最近では箱根の大涌谷の噴火で、よく聞くのが、「風評被害」という言葉です。
大涌谷周辺が立ち入りを規制されただけなのに、箱根全体が危険と思われて観光客が来ないのは、風評被害のせいだと言います。
でも、火山の近くは、そうじゃない場所に較べれば、少し危険でしょう。また、そういう危険と隣り合わせだから観光業が成り立っているともいえます。
観光業からすれば、適度に煙があがり、熱湯が出ている状態がベストでしょうけど、自然はいつも良い顔ばかりしてはくれません。
今日の新聞に、箱根の宿にお湯が出るかの問い合わせが多いことを取り上げ、観光客に正確な情報が伝わっていない、風評被害だという記事がありました。
箱根に行こうと思った人が、宿を探して、電話でお湯の質問をしたら、「うちは大涌谷周辺じゃないのに、お湯の心配をしている人がいる」といって、正確な情報が伝わっていないというんですね。
僕は、相当のネット好きですけど、箱根に旅行するとして、温泉が大涌谷から引き込まれている宿はどこだろうかと調べて、確認して、そこを外して宿を探すだろうか。そんなことしないで、ネットで見つけて、電話で状況を確認して予約するのが普通じゃないでしょうか。
その行動が、風評に踊らされているとされるわけです。ずいぶんと、観光客を馬鹿にした話ですね。
こんな状況でも箱根に行こうと思って電話してくれた観光客を、風評に左右される低レベルの人間だと言っているのだから。
大体、そこで生活している人は、万が一何かあってもという覚悟はあるでしょうが、観光客は万が一でも危険なところにはいきたくないのが当然です。ほかにも行くところはいっぱいあるのですから。
火山が噴火するかしないかは、気象庁や火山学者が決めることではなく自然の営みです。本当に不思議なのは、噴火が起こると気象庁の課長が出てきて、現在の状況とこれからの予測らしきことを言い、それをマスコミがそのまま記事にしていることです。
「今のところ大噴火につながる兆候は見えない」とかいうのですが、大噴火につながる兆候って何ですかとは誰も聞きません。大噴火の前に、その兆候を観測する体制があって、住民を避難させることができるのですか、とも聞きません。
おそらく、専門家じゃなくても、一般の市民でも、ここにいては命に係わるとわかるような状況になって初めて大噴火だというのでしょう。
こないだ、口永良部島で噴火があって、全島民が避難した時、日ごろの訓練の賜物ということが報道されていました。
訓練することは無駄ではないし、今回のようにそれが生かされる場面があったことは喜ばしいことです。
でも、訓練では間に合わない事態もあることは、これまでの歴史上の災害が証明しています。
火山は危険です。飛行機も、電車も、車も、自転車も。それが、どの程度危険であるかを計り、わかったうえで利便性と秤にかけて利用しているのが社会であり人間です。