社会派炎上ブロガーとしてはノーベル経済学賞の話題をスルーするわけにはいくまい。
ということで今回はまじめに今年のノーベル経済学賞教授の論文テーマである男女の賃金格差分析を取り上げます。
日本と韓国についての記事を見つけましたので、この二つの記事をもとに考えてみます。
「日本は女性を働かせるだけではだめ」 ノーベル賞・ゴールディン氏
>2023年のノーベル経済学賞の受賞が決まった米ハーバード大学教授のクラウディア・ゴールディン氏が9日、米東部マサチューセッツ州の同大で記者会見を開いた。男女の賃金格差の分析をしてきたゴールディン氏は会見で、日本の労働市場にも言及。日本では、男性に比べ女性はパートなど短時間労働が多いとし、「女性を労働力として働かせるだけでは解決にならない」と指摘した。
>ゴールディン氏は、日本では10~15年前に比べ働く女性が著しく増えているものの、フルタイムで昇進機会もある正社員ではなくパートなどの短時間労働が多いと指摘。「働く女性が増えるのは良いことだと思う。だが、彼女たちは本当はどこにも進んでいないと言える」と述べ、真の意味での女性の社会参画は進んでいないとの見方を示した。
はてなもこの指摘はその通りだと思いました。日本では確実に働く女性は増えていますし、共働きも一般的になりました。しかしながらまだまだパートなどの短時間労働が多いのは間違いない事実です。女性のパート労働が多いのがそのまま男女の賃金格差につながっています。なぜ正社員ではなくパートアルバイトなど短時間労働で働く女性が多いのかというと、日本の正社員はあまりに労働時間が長すぎるからでしょう。特に子育て期間はどうしてもフルタイムで働くのはどうしても難しい。短時間勤務やテレワークも最近は整備されてきてはいますが、それでもすべての人が短時間勤務のまま正社員を続けられるわけではありません。それで結果として正社員を辞めてパートアルバイト勤務になったり、専業主婦になる女性が多くなります。
>日本には手厚い育児休暇制度があるにもかかわらず「職場に影響を与える可能性がある」との理由で取得しない人が多いと指摘。日本人女性が産む子どもの数が少ない理由について「家庭だけの問題ではない。職場が急速な社会の変化に追いつけていない」と述べた。 日本の低い出生率の改善策について、ゴールディン氏は「短期的にはとても難しいと思う」と明言した。
>「(現役世代である)息子の考え方を支配している年配の人を教育する必要があるためだ」と説明した。「米国は長い時間をかけ変化を体験し、各世代が新しい世代のもたらしたものに慣れた。だが、日本はあまり適応できていない」と述べ、日本社会が女性の働き方の変化に追いついていないとの見方を示した。
さすがノーベル経済学賞学者で鋭い指摘ですね。日本の場合育児休暇制度はかなり手厚いのですが、制度作っても魂いれずとのことで育児休暇制度があっても実際には使いにくいことが多いです。なぜなら年配の年寄りが反対したり嫌がらせしたりがあるからです。男女問わず育休を取られるのは組織にとってはマイナスなので、復帰後に無理やり遠隔地に転勤させたり、昇進遅らせるなんて言うのはまだまだ普通にあります。そういう状況では育児休暇とか短時間勤務が取りにくいのは当然です。
>ゴールディン教授は「20世紀後半、韓国ほど急速な経済変化を経た国も珍しく、一つの都市に集中した国に変貌した国も珍しい」とし、韓国の急速な経済成長に注目した。彼女は「米国ははるかに長い時間をかけてこのような変化を経て、以前の世代が新しい世代のもたらした変化に適応できた」として「韓国や日本の場合、このように適応できる余力が少なかった」と述べた。急速な経済成長で女性の教育水準が高まり、社会進出が増加したが、社会制度や文化が追いつけずに少子化問題が深刻化したということだ。 ゴールディン教授は、韓国の企業文化を挙げた。教授は「(少子化問題は)単純に家族と家庭の問題ではない」とし「これは職場の問題であり、職場は社会の変化に追いつけずにいる」と述べた。
ちなみに韓国の場合、日本よりもっと少子化の状況がひどいようです。変化に対応できないと日本も韓国のようにさらに出生率が下がることになるでしょう。
日本と韓国の事例を取りあげましたが、共通しているのは急に今いる人の考え方や制度、文化が変わることはないでしょう。というのは人間の考え方はそんな簡単に変えられるものではなく、変化には時間がかかるからです。ただ20年とか30年のスパンで見れば古い考えの人は現役を引退していきますから、徐々にではありますが女性がフルタイムで仕事を続けられる環境が整備されていくとみています。ちょうど今はその過渡期だというのを多くの男性は理解しているので、婚活でも専業主婦希望の女性やパートアルバイトの女性は避けられることが増えたのだと思います。


