「仙台舞台芸術フォーラム」オープニングイベントを観て来ました | 舞台裏

「仙台舞台芸術フォーラム」オープニングイベントを観て来ました

みなさま、こんばんは。


北陸では昨日、春一番が吹いたとのこと。


今年は雪かきをしないまま、

本格的な春を迎えることになる予感?!




* * * * * * *




さてさて、2月16日(日)、

せんだい演劇工房10-Boxまで

観劇しに行ってきました!




「仙台舞台芸術フォーラム」オープニングイベント。


千秋楽はあいにくの雨降りでしたが

当日券もあっという間に完売。


会場内は満員でした。


3人の劇作家の方々が震災後に創った戯曲を、

現在の視点で再構成された作品とのことでした。



★演劇「はなして」  三角フラスコさん


前半、

動きや反応が予測不能な乳幼児ちゃん達と、

「ママ」達のやり取りがスリリングで、ほんわかしました。


泣いている子の頭をナデナデしてあげる子、

語り手さんの手をぎゅっと握る子、

舞台上を笑顔で元気に駆け回る子…


大人たちがそれぞれの「震災」の記憶を語り、耳を傾け合う中、

子どもたちの命のきらめきがまぶしかったです。


後半、

語り手である役者さんの全身を使った表現、

たっぷりとした間、凛とした声に凄みがあって引きこまれました。


「はなして」は、「話して」と「放して」であり、

祈りが込められているように感じました。




★ドラマリーディング「徒然だ」  劇団三カ年計画さん プラス 演劇ユニット石川組さん


2015年9月初演のこの作品と久々に再会しました。


三カ年さんと石川組さんの役者さん達によるドラマリーディング。

なんだかそれだけでドキドキしました。

(Mカちゃん、緊張しなかっただろうか。)


2015年初演の時より30分カットされ、シャープになっていた印象です。

メリハリがあって、やり取りがおもしろくて、ところどころで笑いました。

「息抜きのシーン」って大切だなと思いました。


震災や災害をテーマにした三部作のうちの2作品目。

ユニークな中にも鋭さと哀しさがあり、

観る人にそっと寄り添ってくれる作品でした。

 



★ドラマリーディング「壊れる水」  弘前劇場さん


2013年10月初演の演劇「祝/言」を再構成された作品とのことでした。


「震災の時どうだったのか」ということで、作者の方が

震災前に、とある病院で行われていたワークショップの場面から始まりました。


コミュニケーションを題材とした内容で、大変興味深かったです。


そしてあの瞬間が訪れ、作者の方やその場に居た方々の行動が語られます。

客席の方々も、それぞれの3.11を追体験されたのではないかと思います。


「失われた言葉」を取り戻し、再び紡いでいく…

作家の方々の葛藤や苦しみが伝わって来ました。


スライドに映し出されるセリフ、雪の中の馬の写真も印象的で、

役者の方々の「言葉」と共に静かに語りかけて来ました。





公演パンフレットにあった文章も心に残りました。


「時が経ってようやく語られる言葉があり、今なお語ることができない言葉があります。」


それぞれが抱える喪失、葛藤…

演劇や朗読は、そこに寄り添える分野なのだと思います。


個性的な三作品に出会うことができ、

あっという間の3時間でした。



しかも「豚汁」を用意して下さったり、お心遣いがうれしかったです。

アットホーム…ニコニコ



観に行けて良かったです!




(くまはち)