トン・コープマンのパイプオルガン・リサイタルに行ってきました。

ホールは、ミューザ川崎でした。

 

パイプオルガンのリサイタル、カール・リヒターの来日コンサートを聴いて以来だと思います。

プログラムにパイプオルガンのソロが含まれるコンサートに行くことはありましたがパイプオルガンOnlyは数十年振り2回目かもしれません。

 

トン・コープマンは大好きでアムステルダム・バロック管弦楽団のコンサートは来日すれば必ず行っていましたし指揮者として単身で来日した時のコンサートもできるだけ行っていました。

モーツァルトのディベルティメントK.136番のCDはトン・コープマン盤が一番好きで、妊婦さんにイ・ムジチの「四季」とセットにして両手両足じゃ足りない人数にプレゼントしました。

 

ホールはステージ周辺のP席とLA・RA席は販売していませんでしたが、4階の後方を除き1階・2階・3階はほぼ満席、とっても良く入っていました。

客席に座ってステージを見るとオルガンの椅子の脇に丸椅子があります。

譜捲りとストップのサポートの方用だなと思いつつオルガンを見るとストップがありません。

「えっ、ストップのないパイプオルガンなんてあり?」と不思議に思いました。

目を凝らして良く見ると鍵盤の左右、パイプの下の壁に黒い長方形の小さいタッチキーが見えます。

ストップといえば棒状の頭についた丸いポイントを押したり引いたりするものだと思い込んでいましたがミューザ川崎のストップはキー方式でした。

アンコールの時、椅子に座ったコープマンが左右のキーを上から下に目視で確認していました。

 

プログラムは

 

ブクステフーデ 前奏曲

ブクステフーデ いざ来ませ、異邦人の救い主よ

ブクステフーデ われらが神は堅き砦

ブルーナ 聖母の連祷による第2旋律のティエント

コルネ ファンタジア

モーツァルト 小オルガンのローラー用のアンダンテ

エマニュエル・バッハ オルガン・ソナタ

J.S.バッハ バビロン川のほとりに

J.S.バッハ アッラ・ブレーヴェ

J.S.バッハ 前奏曲とフーガ

ダカン スイス・ノエル

J.S.バッハ パッサカリア

 

アンコールは、J.S.バッハの「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」からコラール、「トッカータとフーガ」からトッカータ、スカルラッティのソナタでした。

 

パイプオルガン、CDもリヒターとヴァルヒャのものを数枚待っているだけ、オルガン演奏を論評する知識も見識も持っていませんのでパスします。

音響に関してはミューザの素晴らしさを堪能しました。

本当に上から音が降ってきたのは東京カテドラル聖マリア大聖堂でバッハのミサ曲を聴いた時でしたがそれと同じ感覚に包まれました。

余りの素晴らしさに演奏途中で何度か天井を見上げてしまいました。

 

アンコールの1曲目、コープマンは客席を振り向いて「J.S.バッハ、・・・」と聞き取れませんでしたが曲名も紹介しました。

でも2曲目では「J.S.バッハ」とだけ告げて演奏を開始「タラリーン、鼻から牛乳」なるほど誰もが知ってる曲だけに紹介しなかったんですね。

3曲目のスカルラッティは軽快でとても楽しい曲、締めくくりに相応しいアンコールでした。