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〇あらすじ

M・ナイト・シャマラン製作のもと、娘のイシャナ・ナイト・シャマランが長編監督デビューを果たしたホラー映画。

28歳の孤独なアーティストのミナは、鳥籠に入った鳥を指定の場所へ届けに行く途中で、地図にない不気味な森に迷い込む。スマホやラジオが突然壊れ、車も動かなくなったため助けを求めようと車外に出るが、乗ってきた車が消えてしまう。森の中にこつ然と現れたガラス張りの部屋に避難したミナは、そこにいた60代のマデリンと20代のシアラ、19歳のダニエルと出会う。彼らは毎晩訪れる“何か”に監視されているという。そして彼らには、「監視者に背を向けてはいけない」「決してドアを開けてはいけない」「常に光の中にいろ」という、破ると殺されてしまう3つのルールが課せられていた。
2024年製作/102分/G/アメリカ
※映画.comから抜粋

 

〇感想

映画「ザ・ウォッチャーズ」は、ナイト・シャラマン一族の作品で、親父のナイト・シャラマン監督の教育が良かったのか、娘イシャナへの伝統芸の継承は完了したと言える作品であった。

 

ナイト・シャラマン監督は映画「シックスセンス」以来、あの大オチを期待されてしまう監督であるが、個人的には「アンブレイカブル」、「サイン」の方が好きで何度もリピートしてしまう。

「シックスセンス」は一度観て、答え合わせの二回目の鑑賞で十分な作品といえる。

ナイト・シャラマン監督作品は、独自な台詞の言い回し(無駄とも思える会話劇)、あたかも昔からあるような異様な世界観、個性的な登場人物がナイト・シャラマン監督の世界観を作り上げている。

映画「ザ・ウォッチャーズ」はそういう世界観を父ナイト・シャラマンから娘へ、シャラマン一族の呪術のような匠の技を継承したと言え、そういう観点では十分に楽しめた。

 

ネタバレ無しで「ザ・ウォッチャーズ」を説明すると、映画は大昔からアイルランドの森深くに住む〝彼ら〟が人間を監視し、人間の全てを奪い去るという内容である。〝彼ら〟のフォルムは「サイン」のエイリアンを少し大きくしたような形態で、〝彼ら〟の初登場シーンは陰影を巧みに使いこなし異様さを倍増させている。ただし映画の中で〝3つのルール〟が出てくるが、ルールの定義が曖昧過ぎて、ルール自体が映画に必要なのか疑問点が残った。(日本人はルールに厳しい)

 

鑑賞前はアイルランドの森で話が完結するのかと思いきや、その後も色々と舞台を変化させ、ストーリー展開が早く、中だるみなく最後までスクリーンに引き付けられた。

この映画は〝ストーリー展開〟こそが重要なポイントであり、シャラマン一族の真価を発揮した作品だと言える。

 

今後も娘のイシャナ・ナイト・シャマラン監督に期待しつつ、親父のナイト・シャラマンの次回作、連続殺人鬼をコンサート会場に誘き寄せて捕えようとする「トラップ(原題)」にも期待したい。

 

※追記

映画館で鑑賞し、そこそこ楽しめましたが、音に拘っていそうな映画だったと思う。(森の中の細かい部分の表現)その為、自宅でヘッドホンを着用し、サブスクで鑑賞する楽しみ方もあると思う。

〝監視〟というキーワードなら社会派監督オリバー・ストーンの映画「スノーデン」の方が怖い!