何が積み重なって、何が積み重なってないのか?(前編) | ドングリクンパパのブログ

休校開け、ボウズ、近所のG君、部活のS君(ブログに何度か登場している元野球部の子)と3人でサッカー、1対1をやりまくったそうだ。勝ち残り勝負で5連勝したら勝利、というルールで結局勝負がつかなかった、3人とも4連勝まではいったけど、と。

 

楽しかったし良い練習になったそうで、それは良かったと思うが不思議に思ったんだよね。ボウズが言うには「Sってスゴイよな、あいつ2ヶ月まったくボール蹴ってないのにキレキレだったよ」と。G君とボウズはその間も毎日3時間は蹴っていた。S君は運動神経抜群だが頭は更に良くサッカーより勉強優先、偏差値も多分70近い感じでもう完全に受験モードなのだ。

 

S君がスゴイというのは初めて会ったときからパパもそう感じているが(ただ身長の割に早熟系というのもあるのだが)それにしても、と思ってね。1対1は元々いい勝負、S君は一瞬のスピードが半端ないのでテクニックのあるボウズとも良い勝負になる感じ。

 

でもこの2カ月S君は家の前でちょっと兄弟と蹴ったくらい、ボウズとG君は2ヶ月間ビシッと積み重ねた。5月後半に入るとG君はチーム活動も始まった。そんな関東リーグチームでバリバリレギュラーのG君と、2カ月ほとんどボールを蹴ってないS君が互角に1対1でやりあえるって一体なんだろうなと。

 

G君はもう身長が止まりかけているのでS君と成長具合はそこまで変わらない。でもボウズの場合今まさに成長期で身体が日に日に大きくなり、スピードも上がり、という状況のはずで、更に2カ月しっかり積み重ねて、でも結局一切ボールを蹴らなかったS君と1対1が互角のままってどういうことなんだろう?

 

「じゃあ練習って一体なんなんだ?」

 

S君のおかげで非常に面白い問いが浮かんできたのだ。これは少し検証してみよう。まず可能性を少し整理してみる。

 

1)そもそも2カ月程度ではどんなにしっかりトレーニングしても大きな差は生まれない。

まあその可能性はあるよね。未熟な小学生であれば2カ月で激変、ということはあり得ない話ではないが、既にある程度のレベルでやっている中3の場合、2カ月休んでも2カ月積み重ねても大きな差は生まれてこないと。でも小さな差は生まれている可能性はあるよね。

 

2)2カ月休んだことでS君がリフレッシュし、身体(筋肉)が成長した

海外強豪国で日本のように朝から晩まで練習漬けになっている国はどこにもない。週3日の練習、週末1試合でみんな育っているし、夏休みは2カ月練習がない。スペインやイタリアでは「休みの間サッカーはやらないでください、やるとしても遊びでやってください」とコーチから指示が出るという話は何度も目にした。

 

S君は図らずも強豪ヨーロッパ諸国が重要と捉えている2カ月の夏休みに近いものを経験することになったと言っても良いだろう。ただし学校の先生であるお母さんの元、バッチリ勉強漬けの生活だったようで(笑)そこはヨーロッパの夏休みとだいぶ違って心のリフレッシュはどうか分からない。

 

ただ先日久しぶりにパパもS君と一緒に蹴ったんだよ。ひと目見てああ、なるほど~と思ったね。やせ細っていたS君の顔がぷっくりしてるのさ。太ったんだよな。太ったと言っても脂肪がついた感じではないわけ。身体がブリブリしてたくましくなってるのな。ヨーロッパでは夏休み明け、子供達の身体が一回り大きくなると言われている。あ~、こういうことかと。まさしくだよな。

 

恐らく休みが2カ月を超えると今度は脂肪が来ちゃうだろうね。でもテストステロンがバリバリ出まくっている思春期開けの子が、2カ月ほどほどに休むと筋肉がグンと育つというのはあり得るなあと。それまで練習量に対して追いつかなかった栄養、休養が十分に足りてくるんだろうね。「プロとアマチュアの差シリーズ」で書いたこととまさにリンクする。休養ってやっぱ大事だよね。

 

注:(ただし本当にまったく動いていなければ2カ月でも脂肪ぶよぶよかもね。S君は兄弟3人サッカーしてるし、仲も良いので一緒にふざけてるだけでもそこそこの運動量だったんじゃないかなと思う)

 

3)積み重ねたものが1対1の中に要素として入っていない。

当たり前だけど1対1だけがサッカーの技術ではないわけで、例えば前回書いたようなヘディングの練習をいくら積み重ねても1対1には関係ない。せっかくの機会だからちょっと振り返ってみようとボウズに提案してみたのだ。

 

この2カ月、状況的に個人練習しかできなかった。その中でボウズは何を積み重ねたのか?それは本当に積み重なっているのか?どんな練習をして、それは成果が出ているのか、ボウズにひとつひとつ振り返ってもらったのだ。

 

続く