名画座のようにB級から名作まで、複数の映画を紹介する「サイサイ3番館」

本日は、ジョン・カーペンター監督の初期作品「要塞警察」と、ベトナム帰りの帰還兵が必殺仕置き人として活躍するアクション映画二本立てです。では、どうぞ!(秘蔵DVDで鑑賞)

 

「要塞警察」

〇あらすじ

ストリートギャングに命を狙われている男が引越し作業中の警察署に逃げ込んできた。武装した追っ手はあっという間に建物を包囲。人員や武器弾薬もわずかな警察署は外部との通信手段も遮断され、孤立無援状態に。警部補のイーサンは獄中の犯罪者ナポレオンと組み、署内に立てこもって敵と戦うが……。ジョン・カーペンター監督が敬愛するハワード・ホークスの「リオ・ブラボー」をもとに作り上げたアクション・スリラー。05年にはリメイク作「アサルト13/要塞警察」も製作された。
1976年製作/91分/アメリカ

※映画.comから抜粋

 

〇感想

この映画は仲間を殺されたギャング集団、引っ越しを終えようとする警察署、凶悪犯人を護送している警察が三つ巴で戦うアクション映画でメチャ面白い。設定は西部劇でよくあるパターンやけど、それをカーペンター監督が現代風(今となれば古いけど)にアレンジして見せています。

 

引っ越しをほぼ終えた警察署内(電話回線を切るのみ)には人も物(武器類)も無い、殺伐とした風景が観る者を不安に追い込みます。映画製作側は出演者、小道具・大道具のコスト削減になるんやろうけど、、、。そのように孤立した警察署にワラワラと侵入しようとするギャング集団は、もはやゾンビに見えてしまう。ww

 

で、当時ショッキング且つ、問題になった〝アイス少女射殺シーン〟はDVD特典のインタビューでカーペンター監督自身が言ってるんやけど、このシーンに対してアメリカ映画協会からクレームが付いて「例のシーンをカットしろ!」と監督に言ってきたらしい。監督は映画会社に相談したら映画会社は「協会に見せる時には例のシーンはカットして、後で繋ぎ合わせて公開しろ」という判断をし映画を公開したらしい。その時に監督もインタビュアー、会場も大笑いしていました。ええ時代やね。ww

※アイス少女射殺シーンは、ある親子がお婆さんの家へ行く途中で道に迷い、ギャング集団が居る町に来てしまいます。その時に少女が自車から、アイスクリームを販売している車に行きます。(父は公衆電話で道を確認している)そして「バニラツイスト」を注文しますが、自車に戻る途中で「普通のバニラ」だと気が付き、再度アイスクリーム屋の車に戻ります。そこで少女はトラブルに巻き込まれ射殺されます。結果、父親が復讐のためにギャングの一人を射殺し、引っ越し途中の警察署に逃げ込みます。ギャングがそれを追いかけて、警察に対して父親の引き渡しを要望しますが、警察がそれを断る事からギャングと警察署との攻防に発展するという重要なシーンです。少女は普通のソフトクリームを食べていればという悔やむシーンです。(もしくは一口くらい食べてから・・・)

 

 

 

 

「エクスタミネーター」

〇あらすじ

ニューヨークを舞台に、ベトナム戦争帰りの若者が、生命の恩人である親友を街のチンピラに襲われた後、復讐の鬼と化し、街のダニどもを抹殺していくというアクション映画。

出演はロバート・ギンティ、他
1980年製作/アメリカ

※映画.comから抜粋

 

〇感想

これは簡単に言ってしまうと「必殺、ベトナム帰還兵、悪党を成敗する!」メチャ分かりやすい映画で、それは日本の時代劇のようなストーリーです。当時はけっこうショッキングな内容と思ってたけど、今みるとチープさが哀愁を感じます。

この映画のポイントは、悪いヤツを残虐な方法で次々とテンポ良く処刑するシーンで、火あぶりの刑、ネズミの刑、ミンチの刑、など色々やってくれます。特に映画冒頭のベトナムのシーンで、主人公の仲間がべトコンに〝首チョンパ〟される処刑シーンがあるんやけど、あえてスローモーションで見せるなんてのは自信満々な特殊撮影をしてるなぁ~って思い、気になってクレジットを確認すると、何とあのスタン・ウィンストン!ええ?驚愕の事実!これも撮影してたんや~、、、。

※スタン・ウィンストンは、特殊メイク、SFXアーティスト、アニマトロニクスが得意なおっちゃん。作品は「遊星からの物体X」、「ターミネーター シリーズ」、「スペースインベーダー」 、「エイリアン2」 、「プレデター」 、「ジュラシック・パーク」 などなど挙げるとキリがない。

 

また、野郎の好奇心をくすぐる〝水銀入りダムダム弾製造工程〟のシーンだ!その自家製ダムダム弾をこれまたダーティーハリーよろしくの〝44マグナム〟で悪いヤツの股間めがけてぶっ放す!(これなら大きな象もイチコロだぜ🎵)

普通の銃弾をハンド・クランプで固定し、弾頭を慎重にドリルで穴を開けて、その穴に水銀を落として、最後に弾頭の開いた穴をはんだこてで埋め、バリをやすりで丁寧に除去する。一つ一つ銃弾を丹精込めて製造するシーンは食い入るように見てしまう。

※ダムダム弾は、普通のフルメタルジャケット弾とは違い、銃弾の頭部に鉛の露出部をつくった被甲弾で,人体に命中すると鉛がつぶれて傷口が大きくなります。銃弾は人体を貫通せず体内に留まり,傷口が大きいく鉛中毒で傷が治りにくいです。(今回は水銀入りなので致命的)

 

「エクスタミネーター」のYouTube動画解説はここ

 

※追記

今回は野郎が、ついつい癖になってしまうアクション映画をチョイスしてみました。仕事に疲れて帰宅し、ぼぉーーーっと観ていても、それなりに楽しめる映画でした。

 

映画をサクッと解説する「サクッとシネマ」はここ