U-NEXTで鑑賞しました。

 

ショートYouTube動画の解説はここ

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〇あらすじ

ベルギーの映画作家リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ兄弟が、どん底の生活から抜け出そうともがく少女の日常を手持ちカメラによるリアルな映像で描き、カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールと主演女優賞を受賞した人間ドラマ。

酒びたりの母親とキャンプ場のトレーラーハウスで暮らす少女ロゼッタは、ある日突然、何の理由もなく工場での仕事をクビになってしまい、新しい仕事を探しはじめるのだが……。
1999年製作/93分/ベルギー・フランス合作

※映画.comから抜粋

 

〇感想

この映画は音楽による演出は一切ない、主人公の横にカメラが張り付き、狭い画角で主人公のロゼッタを撮っている、、、そんな映画だ。

また、先日のレビューで紹介した映画「あんのこと」を含む、少女虐待系映画ジャンルの部類ともいえる内容である。これ↓

 

約90分間、カメラがロゼッタを追い回す。時には暖かく寄り添い、時には冷酷に傍観者として撮影する。その撮影手法により観ている側は、呼吸を忘れるくらいに引き込まれ苦しくなる。

 

アル中の母とトレーラーハウスで暮らすロゼッタは、決して弱音を吐かない。昼間は仕事を求めて町中を走り、夕暮れになると激しく車が往来する道路を横断し巣へ帰る。そこでは生きる為にキャンプ場の池で魚を獲る。草むらを掻き分け、地面を這う、その姿は野生動物に見える。

この映画は社会の仕組みを知らず〝仕事をしてお金得る〟という生きる手段しか知らない野生動物のドキュメンタリー映画かもしれない。そう思うとロゼッタが野生動物に見えてくるのも自然だ。

魚を獲る為にロゼッタは忙しい

 

ただ、その野生的なロゼッタもラストで涙する。あまりにも人間性を見失った行動に対しての涙。

エンドクレジット直前のワン・カットで、微かではあるが希望を表現する描写は流石だ。

 

※追記

劇中にロゼッタが持病により、腹痛により苦しむシーンが何度か出てくる。その腹痛を和らげるために、腹部をヘア・ドライヤーで温めている。病院へ行き治療をしないので、病名は劇中で明かされないが、池でマスを獲って食べている事から寄生虫による病気かと思われる。

以上