年金保険料の滞納を巡り、厚生労働省と財務省は、国税庁が行う初の強制徴収手続きの概要を決めた日本年金機構が該当者を絞り込んでおり、今秋にも実施の見通し。事業所が従業員と折半して納める厚生年金では滞納2年分以上で滞納額1億円以上、個人が納める国民年金も滞納2年分以上、本人か連帯納付義務者の直近の年間所得1000万円以上で、ともに財産を隠匿するなど悪質なケースが対象。国税庁が差し押さえや公売を行う。 厚労省などによると、「悪質性」を判断する要件は▽財産の名義を書き換えたり、事業所や取引先を調べても収入が使途不明など、財産隠匿の恐れがある▽督促状を送付するなど滞納処分に入っても納付計画を示さず、「誠実な意思」が認められない--など。

 国税庁への委任は1月、年金機構発足と共に改正国民年金法や改正厚生年金保険法が施行されたのに基づく措置。民主党は税と保険料を一体で徴収する「歳入庁」構想を掲げているが、年金の強制徴収は「国税庁の事務負担が過大になる」など慎重論もあった。同省は要件の整備で、該当者は数百~数千の個人・事業所に絞られ、対応は可能とみている。

 強制徴収に関し、国税の滞納について猶予中や執行停止中▽破産申し立て中や会社更生法の申請中--のケースなどは除く。具体的には、各地の年金事務所が督促した滞納者のうち悪質な要件該当者について、同省が国税庁に権限を委任する。

 保険料の納付率は、国民年金は09年度、過去最低の60%にとどまり、厚生年金の納付率も07年度の98.7%から、08年度98.4%、09年度98.0%と微減傾向が続く。

 一方、財産差し押さえは国民年金が07年度の1万1387件から09年度は3092件、厚生年金も同1万2879事業所から8250事業所と大きく減った。同省は「経費節減のため電話督促が主になったり、消えた年金などの対応に追われたのが背景」と分析する。

(8月24日 毎日新聞)


やはり、はじまるようである。元はと言えば。事業所がいんちきをやったとかいろいろあるが、因果応報、つけはかならず回ってくる。差し押さえをしてまで、年金保険料を徴収する裏側を探っていきたい。この時期に始まるのは、何かの指令が出ているからに違いない。