チャオ!みなさん、こんにちは!!

ディズニー情報局のラピです!


さて、あなたは東京ディズニーシーにある大人気アトラクションと言えば何を思い浮かべますか?



もちろん

「タワー・オブ・テラー」

ですよね!(圧)



私は、シーの中でも特にあのアトラクションが大好きなのですが、みなさんはタワテラがなぜアメリカンウォーターフロントにあるのか考えたことはありますか?


サムネイル

なんとなくじゃないの???


なんて思うかもしれませんが、私はとある''重要な意味''があって、あの場所に建てられたのではないかと推測しています。


そこで、今回はタワー・オブ・テラーがアメリカンウォーターフロントにある理由を歴史という視点から解説していきたいと思います!


\Today's/

タワテラアメフロにある意義


    

今回のトピック

1.用語解説
  - タワーオブテラーとは
  - アメリカンウォーターフロントとは
2.タワテラがアメフロにある意義
  - エレベーターの歴史
  - なぜエレベーターが重要なのか
3.参考文献


 さて、まずはディズニー初心者の方にも理解しやすいように、「タワー・オブ・テラー」と「アメリカンウォーターフロント」とは何か簡単に確認しておきたいと思います。



 用語解説

 タワーオブテラーとは



 冒頭にも述べたように、東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロント内にあるフリーフォール型のアトラクションです。

 写真の建物は、元々「ホテルハイタワー」と呼ばれるホテルでした。しかし、1899年12月31日にオーナーのハイタワー3世が従業員用のエレベーター乗車中に偶像と共に謎の失踪を遂げたことから一時閉鎖されてしまいました。それから時が経ち、1900年代に私たちはその失踪の謎を紐解くツアーに参加し、エレベーターに乗り込みます。


 アメリカンウォーターフロントとは

20世紀初頭のアメリカ、ニューヨークがモデルのテーマポートです。エリア内には、ホテルハイタワーをはじめ、豪華客船S.S.コロンビア号やブロードウェイシアターなどきらびやかな古き良きアメリカの雰囲気が漂っています。また、蒸気から石油や電気への移行など時代の転換点であり、世界経済の中心地でもあるニューヨークの特徴を随所に見ることができます。

(今回ケープコッドは関係ないので説明省略)



 タワテラがアメフロにある意義

それでは、いよいよ本題に入っていきたいと思います。なぜ、タワーオブテラーはアメリカンウォーターフロントにあるのでしょうか。


その最大のポイントは・・・

みなさんが乗車するエレベーターにあります!


まずは、20世紀頃のエレベーターの歴史について見ていきたいと思います。


 エレベーターの歴史

■古代ギリシャにおけるEV

↑アルキメデス

ドメニコ・フェッティ 1920年画『Archimedes Thoughtful』(画像参照:Wikipedia)


エレベーターの起源は、ギリシャのアルキメデスが考案した滑車付荷揚げ装置だと言われています〈1〉。それ以降は約2000年以上もの長きにわたり、人力によるエレベーターが主流となっていました。古代ギリシアの時点でエレベーターの原点となるものが発明されていたのは驚きですよね。


■蒸気EVの登場

↑ジェームズ・ワット

カール・フレデリク・フォン・ブレダ画(画像参照:Wikipedia)


ところが、19世紀に入るとジェームズ・ワットが蒸気機関を発明したことで、産業革命が起こります。この蒸気機関は、船舶や鉄道、自動車など様々な機械の動力として使われるようになり、エレベーターもその例外ではありませんでした。1835年、蒸気機関を動力とする世界初のエレベーターが登場しました〈2〉。


しかし、当時の蒸気エレベーターは速度が遅く実用的ではなかったため、乗ること自体を楽しむ目的で使われていたようです。

ある意味、タワテラみたいですね笑


■安全性の向上


↑E・Gオーチス 画像参照:Wikipedia


また、この頃のエレベーターにはもう1つ大きな問題がありました。それは安全性の問題です。

ワイヤーが切れたり外れたりして、事故に繋がるといった安全上の問題がありました。


その後の技術開発の末、1852年にはこの安全性の問題を解決する方法が現れます。E・Gオーチスによる「非常止め装置」の発明です。ニューヨークで行われた博覧会では、実際にオノでワイヤーを切って安全性を示すパフォーマンスも行われました〈3〉。これを機に、人を乗せる手段としての運用が徐々に一般化していきました。


↑ニューヨーク市のクリスタル・パレス博覧会でのオーチスによる公演実験の様子。(1854年)

出典:エレベーター・エスカレーター入門 竹内昭男 著

   (京都エレベータ掲載の写真より引用)


■電気式EVの登場

さらに、1880年にはエレベーターはさらに発展を遂げます。ドイツの博覧会で電気で駆動するエレベーターが出品されます。当時は電気よりも水力によるものの方が速度が早く主流となっていました。しかし、1890年代に入ると電気エレベーターの速度問題も大きく改善され、電気で駆動するエレベーターが主流となっていきました〈3〉。


そして、これら一連のエレベーター技術向上に大きな影響を受けたのが、アメリカのニューヨークです。ニューヨークではエレベーターの安全性が担保されたことで高層化が進んでいきました

現在、皆さんが想像する超高層ビル群、いわゆる「摩天楼」の街並みは1930年代までの間に急速に形成されていきました。

↑ロックフェラーセンターから見たミッドタウン(1932年) 画像参照:Wikipedia


ちなみに、「摩天楼」を意味する英単語「skyscraper」は、直訳すると''空を削るもの''になります。とてもシャレた表現ですよね︎^ ^



 なぜエレベーターが重要なのか

ここまで見てきたように、アメリカンウォーターフロントの舞台となる20世紀初頭というのは、エレベーターの技術が急速に改善し、近代エレベーターの基盤が完成した頃に当たります。


ここに、タワーオブテラーがアメリカンウォーターフロントにできた意義があります。アメリカンウォーターフロントは20世紀初頭のニューヨーク。そうです、タワーオブテラーはエレベーターが発展したニューヨークを映し出すとともに、この時代を象徴するアトラクションと言えるのです。


そのような時代にホテルハイタワーで起きたエレベーターの落下事故は、ニューヨークにおいて大きな衝撃を与えたことは間違いないでしょう。


この事故の発生を期に、ニューヨークの人々の間ではホテルハイタワーの''呪い''を信じ、取り潰そうとする動きが高まります。


もちろん、ハイタワー3世が行方不明になったことがシリキ・ウトゥンドゥの呪いという不確かな事実と結びついたためだと考えられます。しかし、私はその裏に人間の科学に対する絶対的な信頼もあるのではないかと思っています。


みなさんは、ハイタワー3世の失踪は単なるエレベーターの落下事故だと考えますか?それとも…


↑ハイタワー3世失踪の事件現場であるエレベーターに残された偶像とハイタワー3世の帽子。



 参考文献

〈1〉山根俊介,超高層ビルのエレベータ,https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmemag/103/985/103_KJ00001459905/_pdf(2023/12/25アクセス)


〈2〉一般社団法人日本エレベーター協会「昇降機百科」,エレベーターの歴史・変遷,https://www.n-elekyo.or.jp/encyclopedia/history/elevator.html(2023/12/25アクセス)


〈3〉京都エレベータ,【7分で解説】エレベータの歴史,https://www.kyoto-elevator.com/blog/2021/05/28/elevator-history-commentary/(2023/12/25アクセス)