大型公共事業の在り方を問い続けている諫早湾の干拓事業、半世紀も前に洪水被害の解消と農地造成のためと工事の目的を決めたものの、工事を着工した頃には時代が移り変わり、米が余り、農地も余り、耕作放棄地が全国的にも問題になってる時代になっていました。
今この事業が裁判で争われ、ギロチンと呼ばれる潮受け堤防水門が及ぼす潮流への影響、誣いては漁獲高にも大きく影響していると主張する漁業者の訴えから福岡高裁の判決は去年の12月20日までにギロチンの開門を命じ、また昨年の秋には開門後に及ぼす干拓農地の塩害を危惧する営農者の訴えから長崎地裁が開門の差し止めの相反する二つの判決になりました。
結局、農水省が裁判の当事者の筈が漁業者と営農者の調整役のような訳の分からないことを言って期限までに開門はできませんでした。
今後、農水省は如何するつもりなのか・・・・・
この際、農水省は事業に対する反省の石碑でも建てて、開門をして干拓地に塩害被害が及ぼす補償金を営農者に払い続けるか、開門をしないのであれば漁業者に補償金を払い続けるかの選択しかないのではとも思えます。
しかし長崎地裁が開門の差し止めを命じた仮処分決定に対し、国は9日に異議申し立てを行いましたので、この先如何なることでしょうか・・・・・
開門派、開門反対派、国の3者による訴訟合戦になってしまうのでしょうか・・・・・
公共事業の問題として私の身近な処にある八ッ場ダムも長い間に亘り見続けてきましたが、国はダム建設の目的を当初は治水、利水といってた筈が数年前に新たに発電、河川流量の維持も加え一度は建設の中止にしたものの再度の続行を決めました。
一度決めたら地域全体の住民が反対しても言葉は悪いが補償金などの飴玉で丸め込んでいき地域で住民が賛成派と反対派に二分してしまい、やがて人々の繋がりがギクシャクしてしまう。
これ等の公共事業で半世紀に亘り翻弄させられた地域の住民達が最大の被害者です。
最近では二百年に一度の大洪水を想定し完成までに四百年かかるといわれ会計検査院の調査で総事業費は最大で六十六兆円にまで膨らむとの新たな試算もあるスーパー堤防事業が民主党政権で一度は息絶えたかに見えましたがゾンビのごとく生き返り江戸川区の江戸川沿いで始まり地元で大問題になっているようです・・・・・
時が流れ社会環境が変化して事業の意義が薄れても事業の目的を変更してまで造ろうとする大型公共事業の裏側に何があるのでしょうか・・・・・
多くの国民はこれ等のことに不信を持っているのではないでしょうか・・・・・
国に一度決めたことを中止にする勇気がないのか疑問でなりません。
古い話で公共事業とは別ですが、明治時代に国(軍)が起こした世界最悪の山岳遭難といわれ208名の隊員中 199名が死亡した八甲田山の雪中行軍遭難事件も国(軍)の命令に中止をしたり、手遅れになる前に引き返す勇気がなかった意味では今も国の体質が重なって見えてしまいます。