長時間労働が男性が育児に参加する時間が短い原因になっているという記事を紹介します。前から何度か記載してますが、この国はあまりにも労働時間が長すぎます。
>岸田政権は今月末に少子化対策のたたき台をまとめるのに先立ち、産後の一定期間に男女が育児休業を取得した場合の給付率を「手取り10割」に引き上げる方針を打ち出した。男性の育休取得を促し、家事・育児の女性への偏りを是正したい考えだ。ただ、子育てにかかわる負担を巡る男女間の不均衡を抜本的に解消する効果は望めない。識者は「男性の長時間労働を改めなければ出生率は上がらない」と指摘する。
育休中の手取り10割自体はいいことだと思うんですが、これだけでは全く少子化対策の解決にならないと思うんですよ。というのは手取り10割をもらえる産後の一定期間というのは一か月程度だとみられていて、男性が手取り10割で育休取れるのも一か月程度にすぎないからです。そして1カ月の育休期間が終われば、間違いなくもとの残業の多い勤務形態に戻るので、男性は育児に参加するのは難しくなります。つまり短期間しか効果がなく、長期的には意味がない政策であり、長期的に男性の労働時間減らす努力が必要でしょう。
>「家事・育児が嫌だったのではなく、会社に拘束されるストレスで余裕がなかったんだな」 神奈川県鎌倉市で7歳と5歳の子を育てる吉田和子さん(43)は、夫の変化を見てそう感じた。
3年前に夫婦とも勤めていた会社を辞め、東京都内から一家で引っ越した。同時に自営業を始め、柔軟な働き方になった夫は、家事も育児も率先してこなすようになった。今では一緒に働く吉田さんが多忙な時、朝の子どもの準備を引き受ける。
会社勤めに比べて経済的な不安はあると、吉田さんは話す。それでも、夫婦で育児に関われる環境に満足しているという。
今は若い男性ほど家事・育児に積極的にかかわるようになっています。ただ実際に男性の育児への参加時間が少ない理由はなぜかというと、労働時間が長すぎて家事育児をやる余裕がない。結構こういう男性多いと思うんですよ。もちろん労働時間にかかわらず家事育児全くやる気ない男性もいますが、そういう男性は明らかに減ってきています。むしろ仕事に時間とエネルギーを使いすぎて家事育児やるとか時間的に無理という男性が多いです。
>2021年度の育休取得率は女性が85.1%、男性が13.97%(厚生労働省調べ)と大きな差がある。2000以上の企業や省庁などの働き方改革を支援してきたコンサルタント会社「ワーク・ライフバランス」社長の小室淑恵さんは「少子化対策で大事なのは男性の働き方を変え、家庭での育児の手を2本にすること」と説く。
>経済協力開発機構(OECD)の調査によると、他の先進国は女性の就業率が上がるほど出生率も上がっている。一方、日本は女性の就業率が上がったのに出生率は低迷。小室さんはその原因を、男性の働き方改革に手を付けなかったことで、仕事と家事・育児の二重の負担が女性にのしかかったからだと分析する。
これは全く同感なんですよね。日本は女性の就業率が上がるほど逆にどんどん子供の数は減っています。理由はおそらく女性の負担が大きすぎたからでしょう。婚活だと高年収男性が人気ですが、年収1000万以上稼いでいる男性が労働時間が少ないとかあり得ないんですよ。経営者とかならまた話は別でしょうが、特に雇われて働いている場合、基本的にこの国は労働時間と収入が正比例します。そこを理解してない女性はかなり多い気がするんですよね。男性は仕事が忙しすぎると、家事育児まで手が回らないことが多くなります。
>男性の家事・育児時間と子どもの数は相関関係がみられる。15年の厚労省調査では、子どもがいる夫婦のうち、休日の夫の家事・育児時間が「なし」で2人目以降が生まれたのは10%。時間が多いほど2人目以降がいる割合は増え、「6時間以上」では90%近くに上った。
確かに男性の家事・育児時間と子供の数は相関関係があるのでしょう。アメブロ見ていても夫が家事育児をやってくれないという旦那への恨みつらみが書いてある記事をよく見ます。ただ、男性側の言い分もわかっていて、仕事忙しすぎて家事育児どころじゃないというのが本音でしょう。
>岸田文雄首相が17日の記者会見で表明した育児休業給付の拡充は少子化対策の3本柱の1つである「働き方改革」の具体策だが、女性の負担軽減につながるのは、男性が取得した期間中に限られる。男性の家事・育児参加を一層進めるための制度改革として、小室さんが提唱するのが、終業と始業の間に一定の時間を設ける「勤務間インターバル」の義務化や、時間外賃金の割増率引き上げだ。 勤務間インターバルは、欧州連合(EU)が加盟国企業に11時間の確保を義務づけている。日本では18年成立の働き方改革関連法に盛り込まれたが、経団連が義務化に反対したこともあり、強制力のない努力義務になった。22年時点の導入企業はわずか5.8%にとどまる。
時間外割増率もノルウェーの40%に対し、日本は25%と低水準だ。企業の負担増に直結するため、引き上げを目指せば経済界の反発も予想されるが、小室さんは「働き方改革がなければ、育休制度を充実させても、本質である家事・育児分担(の見直し)や出生率向上につながらない」と強調する。
私も勤務間インターバルと時間外賃金の割増率の引き上げは賛成です。どちらも働いている人の労働時間を減らさせる政策でかなり有効だと思います。なぜか少子化対策というと金をばら撒くばかりが話題になりますが、残念ながら金をばら撒くだけじゃ子供の数は増えません。男性の労働時間を減らす政策をとると今より子供の数は増えるでしょう。