今回のシリーズを名古屋高校サッカー部の山田監督がリブログしてくださいました。
山田先生、このようなど素人の意見をフラットな目線で読んでくださり、共感いただいてリブログまでしてくださり心より感謝申し上げます。今回アジアサッカーの育成状況について改めて調べてみて、名古屋高校さんがなぜタイに遠征に行くのかよ~く分かりました。さすがです。これからも応援してます!
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■日本サッカー協会会長の目標
今年3月、日本サッカー協会の会長に宮本恒靖さんが就任した。宮本さんは会長としての抱負を以下のように語った。
「この国においてサッカーをもっと大きな存在にしたい」
シンプルで力強く奥行きもあり、パパはとても良い表現だと思う。すごくいい!!では「日本においてサッカーが大きな存在になる」とは具体的になんだろうか?
*サッカーファンが増える
*Jリーグの入場者が増える
*日本代表が世界で活躍し、多くの人がそれに熱狂する
*サッカー関連ビジネスの経済規模が大きくなる
*サッカーを通じて地域が活性化する
他にも色々あると思うが、上記のようになれば間違いなく「日本においてサッカーが大きな存在になった」と言えるだろう。ではここでもう一度上記を見てみよう。この中で一番大切なものはなんだろうか?考えるまでもないね。
☆サッカーファンが増える
これが全ての中核だ。何故なら?サッカーファンが増えれば → Jリーグの入場者数も伸びるし、日本代表を熱狂的に応援する人も増える、当然それに付随して様々なサッカー関連のビジネス規模も大きくなるし、地域も活性化する。つまり「サッカーを大きな存在にする」為の1丁目1番地が「サッカーファンを増やす」ことであるのは間違いない。
例えば宮本さんは会長に就任前、JFAの専務理事だった際にJFAミュージアムを移転&大きくリニューアルし、様々な体験ができるアミューズメントパーク的要素やカフェ&バーを併設した施設をオープンさせている。
まずサッカー文化に気軽に触れてもらおうという試みでとても良いと思う。こうした活動も日本サッカーのイメージ戦略としてとても重要だよね。ただパパが思うにこれが出来たことにより「サッカーファンが増えるか?」と言えば、多少の効果はあるにしても限定的だと思う。何故ならここに行くのは既にサッカーファンだからね。
パパはまずシンプルなマーケティングから本質的に物を考えるべきだと思うんだよね。マーケティングの基礎中の基礎は「顧客は誰か?」だよね?つまり「いつ誰がサッカーファンになるのか?」という視点から物を考えることが重要だとパパは思うのだ。
■いつ誰がサッカーファンになるのか?
つまり新規顧客はどこから生まれるのか?これがサッカービジネスを考える上での基礎中の基礎になるはずだ。一般的に新たなサッカーファンはいつどこで生まれているだろう?それは下記の2通りがメインであるのは間違いない。
1)少年団、スクール、クラブチーム等でサッカーをやり始めた子供達
2)その保護者
例えば4種(小学生)の登録人口はおよそ27万人、4種登録は主に小4以降なので1学年におよそ9万人。やめてしまう子を含めると毎年サッカーを始める小学生が軽く10万人くらいいる計算になる。そうしてサッカーをやり始めた子供達が日本代表選手のファンになり、Jリーグのファンになり、やがてスタジアムに足を運んでくれるようになる。中には逆に自分がJリーグの選手や日本代表になる子供達もいる。
もちろんまったくサッカーをやったことがない「生涯見る専門」のファンもいるだろう。でもサッカーをやっていた子供達がサッカーファンになって将来Jリーグ観戦にお金を使ってくれる確率はやっていなかった子達に比べて圧倒的に高いのは間違いないはずだ。つまり育成年代の子供達こそがサッカービジネスにおける新規顧客のメインターゲットである。
実はその保護者というのも新規顧客のターゲットとして非常に大きな存在だ。パパはボウズがサッカーを始めるまで東京に住んでいながらFC東京というチームすら知らなかった。それくらいサッカーに興味がなかったのだ。それが今やこうして誰にも頼まれてないのに日本サッカー協会への提言を勝手に書くようなサッカー狂人となってしまったのだ(笑)。
ブログを見渡してもサッカーにまったく縁のなかった親御さんが、子供がサッカーチームに入ったのをきっかけに自分ものめり込む、という姿を沢山垣間見ることができる。パパもそうだけどサッカーにまったく興味がなかった人でも、子供がサッカーを始めると子供を連れてJリーグを見に行ったりもするようになる。次回のパパの提言はそうした保護者に焦点を当てたものだが、それは次回のブログに委ねよう。
まずはサッカーを始めた子供達だ。この最も大きなメインターゲット、JFAの潜在顧客について考えてみよう。ちなみに子供達はまだ自分のお金でサッカー観戦することはできない。基本的にはその子達が働き始めた時にまだサッカーファンであり続ければ、そこで初めて新規顧客の獲得となる。だから子供達は潜在顧客なのだ。
■サッカーファンを増やすには?
まず潜在顧客としてのメインターゲットである「サッカーする子供達」を増やすこと、これが最もサッカーファンを増やす戦略の王道である。ではサッカーする子供達を増やすにはどうするべきか?それは次の2通りしかない。
1)サッカーを始める子供の数を増やす
2)サッカーを辞めてしまう子供の数を減らす
日本中の公園がどんどん球技禁止となり、サッカーで遊べる場所がものすごく減ってしまっている上、少子化が加速中の現状においては1)も非常に大きな課題だ。それについても書きたいことが色々あるのだが、本日は置いておく。
数あるスポーツや習いごとの中からサッカーを選んでくれた子供達がいる。その子達をいかに大事に育てるか?それがまさに新たなサッカーファンの獲得に繋がる。ところがせっかくサッカーを選んでくれた子供達が途中でやめてしまうと?
当然サッカーファンの獲得数は下がる可能性が高くなる。もちろん途中でやめてもサッカーファンであり続ける子もいるだろう。しかし辞める以上そこには理由がある。その理由がもしネガティブなものなら?当然サッカーファンではなくなってしまう確率が高くなる。
例えばコーチから罵声を浴びせられてばかりで怖いしつまらないからやめた、試合に行っても一部の子しか出られず、ベンチに座っているだけでなんにも面白くないからやめた、そういう子達がサッカーファンであり続けるだろうか?息子がそうしてサッカーを辞めてしまった後、それまでしていたように親がJリーグの観戦に連れていくだろうか?
難しいよね。つまり「パワハラ×補欠問題」はJFAの経営面から見た場合、毎年毎年あり得ないほどの損失を出しまくっている元凶である。せっかく店に入ってくれたお客様を怒鳴りつけて追い返しているようなものだ。なんともったいないことだろうね。
実際海外強豪国は大人と子供の競技人口が変わらないのに、日本だけは年齢が上がれば上がるほど競技人口が減ってしまっている。海外は円柱型、日本は非常に残念な事にピラミッド型だ。
日本のサッカーファンを最も減らしてしまっているもの、すなわち日本サッカー協会の収益を最も落としているもの、それが「パワハラ×補欠問題」である。パパは指導者のパワハラが原因でサッカーを辞めた子を少なくとも5人知っている。個人の身の回りにこんなにもいるのだ。あまりにも多すぎるよね。
逆に言えばそこを解決することで間違いなくサッカー人口が増え、サッカーファンが増える。JリーグやWEリーグの入場者が増え、代表選は大きく盛り上がり、関連ビジネスも潤う。かつ競技者が増え、サッカーの裾野が広がることで日本全体の競技力も上がり、ますます日本のサッカーは注目される。
まさに「日本においてサッカーが大きな存在になる」よね。そして何より日本中の子供達の笑顔が増える。やらない手はないのだ。
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パパはサッカー(スポーツ)におけるパワハラ&補欠問題に関し、今回のシリーズで3つの視点から書いた。
1)子供の人権から見た問題点(日本は歴史的に子供の人権意識が低い)
2)日本のサッカー競技力向上から見た問題点(パワハラ&補欠問題の解決が日本サッカーのレベルを劇的に向上させる)
上記だけを見ても「パワハラ&補欠問題」は確実に取り組むべきものだというのが分かるはずだ。しかし世の中はなかなかそれだけでは動き出さない。何をするにも「予算」というものが必要になるからね。ところが今回の上記記事を読んでいただければお分かりだと思う。これが3つ目の視点だ。
パワハラ&補欠問題の解決はサッカービジネスをマーケティングから見た場合においても、真っ先に取り組むべき巨大な問題なのだ。パワハラ&補欠問題の解決は間違いなく確実にサッカービジネスを大きく膨らませる。とんでもなくお金になるのだ。間違いなくサッカーファンが増え、Jリーグの観客数を増やすことに繋がる。
とはいえ、ではどこからどのようにこの問題にアプローチすれば良いだろう?いくらお金に繋がるとはいえ、効果を感じるまでにある程度タイムラグがあるとすれば、現在の状況で巨大な予算を組むのは難しいだろう。
そこでパパはなるべく最低限の予算で済み、圧倒的に効果のある具体的な対策を考えた。以下に詳細を紹介したいと思う。
続く