「ぼうぼうさまの嫁っこ」舞台写真
みなさま、こんばんは
公演が終わり、稽古漬けだった日々もひと段落し、
なんだか不思議な気持ちのくまはちです。
ふとした時に劇中歌を歌ってしまいます
「や~まは~地べたっこさまのかたまりだぁ~」
さて!お待たせしました!
舞台写真を少しずつご紹介していきたいと思います。
(※ネタバレ多数!)
地べたっこさまのしてくれたおはなし。
その一「ぼうぼうさまの嫁っこ」。
物語はコロス達の歌から始まります。
※『コロス』とは・・・
劇の背景や要約を伝えるという役割があります。
(古代ギリシア劇に由来するそうです)
『親子劇』には必ずと言っていいほど登場しています。
「ぼうぼうさま?ぼうぼうさまってなあに?」
村の天神沼には、「ぼうぼうさま」という“主”が住んでいました。
「ぼうぼうさま」の姿を見た者は誰もおらず、
沼の向こう岸に青光りする二つの目玉がゆらめき、
まるで鬼火のようにぼうぼう燃えていたから、
「ぼうぼうさま」という名がついたそうです。
「嫁っこほしい!嫁っこけれーっ(くれーっ)」
という「ぼうぼうさま」の気味悪いうなり声が聞こえたら、
村では嫁っこを出さなければならない“おきて”でした。
嫁っこえらびは、山伏の「仙一坊」の占いに任されていました。
「おサト」は長者屋敷の飯炊き女です。
ろくに休む暇がないほどくるくるとよく働き、
年がら年中かまどの下を吹いていたので
顔はすすけてまっ黒けでした。
周囲は嫁に行けるかと心配していましたが
肝心の「おサト」は
「おらみたいな働きもんを嫁っこにしたやつは、天下一の婿どんだ」
と、いたって前向きでした。
そんな「おサト」も、「長者様」の一人娘の嫁入り道具を見ると
ちょっぴり胸にこたえるのでした。
ところが「長者様」の一人娘が嫁に行くひと月前に
大変なことが起こりました。
七年ぶりに、天神沼に「ぼうぼうさま」が現れたというのです。
仙一坊の占いで嫁っこに選ばれたのは、
なんと「長者やしきの娘」でした。
「なんとか村のおきてを曲げていただくわけにゃ…」
困った「長者様」は、村の「長老さま」のところを
一軒一軒めぐり歩きます。
「兵隊衆をつかわして、沼の主を退治してくだされ!!」
お城の「お殿様」のところにも相談に行きます。
いずれもうまく行かず、途方に暮れた「長者様」。
そこで、「いいチエを出した者にはほうびはいくらでもはずむぞ。」
と、自分の手下をあつめて相談を持ちかけたところ…
「おらにゃ、ちょっくらいい考えがありますだが…」
欲深番頭の「十兵衛」がニンマリ目を細めます。
「飯炊き女のおサトだって長者屋敷に住む娘。」
「飯炊き女のおサトを身代わりに立てればいい。」
「化けもんみたいな娘っ子だから、化けもんの嫁っこにゃ似合いなんでさ。」
(なんてヤツだーッ)
「おまえにいい婿が見つかったんじゃ」
しかも娘に持たせるはずだった嫁入り道具も
そっくり「おサト」に持たせてやると言います。
「困ったことがあったら何でも助けてやるわい」
「おサト」は心底喜びます。
満月の晩、嫁入りの行列は天神沼に向かいます。
(ペープサートで表現しています)
不気味な沼の岸辺に到着。
(本物の花嫁行列も現れました)
「おらァ、めりめり働いて、きっと大事にするから、心配しねえでけれ。」
下男たちが恐ろしがって逃げ帰る中、
「おサト」だけが朗らかでした。
思い通りに事が運び、大笑いする「長者様」達。
そして七年後・・・・。
どんがら、めりめり、ずしん
けたたましい響きを立てて、「長者様」の米蔵が破られました。
「ぼうぼうさま」がやって来たのです。
ただし、「ぼうぼうさま」は祟りをするために来たのではなく、
「おサト」との間に生まれた子ども達のために
「長者様」の米をもらいにきたと言うのです。
「困ったことがあったら何でも助けてやる」という
「長者様」の言葉を忘れていなかった「おサト」。
毎年「ぼうぼうさま」は姿を現し
「長者様」の米蔵を空っぽにしてしまいました。
「ぼうぼうさま」は二度と嫁っこを欲しがらなくなり、
村はすっかり平和になりました。
しかし、「長者様」のところはみるみるうちに貧乏になり
「おサト」の子ども達に米の飯を食べさせるために
一日あくせく働くようになったそうな。
次回は「おこんじょうるり」の舞台写真をご紹介します
とんでもなく長文になってしまいました
(くまはち)