大野和士指揮、東京都交響楽団のコンサートに行ってきました。

ホールは、東京文化会館でした。

 

プログラムは

 

マーラー 交響曲第2番「復活」

 

アンコールはありませんでした。

 

ソプラノ中村恵理さん、メゾソプラノ藤村実穂子さん、コーラス新国立劇場合唱団を加えてステージ一杯に並んだメンバー壮観でした。

バンダのメンバーがステージ戻ってきてもHrはさすがに椅子の用意がありましたがTpはスタンディングでした。

ソリストとコーラスの登場が第2楽章後だったのもコロナに配慮してのことだと思いますし、72名のコーラスの立ち位置も前後左右間隔を広く取っていました。

とは言え、この環境下で大編成のコンサートを開催して下さったことに感謝しかありません。

応えるように客席は満席、完売と言ってもいつもは目につく空席が今日はほとんどありませんでした。

 

素晴らしい第1楽章でした。

Vcのブレイクから始まる雄たけびのような弦楽器に続いて広田さんのOb、被せるようにサトーさんのCl。

都響の素晴らしさを一瞬にして味わうことができました。

過去には、1週間に2回サントリーホールで「復活」、なんてこともあったぐらいの「復活」大好き人間です。

今日の第1楽章は数多く聴いた「復活」の中でも出色の演奏でした。

音楽としての流れを失わない中での張り詰めた緊張感、都響の演奏レベルの高さを痛感しました。

 

藤村さんの「原光」ホールの雰囲気が一変しました。

メゾの中でも低い声質の藤村さん、天から降り注ぐ光ではなく、厚く黒い雲に一面覆われたわずかな雲間から射し込んでくる一条の光です。

思わず居住まいを正してしまう威厳に満ちた荘厳な響きでした。

 

コーラスは、充実の極みを聴かせてくれました。

オペラシンガーズと双璧をなし、他のコーラスからは二歩も三歩も高いレベルの最高のコーラスだと思います。

女声42人、男声30人、昨今の情勢を鑑みた編成で決して大編成ではありませんが十二分に響き渡る声で圧倒的な迫力で演奏全体を引き締めてくれました。

 

日本最高のオケ、世界屈指のソリスト、並ぶべきもののないコーラス、三位一体となった素晴らしい「復活」でした。