Uターン
やっと家の中に入って、犬のシャッグはいそいそと暖炉の前に行ってドテッと寝そべりました。
明日帰るメンバーは荷物整理で大忙し。
John は「家の中では草笛を吹かないように」と注意されて少しご機嫌斜め。
奥さんが「はい、お土産」と紙包みをくれました。
「見ていいですか?」 「勿論」
と開けてみると、メープルシロップ。
朝ご飯の時に、瓶のラベルを読んでいたのを見ていたんでしょうか?
これは、ワッフルやパンケーキにもってこい、エフィが喜びそうですね。
「サウス・サンフランシスコの家族が大喜びしますよ、ありがとう」と言うと、
「それじゃあ、もう1ッ本上げるから、日本にもって帰りなさい」と2本貰ってしまった。
John が「何?」と来たので「君が教えてくれたメープルシロップさ」と瓶を見せると、
「日本でもパンケーキ食べるの?」
「勿論、野菜や肉の入ったのもあるよ」
「ヘェ?野菜?おいしい?」 「うん、オコノミヤキって言ううんだ。君が日本に来たらご馳走するよ」
ご機嫌が治って奥さんに報告に行きました。
「野菜入りのパンケーキですって?健康に良さそうね、どういう風に作るの?」と奥さんは興味がありそう。
「パンケーキというよりも、Pizza に近いんです」と説明が難しいなぁ。
果たして、カツオブシとか青海苔が有るんでしょうかね?
ソースは無いでしょうね、ケチャップとウースターソースを合わせて作るにしても、ウースターソースってロジャーさんの所でもキッチンに無かったなぁ。
「フランス系の人たちがそんな料理をしていたような気がするわ」って奥さんはいうんですが、説明が上手く伝わってないのかな?
フランス料理に「お好み焼き」見たいなのがあるんでしょうかね?
肉の大きな塊にソースが少しかかったようなビーフ・シチューの夕食がすんで、ご主人と犬の話をしていると Sue がやって来ました。
2階からは、なにやら日本語で話している声が聞こえますが、一向に下りてくる様子がありません。
Sue が覗きに行って「大変、皆んな、スーツケースがもう1つずつ要るわ」と笑いながら帰ってきました。
今度はご主人が偵察に、下りてくると何処からか大きなダンボール箱を持って来て、二階にもって行きました。
しばらくすると、3人揃って下りてきて、ご主人にダンボールのお礼を言っています。
今日はプールはもうご勘弁、皆で今までのことを話し合いました。
話を聞くと、全く違う国に居たみたいですね。
改めて、お客さん扱いではなく、家族として扱ってくれたロジャーさんの所に居させてもらって良かったなぁと思います。
Sue は充分日本語が話せて満足して帰りました。
バンクーバー最期の夜も犬と一緒。
いよいよカナダとお別れの日、空港へ行く前にクラブの昼食会にでるとの事で、10:00に奥さん、子供達、シャッグとお別れです。
12:50 Vancouver 発、飛んだかと思ったら、13:20 Seattle へ到着。
皆んなは国際線のまま乗り換えです。
私はここでアメリカ再入国、国内線でサンフランシスコへ帰ります。
先生が「気をつけて頑張ってね!」と励ましてくれました。
いよいよこれからは1人だと思うと心細いですね。
あんまり心細さが増さない内に入国窓口へ向かいました。
国内線のロビーに1人で座っていると、心細いのを通り越して情けなくなってきました。
一緒に帰ったほうが良かったのかなぁ、と考えていると「すみません」と日本語。
「はい」と見ると中年の日本人がホッとしたような表情で立っています。
「良かった!日本の方ですね。サンフランシスコへ行くんですが、ここで待っていれば良いんですか?」
「私もよく判らないんですが、どの便ですか?」
切符を見ると同じ便です。
コッチこそ助かった、乗り間違っても一人より二人の方が心強い。
「あそこに表示が出ているから、間違いないとは思うんですが」と2人で切符を眺めながらいっていると、制服を来たおばさんがやって来て、2人の切符をい見て、表示板とゲートを指差して「此処でいいのよ」と言ってくれました。
「何て言ったんですか?」
エッ?この人私よりもヒドイ。
「英語読むのは何とかなるんですが、聞くのと話すのは全くアカンのですよ」
「私もそうですよ、関西の方?」
「エエ、枚方です」 「ワァ、私は豊中ですねん」
「そうですか、お近くですねぇ、あ~、よかった。本願寺から派遣されてきたんですけどね。サンフランシスコの空港へ支部から迎えに来てくれる言うから安心してたら、此処で乗り換えや言われて、心細かったんですわ」
「私も1人で心細かったんです。ほんならシスコまでよろしくお願いします」
シスコに着いたら何とでもなるやろ、いっぺんに気が楽になりました。
ゲートが開いてゾロゾロと飛行機に乗り込んで、空いているので並んで座りました。
オバサンのスチュワデスが飲み物を配ったと思ったら、シスコに向かって降下し始めました。
ベイ・ブリッジが見えます。
向うの丘の麓がサウス・サンフランシスコ、誰かこの飛行機を見てるかなぁ。
たった2週間ほどしか居なかったのに、帰ってきたのが物凄く嬉しい。
15:30サンフランシスコに着陸。
国内線ですから、本願寺の方の荷物が出るのを待ってから、そのまんま出口へ。
大きな紙に加州仏教会と書いたのを掲げている人が居ます。
「良かった!迎えが来てますわ、それでは失礼します」
「いえ、こちらこそ、助かりました」
さて、「誰かが迎えに行くよ」と聞いてたけど、誰が来てくれているのかな?と見渡していると、Amrine さんが手を振っています。
あ~、ホッとしますねぇ。
「エフィが『今日は皆用事が有って出かけているので、9時頃に夕食を済ませて帰っておいで』と言ってるから、良ければサンマテオ・カウンティー・フェアーに寄って行こう」、飛行場はサンマテオにあるから通り道ですし、勿論私はOKです。
ちょっと待ってもらって、トイレでスーツを普段着に着替えました。
サンマテオ・カウンティー・フェアーの会場に着くと農業品評会とバザーが一緒になったようなお祭りです。
夕方でもまだ日は高くて、暑いこと。
子供が売店をそこ此処に出しています。
小さい子供はレモネード、少し大きい子はクッキーかポップコーン。
その上はホットドッグかハンバーガー。
年齢で取扱商品が決まってるんでしょうか?
サンマテオは Rose City といってバラが市の花だけ有って沢山のバラが展示してあります。
同じ一角に、色々な草花や木の鉢植え、苗木も並んでいます。
サンマテオには日系人が多いんですね。
今は色々な職業についているそうですが、元々は造園業がほとんどだったそうです。
オッ、稲荷寿司!これは何が何でも食べねば。
ローマ字とカタカナで「イナリスシ」と書いた札が下がっています。、
「すんません・・」
あれ?日本語が通じませんね。
全く日本人の顔をしている相手に、英語で話すと言うのは、凄く変な気分がします。
うー、日本の味!
やっぱりお米は美味しいなぁ、紅ショウガも付いてます。
Amrine さんは初めてだそうで、フォークで突付いて食べています。
紅ショウガが殊之外お気に入り。
それにしても、紅ショウガだけをお代りするか!
「Rice cake?」う~ん、そうですねぇ。
あまり紅ショウガが美味しいというので、ソレならばロジャーさんへお土産にしよう。
紅ショウガを分けてもらおうと話をすると「いいよ、上げる」と小さな瓶に入れてくれました。
Amrine さんも一瓶貰ってニコニコ顔。
店番の人と何やら話し込んでいます。
稲荷寿司2個ではとてもじゃないがお腹が持たないので、ホットドッグとレモネードを、それぞれAmrine さんの顔見知りの子供達から買って夕食。
アッ、トムのお母さんがいます。
手を振ると手招きするので行って見たら、市役所の売店、これは素通りできません。
ケーキとパイが何種類も並んでいます、喫茶コーナーもありますね。
Amrine さんが引っ張るので付いて行くと、キャッ、あのイラチの市長(?)さんが・・。
大きなパイを半分くらい食べ終えたところ。
我々が座ると、そそくさと立っていって、なんと自分の分も含めて、パイを三つと、大きな紙コップに入った飲み物をトムのお母さんと運んできました。
紙コップに入ってるのはどうもビールみたい、やっぱりビールです。
パイとビール??
「すみません、私ビール飲めないんです」というと「じゃぁ、私が」と市長(?)さんがグビグビグビ。
今度はミルクの紙コップを持って来てくれました。
パイにかぶりつくと、中はミートソースのようなものが入っています。
これなら、ビールとでも大丈夫でしょうね。
甘くないパイがあるとは知りませんでした。
もう、お腹一杯。
2003/05/26:初出
2022/05/19:再録
43-帰ってきた!-U.S.A.1964-No.43(7/31)へ
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