トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンのコンサートに行ってきました。

ホールは、サントリーホールでした。

 

アンコールでマイクを手に女性が登場して「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン、今年で20周年なのでアンコール曲はお客様の拍手の多い方にします。」

 

20年なんですね~。

第1回の時「このメンバーでこの入場料」と躍り上がって喜んだことをよく覚えています。

当初はシュトイデさんよりも、Clのシュミードルさんが中心でした。

初期の数回はFlのシュルツさんもいらっしゃったのが懐かしいです。

今回のメンバーを見るとBPOの方などもいらっしゃいますが、最初の頃はVPOと国立歌劇場のメンバー中心にウィーン響の方が何人かという、まさにウィーン在籍メンバーでの構成でした。

 

20周年のプログラムは

 

J・S・バッハ  管弦楽組曲第2番

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番(ソロ 小菅優)

J・S・バッハ  オーボエとヴァイオリンのための協奏曲

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

 

アンコールは、ピアノソロでシューマンの「子どもの情景」から「詩人のお話」、オケは拍手の多かったヨハン・シュトラウスのポルカ・シュネル「あれかこれか」でした。

 

今日のお目当ては小菅さんのコンチェルトでした。

3番はオケの提示部を経てピアノソロで入り、その後ソロが続きますが、その受渡しが完璧でした。

オケの醸し出す音楽をそのまま引き継ぎそのまま渡していゆきます。

小菅さんが今もベルリン在住で長くドイツ・オーストリアを中心に活躍しているという面もあるでしょうが、やはり彼女の音楽性の高さだと思います。

カデンツァの入り方、引き継ぎ方、完ぺきだったと思います。

ピアノソロから始まる第2楽章もしかり、第3楽章も申し分ありませんでした。

オケとの息の合わせ方は指揮者がいるとは違い、コンサートマスターとだけじゃなく各奏者と息を合わせています。

小編成の室内管弦楽団との競演ゆえにより密接な紺宅による濃密なコンチェルトになったと思います。

競争曲だったり、オケとソロが我が道を行くコンチェルトにガッカリすることも少なくない中、オケとソロがしっくりがっちりと嚙み合いそれぞれの良さが存分に生きた素晴らしいコンチェルトでした。

 

バッハの管弦楽組曲第2番、聴くこと自体が久し振りでとっても懐かしい気持ちで聴きました。

ポロネーズやパディヌリーは中学の音楽時間に最初に聴かされたクラシックでした。

きっと音楽史を教えるのに「音楽に父」から始めたからなんでしょうね。

 

「運命」はとても良くまとまった「運命」でした。

小編成ですからもっとスリリングな演奏も出来たんだと思いますがオーソドックスにまとまりの良い演奏でした。

改めて思いましたが、ピッコロ・コントラファゴット・トロンボーン、4楽章まで所在なげでした。

1~3楽章でも使う気になれば使えたと思うんですよね。

4楽章だけで使ったベートーヴェンの意図を知りたいです。

最近聴いた中でも、マタイのヴィオラ・ダ・ガンバとか、マーラーの7番のギターとか、も使われない時間が結構長くあります。

作曲家にとっては必然性があるんだと思いますが奏者にとっては暇な時間ですよね。

 

アンコールではウィーンの香りを惜しみなく振りまいてコンサートをしめてくれました。