クラウス・マケラ指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、東京芸術劇場でした。
チケットの価格は、マケラプレミアムとも言いたくなる高めの設定でしたが客席はほぼ満席でした。
プログラムはオール・シベリウスでした。
交響曲第2番
交響曲第5番
アンコールは「レンミンカイネンの帰郷」でした。
フィンランド出身のマケラ、北欧ノルウェーのオスロフィル、シベリウスを演奏するにはこれ以上ない組み合わせです。
なんですが、シベリウスと聞くと思い浮かぶ「森林に囲まれた白夜の湖」的な、いわゆるシベリウスらしさの全くない、マケラの溢れんばかりの才能が煌めいた、若さほとばしる演奏でした。
厚みのある弦の響き、ですが、重さは感じません。
弦に乗っかる柔らかな木管と切れ味鋭い金管、とても良いバランスでした。
まずは2番。
スケールの大きい、切り口鋭い演奏でした。
大きなうねりの中に、明瞭に描き分けられる細部が際立つ、あまり聴いたことが無いシベ2でした。
だからと言って、外連味や奇を衒った感は全くありません。
マケラなりのオーソドックスな解釈故に、聴いたことが無い響きにも拘らず違和感がないのだと思います。
5番はよりマケラの解釈に適しているように感じられました。
拍が明確で、切れ味のいい、爽やかさすら感じられるシベリウスです。
エンディングも格好良かったです。
インパクトあるエンディングにも、指揮棒が下りるまで余韻を味わう客席も素晴らしかったと思います。
2番で「打楽器はTmpだけなんだ」と思っていたらインターミッションでバスドラムやシンバルが運ばれていました。
ところが、5番も打楽器はTmpだけ、「そっか、アンコールで使うのか」と5番を聴きながら楽しみが増えました。
アンコールの「レンミンカイネンの帰郷」、機能的で躍動感豊かなキレッキレの演奏でした。
マケラも交響曲2曲よりもイキイキとしていたかもしれません。
フルートじゃなく、二人がずっとピッコロを吹いているのも印象的でした。
持ち替えじゃなく、フルート無しのピッコロだけの曲って初めて聴いたような気がします。
シベリウス、リヒャルト・シュトラウスと同じ年、ラヴェルは年下ですが先に亡くなってます。
後期ロマン派じゃなく20世紀の作曲家としてのシベリウスの機能性と躍動に気付かせてくれるコンサートでした。
パリ管に続いてコンセルトヘボウも任されて忙しすぎるマケラ、来シーズンは都響を振ってくれないのがちょっと寂しいです。