〇あらすじ

パルムドールを受賞した「ロゼッタ」「ある子供」など、カンヌ国際映画祭の常連として知られるベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が、オスカー女優のマリオン・コティヤールを主演に迎えた一作。

体調不良で休職していたサンドラは、ようやく復職の目途が立つ。そんな矢先のある金曜日、会社が職員へのボーナス支給のために1人解雇しなくてはならず、サンドラを解雇すると通告してくる。同僚のとりなしで、週明けの月曜日に職員たちによる投票を行い、ボーナスをあきらめてサンドラを再び迎えることに賛成する者が多ければ、そのまま復職できることになる。それを知ったサンドラは週末、同僚たちを説得してまわるが……。
2014年製作/95分/G/ベルギー・フランス・イタリア合作

※映画.comから抜粋

 

〇感想

ある太陽光パネルを製造している会社で、精神を病んでる従業員サンドラを復職させるか、それとも従業員へのボーナス支給か(1,000ユーロ/約17万4,000円)、の投票が行われた。投票者は現場の16名の従業員で行われ、結果は16名中、14名がボーナス支給を選択した。しかしこの投票は、現場主任の横やりが入り不当な投票扱いとなった。そのためサンドラの友人が社長へ直訴し、週明けの月曜日の就業前に再投票となった。

サンドラとその夫は週末に、16名の同僚を一人、一人回ってサンドラが復職できるように賛同を求めていく話です。

社長の言い分は、アジア勢と太陽光パネルの市場で闘うには、サンドラの復職とボーナス支給の両方は出来ないとハッキリ言います。経営者として当たり前の考えだと思う。

 

この映画を観てサンドラに賛同する人、しない人、また各々の意見、理由は違うと思います。映画でも、ほとんどの従業員は、生活に余裕はなくボーナスが欲しいのが本音です。ある家族は、サンドラが家に来て復職に賛同して欲しいというと、依頼された家族が揉めだして離婚に発展したり、親子喧嘩も始まる始末です。

サンドラは賛同してくれると陽気に前向きに「次も行くぞっ!」となりますが、賛同の回答が得られなくなると大量に精神安定剤を飲む始末・・・。まだ復職のタイミングが早いんちゃうん?と映画を観てて思います。この映画はそれの繰り返しで観ていて飽きませんが、こちらの方が憂鬱な気分になります。

で、腹立つのがサンドラの旦那で、一度も「俺が何とかするから、他の家庭に迷惑を掛けるのは止めよう」と言いません。頑張れ、頑張れって言うだけです。(劇中のセリフで「俺の給料では家賃も出ない」というのがあります)サンドラの病の原因は旦那にあるんちゃうか?って思い、離婚が一番の特効薬だと感じました。

サンドラはいつも憂鬱だ。

 

土曜日、日曜日に同僚の家をクルクル回って、月曜日となり、いよいよ投票です。16名の過半数を得るとサンドラは復職できます。過半数を得られない場合はサンドラはクビになり、従業員へボーナスが支給されます。投票結果は、半数と過半数とでは違うので8対8はサンドラの負けです。サンドラへの賛同票は9名分が必要となります。さて、結果は・・・映画で確認してください。(U-NEXTで鑑賞可)

いよいよ投票日。

 

サンドラを演じている女優さんが終始、痩せた体にタンクトップを着て、虚ろな感じでウロウロしているのが妙に印象に残りました。ちなみにこの女優さんはマリオン・コティヤールで、リアルコロナ感染を予見していたと、後に話題になった映画「コンテイジョン」のWHOの女医役もしていました。どちらかと言うと不幸顔なタイプやね。日本でこの人の役は真木よう子さんが似合うかも?

監督のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟は、映画「ロゼッタ」ではワッフル職人、「息子のまなざし」では大工の職業訓練所、「サンドラの週末」では太陽光パネルの製造所など製造現場を舞台に映画を撮影しています。物の品質=人の質になり、登場人物(現場)が触れた製品をエンドユーザーが触れる事になります。その為、人物を表現する上で過剰に、現場の作業風景を映画に取り入れています。

 

※追記

俺ならボーナスを選ぶな!ww