橘玲さんの小説って歯に衣着せない物言いで世間で言いにくい不都合な真実を指摘するので、考えさせられて個人的には好きなんですよね。その橘玲さんが結婚と少子化ついて語った記事を見つけたので紹介します。元記事が前編・後編のかなりの長文記事なので、今回は2回に分けてブログ記事をアップします。

 

モテ男とエロ資本あり女しか結婚できない悲劇、橘玲氏「少子化は自由恋愛の帰結、弱者男性と上方婚女性が大量発生」

 

 

>誰も触れたがらないので私が言うしかないのですが、若い男女の恋愛はメディアがつくった「対等な男女が自由に交際して、恋愛関係に発展する」というイメージのような甘いものではありません。「性戦略」とは、もっとシビアなものです。
>ヒト以外の多くの生き物と同じく、ほぼゼロコストで精子をいくらでもつくることができる男と、卵子の数に限りがあり、妊娠すれば出産まで9カ月もかかり、その後も授乳などで大きなコストがかかる女では、性戦略が「非対称」になります。
>後世に残す遺伝子を最大化する最適な性戦略は、男にとっては「妊娠可能な女と片っ端からセックスする」ですが、これでは生まれた子どもが放置され母親は路頭に迷ってしまいますから、女にとっての最適戦略は「できるだけ男を選り好みする」になります。

 

 

この指摘は間違いなく事実で男女で遺伝子を残す戦略は真逆になります。

男性は子供を作るのにあまりリスクはありません。したがって「妊娠可能な女性と片っ端からセックスする」のが最適な戦略になります。一方、女性は出産できる人数に限界がありますし妊娠出産期間も長くリスクが高いです。したがって「できるだけ男をえり好みする」のが最適な戦略になります。男女で最適な性戦略が反対なわけですからどうしても性戦略は一致しませんし、女性側が男性に比べて相手をえり好みする傾向が強くなります。

 

>人類史の大半において、誰とパートナーになるかは家族や地域の共同体が決めてきましたが、近代になってから、とりわけ第2次世界大戦以降はそれが個人の自由意思に変わりました。

>これはもちろんよいことですが、自由な恋愛市場では(第1段階では)選択権をもつ女が圧倒的な強者になり、その壁を突破できない男がどんどん増えていく負の側面があります。


一昔前は政略結婚とか親が決めた相手と結婚するというのが当たり前でしたが、現代は多くの国で自由恋愛で相手を探すのが一般的になっています。自由恋愛は一見するといいことのように見えますが、男性に比べて女性側は相手を選ぼうとする傾向が強いので、自由恋愛になると女性の方が立場的に強くなります。結果として、経済的・社会的な立場の弱い男性、いわゆる弱者男性は結婚して遺伝子を残すことが難しくなります。現代の日本でも弱者男性という言葉がときどき取り上げられていますが、なかなか結婚できない男性が増えているのは女性の結婚相手を選ぼうとする生存戦略によるものといえます。

 

>女性は、新しい彼氏ができる女友だちから必ず、「どういうひと?」と訊かれるそうです。女性の恋愛では選り好みの基準がきわめて重要ですから、自分がなぜその男性を選んだのかを説明しなければならないのでしょう。

>それに対して男友だちの間では、つき合っている相手の学歴やキャリアが興味の対象になることはほとんどありません。「お前の彼女、美人なの?」のひと言で終わってしまいます。あまり指摘されませんが、この大きなギャップも男と女の性戦略の非対称性から生まれるのでしょう。

 

これは男女の選び方の違いをよく表しているエピソードだと思いました。女性は必ず結婚相手の男性がどんな職業でいくらの年収でどういう学歴かを気にします。一方男性の間では結婚相手の女性のキャリアはほとんど話題に上がらず、顔が美人なのかと何歳の相手なのかぐらいしか話題になりません。根本的な性戦略で男女で結婚相手の選び方が違うのでしょう。

 

>女は性愛の第1段階では恋愛強者ですが、第2段階でモテの男に選ばれようとすると、ライバルはたくさんいるわけですから、こんどは恋愛弱者の側になってしまいます。最近、20代の若い男女と話していると、こういう性愛ゲーム(無理ゲー)から距離を置きはじめているように感じることがあります。
>彼ら/彼女たちは高望みせず、「しっかりしていて、そこそこ賢ければいいかな」という基準でパートナーを選び、その選択に満足して堅実な生活を営んでいます。こうしたカップルが共働きで世帯年収1000万円を超えるパワーカップルになり、協力しあいながら子どもを育てているのでしょう。

 

結婚相談所の婚活見ているとよくわかるのですが、女性が結婚相手として希望する男性は婚活男性の上位1~2割の層に集中するそうです。最初の第1段階では女性の方が有利で男性を選ぶ側なのですが、上位1~2割のモテる男性に選ばれようとする第2段階になると、立場が逆転しモテる男性の方が有利で逆に女性を選ぶ立場になります。その結果、婚活界における女性の競争はかなり苛烈で、一部のモテる男性に選ばれるためには婚活女性はかなり激しい競争を勝ち抜く必要があります。そこで勝ち抜けないと、なかなか結婚できずに婚活界で何年も婚活して年齢だけ重ねて、どんどん婚活が不利になるという結果になるわけです。

 

橘玲さんもいっていますが、頭のいい女性は「そこそこ真面目に働いて稼いでいて、そこそこ賢くて、そこそこ許容範囲内のルックス」なら結婚してもいいやという形で早々に結婚相手を決めていきます。そして共働きで堅実な生活を営み、子供を育てることを選択していきます。苛烈な婚活競争を勝ち抜いたからといって必ずしも幸せな結婚生活が営めるとは限らないですし、女性の最適な性戦略に従って少しでもいい男性と結婚しようとするのが正解とは限りません。賢い男女ほどそのことに気づいて、早々に相手を決め婚活市場を卒業していく気がしています。