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ネタバレ無しでレビューを書きます。そのためほぼ内容については触れていません。

 

〇あらすじ

「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー国際長編映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞するなど国際的に高く評価される濱口竜介監督が、カンヌ、ベルリンと並ぶ世界3大映画祭のひとつであるベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)受賞を果たした長編作品。「ドライブ・マイ・カー」でもタッグを組んだ音楽家・シンガーソングライターの石橋英子と濱口監督による共同企画として誕生した。

自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からも近いため近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧は、娘の花とともに自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っているが、ある時、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。それは、コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が、政府からの補助金を得て計画したものだった。しかし、彼らが町の水源に汚水を流そうとしていることがわかったことから町内に動揺が広がり、巧たちの静かな生活にも思わぬ余波が及ぶことになる。
2023年製作/106分/G/日本

※映画.comから抜粋

 

〇感想

『主な登場人物』

巧(たくみ)/大美賀均:町の有識者、本人は町の便利屋だと言っているが素性は不明。
花/西川玲:巧の一人娘、自然との調和を生まれながらにして身につけている。不思議ちゃん。
高橋/小坂竜士:芸能会社の社員だが、怪しいグランピング開発事業の責任者を専任している。
黛/渋谷采郁:元保育士で今は高橋と共にグランピング開発事業の担当者。

不思議な少女。自然から何かを感じ、この年齢で世の中を違う立ち位置からみているようでもある。

 

遅ればせながら 映画「悪は存在しない」を鑑賞しました。封切り後、一か月以上経過の鑑賞になってしまいました。それには訳があって、この映画はミニシアター系の映画で、上映館が各地方で限られています。更にミニシアターはスクリーン数、座席数も少ないです。今回、鑑賞した京都シネマはスクリーン数が3つ、多くて約100席、少ないと60席ほどです。

喫茶コメダの方が座席数は多いかも?

(今、ブログを書いているコメダは100席、車も100台収容できる)

また、濱口監督の新作で何かの賞を獲得したとなれば、多くのファンは公開後すぐに行くと思います。その結果、大阪、京都、神戸のミニシアターは満員御礼状態でした。一か月以上経過したら、ある程度落ち着くと思い一か月後の鑑賞となりました。

ミニシアター系の京都シネマ。

 

作品群も大型シネコンには掛からない映画が多い。

(おお!フレディー!それと映画音楽の巨匠モリコーネ特集!これは必見!)

 

どうでもよい前置きが長くなりましたが、この映画は非常に難解な映画です。そもそも石橋英子の音楽ライブパフォーマンスのイメージ映像を濱口監督に依頼した事により出来た長編映画です。イメージ映像に物語をくっつけたと思って観た方が良いかしれません。

 

映画に正解を求めるタイプと、起承転結が明確になっている映画が好きな人には非常にストレスが掛かる映画だと思います。

私はどちらかというと、ジャンルを問わず映画を観て、一度きりの人生で経験できない事を映画の中で経験できる貴重な場として映画をいつも観ています。そのためZ級のホラーであろうが、今回みた難解系(映画の内容を観客に丸投げするタイプ)の映画であろうが、それなりに楽しもうとします。

 

映画「悪は存在しない」は観客に内容を丸投げするタイプの映画なので、正規の映画鑑賞料金を支払って、映画を観た本人が感じた通りで良いと思います。そういう風に思えば、この映画は難解でも何でもないです。コメディーと捉えても良いし、ジブリの実写版、サスペンス・ホラー、SFなど鑑賞した人の数だけ映画の感想も存在します。

 

例えば、一枚のレコード・CD、ストリーミングされた音楽などは一回聴いたら終わりではなく、何回もその後も繰り返し聴くと思います。映画もそういう感覚で捉えると、好きな映画は何度も観るので、この映画もそのたぐいの映画かもしれません。

これで終わると個人的な映画鑑賞方法みたいなブログになるので、劇中の事に少し触れます。

 

『グランピング開発担当者の高橋と薫の車中のシーン』

グランピング開発担当者の高橋と薫の二人が町の人を説得するために再度、町へ向かうシーンがあります。主人公の巧が住む町の人へ、グランピング開発事業の説明会を開催し理解を得ようとします。しかし、町の人々への理解を得るどころか、反対に不信感を与えてしまう散々な説明会になってしまいました。そのため再度、町の一番の有識者である巧に会い、開発の支援を求めに高橋と薫の二人が町へ行く車中のシーンです。

会話劇がとても面白かったです。特に、胡散臭い(口八丁手八丁みたいな営業)グランピング開発の担当者二人の車中での会話が凄くリアルで魅力的でした。それまでは町の人を騙そうとする悪いヤツというイメージが、車中のシーンで〝あ~こいつも普通に人間臭いヤツなんや~〟ってキャストの印象がガラッと変わってしまうシーンです。更に、なぜか好感まで持ってしまうような脚本と演出です。グランピング開発責任者である高橋の配役も的を得て、これ以上も以下も無いというキャスティングでベストでした。この車中のシーンだけでも30分以上は映画を観た後で話してしまうくらいの会話劇でした。

 

『薪割りのシーン』

怪しいグランピング開発担当者の高橋が、主人公の巧から薪を割る方法を教えてもらうシーンがあります。高橋は斧で薪を上手に割る事ができませんが、巧から3つの薪割りの基本を教えてもらいます。まず、利き足に体重をかけて、薪から目を離さず、斧は振り落とすだけ、、、。

教えて貰った後に、一発で薪が割れるシーンがありますが、思わず映画館で「おお!」って声を出してしまい、前の席の人がこちらに振り返ったほどでした;;でも、その時に感じました。これが映画の醍醐味。

 

最後に、この映画のラストシーンと題名の〝悪は存在しない〟は色々と賛否両論ですが、ラストシーンは自分にとってあまり関係ないです。それこそ音楽のPVの一部で特に考える必要はないと思います。(二日間ほど考えた結論やけど;;)

今回ブログで紹介したシーンだけでも映画としてメチャ、メチャ面白かったです。

自分にとって映画というのはこういうモノであると再認識した作品でした。

 

※追記

サブスクにアップされたら何度か見直したいと思います。

 

 

〇映画のお供

京都河原町「寿司 小松」

京都錦市場の近所ということもあり、国産生マグロを使った寿司屋です。

映画まで時間があり、昼ごはんの時間帯に行きました。

マグロ丼と寿司を数貫頂きました。

 

錦市場の通りを外れた所にあるメチャ美味しい寿司屋。

気軽に行ける〝廻らない寿司〟の店の一つ。

 

 

マグロ丼!色々な部位が入っており、飽きがこない仕様になっている。

それと単品で気になる寿司を注文しました。

 

めきんユッケと言って、マグロの目の裏の肉のユッケです。(たぶん)

何はともあれ、メチャ美味い!