。

キャンディードもリズミカルに、軽快に、とても楽しい演奏でした。

 

カルメンファンタジーの前に挟んだ前田さんとのトーク、小ネタ満載でとても面白かったです。

前田さんの人柄も引き出し、原田さんの演出力に感心をしました。

 

演奏の途中「ハバネラ」が終わったところでブラボーの声とまばらな拍手、次の「トゥ・ラララ」に備えていた原田さん、くるりと客席を振り返ると「どうぞ拍手をして下さい」、一瞬の間から大きな拍手が巻き起こりました。

一呼吸おいて「トゥ・ラララ」から終曲の「ジプシーの歌」まで再び充実した演奏を聴かせてくれました。

フライング拍手を笑いに替えながらホールを一層音楽に引き込む原田さんの機転と懐の深さ、とても気持ちの良い対応でした。

 

最後にウィンナワルツらしくない「美しき青きドナウ」。

らしくなさが原田さんらしいんだと思います。

既存の概念に関係なく、自らの解釈で自らの目指す音楽を聴かせてくれる、それがウィンナワルツだろうとお構いなく原田慶太楼の音楽に昇華してしまう、なかなか気骨のある演奏だと思います。

 

カーテンコールでステージに登場して、ホルン奏者と立たせようとしたら、スタートを指示されたと勘違いした西川さんが威勢よくスネアドラムを叩くと、ホールも待ってましたとばかりに手拍子で答えます。

でも、意図と違った原田さん、スネアを両手で制し、会場を振りむいて、「ちょっと待って」と手拍子を止めて、西條さんを立たせ、続いてVcの古川さんを立たせ、間髪入れずに「アンコールやります」とラデツキー行進曲をスタートしました。

思わぬハプニングにも、当意即妙、慌てず騒がず、誰も傷つけない気持ちの良い対応でした。

 

今まで避けていたわけではなく、聴きたいコンサートが多すぎて手が回っていませんでしたが、今年は少し追いかけてみたいと思います。