舞台写真その7
みなさま、こんにちは。
花に癒されるくまはちです。
公演でいただいた花を、職場の方がオアシスに活け直して下さり
職場や自宅で飾っています。
さすがにしおれてしまう子もいますが、
まだ大半が元気で楽しませてくれています♬
* * * * * * *
さてさて、舞台写真の続きをご紹介しますね。
【舞台写真その7】
(「末子」に、桜の一枝を折ってきて欲しいとお願いされた「山一」。)
(大事な餅を木に吊るせば虫が入り、地べたに置けば泥臭くなってしまう…
背負ったまま木に登ることにしました。)
(「んだらば、この花が」「もっと上の芯この花っこよ」)
(「ようし、したらば、この花が」)
(…と言ううちに、がりがりがりっと枝が折れ、
「猿は臼を背負ったまま川の中さ真逆さま。…だっぽぉん」)
(「しっぷぐ しっぷぐ しっでんでん
流れる 流れる しっでんでん 餅を入れた 臼が流れる」)
流れる 流れる しっでんでん 臼を背負った 猿が流れる」)
(「猿さんが 流れる命 惜しくはないが 後で泣く姫 くやしやかろらん」)
(「山一」が歌を詠みました。歌を詠めました。)
(「ぶぐ、ぶぐ、ぶぐぶぐ・・・・」)
(泣き叫ぶ「末子」。)
(「山一」が詠んだ歌を「末子」も口ずさみます。)
(「おら歌嫌んだ、嫌んだ嫌んだ、歌嫌んだぁ…」)
(「良ぐやった、良ぐやったぞ」
「長老」「村人」がやって来ました。)
(子どものように泣きながら、「おら歌嫌んだもん」と繰り返し、
「おら猿殿を死なせてしまった」と自分を責めます。)
(「おまえは立派に役目を果した」
「お前の役目は猿を騙くらがして手下にすること」と、
「末子」を労う「長老」。)
(「なあして生がしたまんま村さ引っ張って来ながった」
「あそごまで騙くらがしていながら殺してしまうなんてよ」
「これで村をおそわれる心配はなぐなった。万々歳よ」)
(「じさま」「姉様」達も駆け寄り、「末子」が無事に戻って来たことを喜びます。)
(「まだ終わってねぇ。めでたしでねぇ」)
(泣き崩れる「末子」。
「みよやみよ 知恵ある人のなす業を 臼を背負掛で猿流れけり」
と長老が歌を詠みます。)
(「村人」が悲鳴をあげ、後ずさりしました。)
(「さ、猿だ」「やっちまえ」と、木切れや石を「末子」に投げます。)
(「じさま」達は「末子」をかばいながら
「これはみんなのためだど言って山さ登ったおらの末娘」
「それを猿だどはあんまりだべ」と必死に訴えますが、
「妹を山へ登らせたはお前たちでねえが」と「村人」達。)
(「良っく見ろ、…その姿形を」と「長老」。)
(ゆっくり立ち上がり、振り向きます。)
(どこやら猿らしくなりかかっていた「末子」。)
(「村人」だけでなく、「家族」も後ずさり。
「おら猿でねえ。村の人間だ」と「末子」。)
(「これが人間に見えると言うならば、お前たちも猿になりかかっている証拠。
「やがてお前たちも猿になる。さあさ、どっちに見える」
「長老」「村人」が迫ります。)
(「猿と言えば末子が猿に」「人と言えば、おらだが猿に」「これはみんなおらのせい」)
(「末子かんにん かんにん末子」)
(少し歩き、「じさま」達の方を振り返る「末子」。)
(「じさま」達はどうすることもできず、あとずさり。)
(「じさま」達は泣き崩れて立ち去ります。)
(「村の秩序を守るため、この事を語り草としてつたえていくんだぞ」と上機嫌の「長老」。)
(「ここで歌を一首」と得意の歌を詠もうとしますが…)
(歌が出て来ません。)
(「村人」を追っ払い、イライラしながら「長老」も立ち去ります。)
(「一つ猿が流されて 一つ娘が猿となる
波立つ川の向こう岸 二つの影が並び立つ」)
(「猿さん 猿さん お猿さん 何で臼など 背負いました
力のあるどご 見せるべど 情のあるどご 見せるべど
それで臼など 背負いました」)
(「はらり花びら浮かべて流し 姿かくしてかくれ水」
(「…暗いよう」)
(「やがて集まり早瀬となって 岸を削って走り去る
めぐりめぐってようように いつの間にやら淀となる
水は再び無口にかえり 魚と鳥との影映す」)
(「山一」「末子」が並んでいます。)
「あれあの大きなものはなに」)
(「あれが海 あれが波」)
(「あれあの光るものはなに」)
(「あれが空 あれが雲」)
(「ああ、みんなと一緒に、海を見たかった」)
(「むかしむかしが あったとさ 山には猿殿 おったとさ
見事に猿をたぶらかす 手柄話の物語」)
(「むかしむかしが あったとさ 里には爺さま おったとさ
猿を退治たそのかわり 娘なくした物語」
(ありがとうございました。)
* * * * * * *
【振り返り】
・川村光夫先生が「うたよみざる」を創作した時代背景。
現代に当てはめた時、どんなメッセージになるのか?
ラストシーンの「家族」の葛藤と悲劇。
「村人」や「猿」を演じる「コロス」の役割。
猿社会を描くことで見えてくる、人間のずるさ。
「歌を詠む」というキーワードから見えてくる、「差別」「人間らしさ」「猿らしさ」とは?
「猿」とは何を意味するのか?
家族側、村人側、猿側…視点を変えると様々な見方がある。
目に見える価値観はほんの一部であり、全てではない。
いろんな立場の人の中で本当に大切なことは何か?やってはいけないこととは何か?
など、「分析」でたくさんのことを話し合い、稽古を重ねて来ました。
辛いシーンも多かったですが、
「うたよみざる」というお話が持つメッセージを伝えるため
役者もスタッフもそれぞれの役割を全うしました。
・「ラストシーンの山一と末子の姿に少し救われた」
という声を多くいただきました。
・歌が多く登場したこの作品。
歌詞はもちろん、J子先生が作曲した素敵なメロディーも大好きです。
(まだ車の中でCDを流しています)
私が好きな歌は
「むかしむかしがあったとさ」(劇中何度も出て来ました)
「葦を束ねてつくよな雨に」(第二幕の最初、嫁入りした「末子」が歌いました)
「はらり花びら浮かべて流し」(水が生まれ、遠く海まで旅する様子を描いています)
です🎵
舞台写真、今回が最終回です。
ボリュームたっぷりになりましたが、
お付き合いいただきありがとうございます。
今後は
公演総括の様子、
アンケートのご紹介、
仕込みの様子、
舞台装置、
小道具アレコレ、
公演前後アレコレ、
打ち上げの様子、
などご紹介していきたいと思います。
年内にまとめられるよう、がんばるどー!
よろしくお付き合いくださいませ♬
(くまはち)