小山実稚恵の室内楽、に行ってきました。
ホールは、第一生命ホールでした。
全5回、5年がかりのプロジェクトの今日が第1回でした。
メンバーは、Vnに矢部達哉、Vcに宮田大、素晴らしい顔ぶれです。
今望み得るBestのメンバーだと思います。
プログラムは
ハイドン ピアノ三重奏曲「ジプシー・トリオ」
コダーイ ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲
ドヴォルザーク ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」
アンコールはありませんでした。
どの曲も初めて聞く曲ばかりでしたが、とっても楽しめました。
3人が凄腕なればこそだと思います。
最初のハイドン。
メロディーラインの生かし方や音の重ね方に、あぁ古典派の曲だなぁ、と感じました。
作曲されたのが1792~95年頃ですから、モーツァルトが亡くなった後の曲、バロックの影響を感じないのも納得だと思います。
ハイドン、といえば弦楽四重奏曲のイメージですが、プログラムのピアノ三重奏曲を含めた鍵盤楽器を使った室内楽を40曲以上書いているとのかいせつにびっくりしました。
ハイドンの時代はチェンバロからフォルテピアノへの移行期ですからチェンバロ三重奏曲などというものが残っているなら是非とも聴いてみたいと思います。
コダーイはオケ版の「ハーリ・ヤーノシュ」と「ガランタ舞曲」しか聴いたことがありませんでした。
残された曲数は少なく、作品番号も15番までしか無くて、作品番号を振られていない合唱曲で有名だと初めて知りました。
寡作なのは、作曲家というよりも、学者が作曲もしていたから、というのが正しいようです。
VnとVcの二重奏曲ですが、それぞれの楽器の無伴奏曲を聴くようで、ピアノが加わった時と違う二人の生の音がより直接聴こえてくるような気がします。
矢部さんのVnは、芯はしっかりとしていながら硬い音ではなく、音場の広い、伸びやかな、とても綺麗な音が耳に残りました。
宮田さんのVcは、暖かくふくよかで包み込むような優しさと力強さが共存し、上から下まで、フォルテもピアノも、軽々と鳴らし、グイグイと迫りくる音に迫力を感じました。
素晴らしいデュオでした。
最後にもうドヴォルザークのピアノ三重奏曲。
三人の個性が良い具合に調和して、緊張感の中にも、音楽の豊かさが感じられる三重奏でした。
60代半ばの小山さん、50代半ばの矢部さん、30代後半の宮田さん、年代も、経歴も異なる三人が、お互いを尊重しながらとても素晴らしいアンサンブルを作り上げてくれました。
次は2025年2月だそうです。
ちょっと先ですが第2回がとっても楽しみです。