舞台写真その6
みなさま、こんばんは。
1週間前は千秋楽を終え、スタッフも役者も総出で
パイプ椅子を片付けたり舞台装置のできるところから解体が始まっていた頃です。
時間をかけて作った舞台装置などが、
あっという間に役目を終えて解体されていくのは
毎回「もったいない」「あっという間すぎる」と思ってしまいます。
でも、生の舞台だからこそ、
お客様に直に伝わるチカラが大きいのかもしれませんね。
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ときは、日本中にインターネットや携帯電話が普及し始めた頃。
舞台はとある田舎の火葬場。桜舞う季節。
待合室では白装束を着た男が二人、桜を見ながら煙草をくゆらす。
野々村浩介と北見栄治はこれから火葬される幽霊である。
もう言いたいことも伝えられない。しかし、どういうわけか…ボケ始めたおばあちゃんにだけは、
二人の姿や声が分かるらしい。
たまたま一緒になった二組の家族。それぞれの思いが交錯する。
旅立つ二人と見送る人たちの、ちょっと切ないハートフルコメディ!
(チラシ裏のあらすじより)
さてさて、舞台写真をご紹介しますね。
(※写真はゲネプロ時に撮影したものです)
【舞台写真その6】
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【振り返り】
・にぎやかな他の家族や親族は隣の待合室へ行き、一人残された「礼子」。そして「野々村」。
二人並んで座り、ぼんやりと窓の外の桜を見ています。
お互いに伝えたい思いがあるものの、もう姿が見えない、声が届かない…。
台本ではほんの5行、セリフのない静かなシーンでしたがとても大切な時間だったと思います。
M貴ちゃんは12年前の初演のDVD、H恵さんが演じるこのシーンを見て、
「このお芝居をいつかやりたい!」と思い続けていたそうです
・二人が窓の外を眺めているとき、よく見るとハラハラと桜の花びらが舞い落ちています。
後日ご紹介しますが、小道具チーム&「N元システム」&H夢くんの絶妙な操作による賜物でした
・そこへ「亮太」が戻ってきます。お弁当を食べて少し落ち着いたようです。
何か母に打ち明けようとしますが、それを遮る「礼子」。
お互い言いたいことはあるけれど、今日はやめようとのこと。
「今日はぼんやり、お父さんのことだけ考えていたいの」と語ります。
(私の中の「泉」が「礼子さん、色々と大騒ぎしてごめんねええええ」と全力で謝罪)
・「早紀」も戻り、母と子、兄と妹の会話が穏やかに交わされます。
「久しぶりだね…久しぶりに皆そろったね」と「早紀」。
親子「4人」が久しぶりにそろいました。「野々村」はいたたまれなくなり、背を向けて泣きます。
皆で桜を眺めます。
・「明日、みんなでどっかおいしいもん食べに行こうか」と提案する「礼子」がステキです。
3人はどこか明るい表情になり、そこで「早紀」が煙突から煙が出ているのを見つけます。
3人の視線の先には、背中を向けて煙草を吸う「野々村」の姿が。
・稽古を重ねるたびに、本当の「家族」のように絆が深まっていった「野々村家」。
「桂」も含めた「家族会議」を開き、関係性のすり合わせなどを丁寧に行いました。
台本にない日常の「野々村家」の様子も見えてくるようでした。
【舞台写真その7】へ続きます。
それではみなさま、明日も良い一日をお過ごしください
(熊稲)