COVID-19 mRNAワクチンを静脈内注射すると、マウスモデルで急性心筋炎が誘発される
Can Li et al. Clin Infect Dis. 2021.
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概要

背景 COVID-19 mRNA-ワクチンを接種した後の心筋炎が報告されている。このワクチンを誤って静脈内に注射した場合の心臓への影響は不明である。
(ブログ主 この誤って静脈にコロナワクチンを打つとどうなるかってことなんですけど、心臓にダイレクトに影響が出てしまうのは、誰でも予測がつきますよね。)

方法は以下の通り。Balb/cマウスにワクチンを静脈内(IV)または筋肉内(IM)に注射した後、異なる時点での臨床症状、病理組織学的変化、組織のmRNA発現およびサイトカイン/ケモカインの血清レベルを通常の生理食塩水(NS)対照と比較した。

結果。投与後1~2日目にIM群で有意な体重減少と血清サイトカイン/ケモカイン濃度の上昇が認められたが、IV群では心筋細胞の変性、アポトーシス、壊死とそれに伴う炎症細胞の浸潤、内臓心膜への石灰沈着などの心筋炎の病理組織学的変化が認められたが、冠動脈やその他の心疾患の証拠は認められなかった。免疫染色によるSARS-CoV-2スパイク抗原の発現は、心臓や注射部位に浸潤した免疫細胞、心筋細胞や心筋内血管内皮細胞に時折認められたが、骨格筋細胞には認められなかった。初回のIVプライミング投与後の心筋炎の組織学的変化は2週間持続し、2回目のIMまたはIVブースト投与により顕著に悪化した。IL-1β,IFN-β,IL-6,TNF-αの心筋組織mRNAの発現は,IM群ではなくIV群で1dpiから2dpiにかけて有意に増加し,IV群での心筋炎の存在と一致した。肝細胞のバルーン変性はIV群で一貫して見られた。その他の臓器は正常であった。

結論としては 本研究は、COVID-19 mRNAワクチンの不注意な静脈内注射が心筋炎を誘発する可能性をin-vivoで証明した。このようなリスクを軽減するためには、血液の吸引を避けるためにシリンジのプランジャーを短時間で引き抜くことが一つの方法であると考えられる。

キーワード COVID-19, SARS-CoV-2, 筋肉内投与, 静脈内投与, mRNAワクチン, マウスモデル.

© The Author(s) 2021. Infectious Diseases Society of AmericaのためにOxford University Pressが発行。