映画の中で〝音〟は演出上で重要な役割を果たしています。例えば、ある番組収録会場で、一般人が舞台に出てきた時の拍手と、そこそこ見たことのある有名人が出てきた時の拍手、推しの俳優が出てきた時の拍手。各々の拍手は音量、音圧、他がそれぞれ違い、人の感情が手に伝わり、拍手となります。それは音にも感情があると言っても過言ではないです。

そこで今回は〝音〟をテーマにした映画3選を紹介します。

 

 

「ほとぼりメルトサウンズ」(アマプラで鑑賞可)

〇あらすじ

音楽だけでなくアート活動などでも活躍するアーティスト・xiangyu(シャンユー)が、ある町で出会った人びととの交流記録をもとに描いた劇映画。

コトはかつて祖母が住んでいた空き家を訪れるが、庭には見覚えのないダンボールハウスが勝手に建てられていた。そこに住み着いていた妙な老人・タケは、街の音を録音し、土に埋めて、「音の墓」を作っているという。老人の行動に興味を持ったコトは、音の墓作りの手伝いをはじめる。そんな2人のもとへ、家の立ち退きを要請する訪問者がやってくる。主人公・コト役をxiangyu、タケ役を「ラストレター」など俳優としても活躍する「ムーンライダーズ」の鈴木慶一が演じる。
2022年製作/88分/G/日本

※映画.comから抜粋

 

〇感想

セリフは少なく生活音により、登場人物の背景、心情を表現しています。家族と、その家族団欒の大切さをこの映画は静かに坦々と教えてくれます。特に食事のシーンは目玉焼き、鮭、カレーなど何てないメニューですが食卓を囲み、他愛もない会話と美味しそうに食べるシーンは何故か胸にしみます。更にその食事の音を主人公のコトが埋葬するシーンも心を打たれます。現在ならAmazonプライムで鑑賞できるので、時間があれば是非みてください。

 

 

 

「ミッドナイトクロス」(アマプラ、U-NEXTで鑑賞不可)

〇あらすじ

B級恐怖映画の音響効果マン、ジャックは風の音を録音中に自動車事故を目撃し、川に落ちた車からサリーという若い女性を救助する。彼は、同乗していた死亡者が次期大統領候補だったことを知り、さらに録音テープに収められた音から、これが狙撃によって起きた事件だと気づく。やがてサリーの正体も明るみになるが……。陰謀に巻き込まれながらも、真相を究明しようと奔走する主人公の姿を描いたサスペンス・スリラー。
1981年製作/113分/アメリカ

※映画.comから抜粋

 

〇感想

ジョン・トラボルタとブライアン・デ・パルマ監督のコンビ+ナンシー・アレン!初期のデパルマ

監督のベストチームです。(映画「キャリー」もこのメンバー)

ジョン・トラボルタがB級ホラー映画の音響担当役で、映画の中でも集音マイクで深夜の森の音を

録音したり、編集室でコツコツと地味な作業を行っていたり、映画「フェイスオフ」、「サタデー・ナイト・フィーバー」のような暴れたり、踊ったりする人には見えません。ある意味、この頃から色々な役が出来る芸達者やったんですね。ww

この映画のラストは〝音〟により全てを解決?しています。しかしトラボルタが最後に見せる切なく、悲しい表情は映画を観る側にも、ゾクッとするダメージを与えます。ラストの展開はデパルマに拍手です。👏

現在、サブスクでは鑑賞出来ませんが、タイミングが合えばお勧めします。

 

 

 

 

「サウンド・オブ・ノイズ」(アマゾンプライム、U-NEXTでの視聴不可)

〇あらすじ

身の回りにある日用品を使い、町中のいたるところに音楽を作り出す神出鬼没の音楽テロリストと、音楽嫌いな警察官の攻防を描いたスウェーデン発の異色クライムコメディ。音楽一家に生まれ育つも、生まれつきの音痴のため音楽が嫌いな警察官アマデウスは、ある事件現場でメトロノームを発見。それを手がかりに捜査を開始するが……。
2010年製作/102分/G/スウェーデン・フランス合作

※映画.comから抜粋

 

〇感想

こういう発想ができる人は尊敬できます。身の回りの音を音楽にする辺りまでは、凡人な私でも思いつくアイデアですが、それを使ってテロを起こすとという組み合わせは凄いですね。

特に映画冒頭の高速道路で車の加速音、道路の継ぎ目での段差の音を使って、ロック調の音楽を演奏するシーンがご機嫌です。🎵

↓これ

 

また手術室の道具を使って、ラテン音楽を真剣に演奏するシーンはシュールで笑えます。ww

残念ながら、これも現在のところAmazonプライム、U-NEXTでの鑑賞ができません。機会があれば是非みてください。