秘蔵DVDにて再鑑賞

ショートYouTube動画の解説はここ

 

〇あらすじ

旧ソ連ウクライナ地方の自然を舞台に神学生が魔女に出会ったためにたどる数奇な運命を描く。

中世ロシア、古都キエフのブラッキー修道院の庭に神学生たちの荘重な讃美歌が流れる。まもなく、クリスマス休暇がはじまろうとしている。帰省中の神学生ホマーが魔女によって村娘を死に至らせてしまう運命に翻弄される物語。ホマーは娘のために三日間祈りを捧げることになるが、夜になると不可思議な現象が立て続けに起こり、彼の命を脅かす。魔女の呪いが満ちる教会で、骸骨や異様な眼光を放つ異形の怪人、怪物たちが集う宴が繰り広げられる。旧ソ連の独自な美的感覚と恐怖の演出、演技が印象的な作品です。

1967年製作/78分/ソ連

 

〇感想

この映画との出会いは奇怪である。ハッキリと覚えていないが、約20年前以上だと思う。(もっと前かもしれない)

ある夜、テレビを付けながら寝てしまった。ふっと目を覚ました時に、テレビ画面に何か異様なモノが映っていた。それは様々な魑魅魍魎が男を襲うシーンで、訳も分からず暫く見ていた。見てはいけない物を見てしまった怖さを覚えつつ再び寝落ちしてしまった。

 

次の朝、頭の片隅に「昨夜のあれは何やったんやろう?」と思いつつも日々の忙しさに、その事もいつか忘れてしまった。

その後、10数年経過し、ある切っ掛けで思い出す事があった。漫画家の水木しげる先生の短編集の中に「異形なるもの」という話があり、それをたまたま読んで思い出した。「異形なるもの」は、この映画の内容を日本の僧侶に置き換えた話で、過去の記憶が直ぐに結びついた。

昔はインターネットが無い時代であったが、その頃はパソコンもあり調べた結果、旧ソ連の怪奇映画「ヴィイ」である事が分かった。日本の題名は、おどろおどろしい「妖婆死棺の呪い」である。

直ぐにAmazonでDVDを購入し〝秘蔵DVDコレクション〟の一つとなった。

こんなんが夜中に目が覚めて、テレビに流れてたらトラウマ必至!

 

前置きが長ったが、この映画の魅力は、異様な魑魅魍魎、妖怪が出てくるので非常に楽しめる。その造形も1960年代に作ったとは思えないほどリアルに出来ている。更に特殊撮影も色々なアイデアを駆使しVFXには無い味わいがある。(おにぎりのコンビニと手製の差)

神学生をたぶらかす妖婆(美魔女)は例えるなら映画「スペル」(サム・ライミ監督)に出てくる〝ボタン欲しがり婆さん〟に酷似しており、それが神学生を誘惑し、襲ってくるので神学生もブチギレして婆さんに逆襲してしまう。ある意味、一番怖いシーンかも、、、。

 

クライマックスの古びた教会の聖堂で3日間、死美人(魔女)を弔うシーンは必見!

毎日、日没から一番鳥が鳴く時まで祈り続ける。

1日目:死美人から神学生は魔法陣の中にいるため見えない、また魔法陣の中に入る事もできない。

2日目:死美人は魔法陣に対して棺桶アタック、上部からの攻撃を仕掛ける。死美人は不利。

3日目:死美人は自分だけでは円陣突破は無理と判断!いよいよ真打を登場させる。

さぁ、どうする!神学生!一番鳥が鳴く時まで耐えきれるのかっ!?

 

死美人を演じる女優さんのパントマイム(円陣の周辺に壁があるが如きに振舞う)が凄い!また1日目から徐々に精神的、肉体的に追い込まれていく神学生の様子も面白い。途中で逃げ出そうとするが捕まり、聖堂へ強制送還される。ww

 

現時点ではサブスクで配信されていませんが、配信された時には是非観て頂きたい作品です。

 

※追記

ユーチューブで観れたりして、、、