12-ギリシャ料理-U.S.A.1964-No.12-再録 | maidoの”やたけた”(ブログ版)

maidoの”やたけた”(ブログ版)

旧gooブログ記事をアメブロにまとめました

どう説明すれば...。

↓又もや絵日記、キッチンです
ギリシャ料理なんて、未だかって聞いた事も見たことも、まして食べた事など有りません。
興味津々でエフィが来るのをキッチンで待ってました。
改めて見るとコンロはガスではないのです。
黒い蚊取り線香みたいなのが、スウィッチを入れると真っ赤になるんです。
どうも電気のようですね。
子供の頃になじみのある「電気コンロ」は、スプリング状の裸のニクロム線が、瀬戸物みたいな材質の台につけられた、渦巻きの溝の中に入っている物でした。
いかにも間に合わせのような代物で、火力も弱く、侘しさの象徴見たいな印象が有ります。
この電熱器というか、何と言えばよいのか?は火力が相当強く、お湯などはアッという間に沸くみたいです。
そのコンロに鍋がのっていて、盛大に湯気が上がっています。
どっかで嗅いだ事が有る匂いだと思えば、ぜんざい、汁粉の匂いです。
まさか、そんなものを作っているとは思えないので、 「何?(What's that?)」と聞くと蓋を開けて見せてくれました。
湯気が薄れた鍋の中には黄土色のぜんざいみたいなのが煮えたぎっています。
余程怪訝な顔をしていたのでしょう。
紙箱を見せてくれました。
中身を手に少し出してみると、三笠饅頭を小さくしたような褐色の種です。
箱を見ると「何やらマメ」と書いて有ります。

エフィが何かの葉っぱを冷蔵庫から取り出して水に漬けています。
桜餅のサクラの葉っぱのような色です。 又もや「何?(What's that?)」
「ブドウの葉よ」
エ~ッ、それは食べた事無いなぁ...。
レモンを3つとレモン絞りを渡されて、レモン絞り屋さん。
冷蔵庫から綺麗な壺が登場。
蓋を開けると、ワッ、臭~い....。
「何?(What's that?)」
「ヤギのチーズ」(ヤギと言う単語は予想外だったので何度も聞きなおしました)
液体の中に豆腐みたいなチーズが沈んでいます。
液体を舐めて見ろ、という素振りなので、恐々指にチョットだけつけて舐めたら、その塩っぱいこと。
大きなスプーンですくって、レモン汁を入れたボールにドテッ。
臭~い、掻き混ぜろと手まねの指示、臭~い。
大して粘りっ気の無い、どちらかと言えばサクイ感じのチーズです、臭~い。

ひき肉を団子にしてブドウの葉っぱで包んでいます。
鍋にお湯を沸かして、包んだ肉団子を入れます。
なんだか香辛料みたいな物を何種類も振り入れて、レモン+臭~いチーズのペーストを入れました。
砂糖と醤油で味付けしたら、きっと美味しいでしょうにね。
生姜か山椒をちょっと入れたらもっと美味しいのに...。
見たことの無いチシャの親分みたいな葉っぱを渡されて、サラダボールに千切って入れるお仕事、次はオリーブの実を薄く切って散らします。
マナイタが無いのでどうするのかと思ったら、コラリアが見本を見せてくれました。
サラダボールの上で宙で切るんですよ!
玉葱を渡されて、これを宙で切るのは至難の業と思ったら、20cm角くらいの板を渡されました。
板が小さいので、切るはしから器に入れなければなりません。
何故日本のように広としたマナイタを使わないんでしょう?
さすがに、こう言う物は板の上で切るのか、それとも指でも切られたら困るのでお目こぼしか?

サァ出来た!
出来た?って、これが夕食?
ロジャーがダイニングのテーブルにお皿を並べています。
花とロウソクも飾って有ります。
ステレオからはギリシャ音楽が...。
何処かで聴いた事があるような「そうや!メリナ・メルクーリ!」と思わず口に出すと、エフィの顔がパッと輝きました。
「知ってるの?(You know?)」
「Yes! Never on Sunday!」
「Oh Boy!」

エフィとコラリアが料理をよそってくれました。
最早、鼻は匂いに麻痺してそんなに臭いとも感じません。
サァ、食べよう!その前に乾杯ですて。
先ほどのマメは塩味のぜんざい見たいなスープ。
小豆と似た風味です。
さて問題の肉団子。
口に入れたら、やっぱり臭~い.....。
サラダで口直しと思ったら、ドレッシングにも憎っくきヤギのチーズが....。
コラリアと目が合うとニヤッとウインクしました。
他に食べる物が無いので、頑張って食べていると、おや?匂いが気にならなくなってきました。
イカの塩辛を油っぽくしたような臭い?
最期の方は、ひょっとしたら美味しいのとちゃう?という気持に。
ブドウの葉っぱの葉脈の堅いところが有って、何とか飲み込もうとモゴモゴやってましたが、エフィがちょっと顔をしかめてお皿の横っちょに出したのを見て、やれ助かったと真似。
ブドウの葉っぱの味は全く判りません。
うん、臭いけど、美味しいやんか!
お陰で「ギリシャ料理はどう?」とエフィに訊かれた時に、嘘をつかなくてすみました。

結構お腹が一杯になったところで、コラリアが運んできたのは、直径30cm位のパイ。
ロジャーが揉み手をしています。
大胆に十文字にナイフを入れて、もう一度切って8等分かと思ったら、ゲッ!1/4を渡されました。
中には緑褐色の物が詰まっています。
「何?(What's that?)」
「何って、パイよ」
「いや、中に入ってるのは何?(Yes I know! fillings what?)
「&%#$」
う~判らん!
何か野菜を甘酸っぱく煮たようなものです。
見た目は良くないけれど、中々美味しい。
「これもギリシャ料理?」
「これは違う、ギリシャのデザートはもっと美味しいのよ」
とエフィ。
コラリアとロジャーがニヤッとしたところを見ると、この家ではギリシャの悪口は禁物のようです。
悪口が言えるほど現代のギリシャについては、ほとんど何も知らなくて幸いです。

「オイシカッタ」と日本語で言うと、エフィが怪訝な顔で見返しました。
「おいしかった」と英語で言うと
ギリシャ語で「トイレに行きたい」というのと「オイシカッタ」という音が似ているんだそうです。
そう言っているように理解したんですが、はて本当はどうなんでしょう?
コラリアが「You are GOOD BOY!」と誉めてくれました。
どうも半分からかっているような響きが有るなぁ?
「この料理を美味しく食べられると、もうどんなギリシャ料理が出て来ても大丈夫よ」と物騒な事を言います。
踏絵みたいな料理なんだったんですね。
先ずは合格なんでしょうかねぇ?

それは良いけど、いくら一生懸命歯を磨いても、自分のゲップが臭いんですよ....。

2003/03/13:初出
2022/04/17:再録

さてどうするか?U.S.A.64-13
U.S.A.64-menu