〇あらすじ

元禄の女の自我と、商人の意地とバイタリティを描く、近松門左衛門原作の同題名小説の映画化。

 

主な登場人物

・天満屋お初(てんまやおはつ):梶芽衣子
大阪の遊郭「北の新地」の天満屋の売れっ子遊女。客として相手をした徳兵衛と深い仲になっている。年齢は19歳。


・平野屋徳兵衛(ひらのやとくべえ):宇崎竜童
醤油屋・平野屋で丁稚(でっち)から使用人になった苦労人。遊女のお初と深い馴染みの仲になっている。誠実な人物だが、お人好しでやや気が弱い。25歳。
 

・油屋九平次(あぶらやくへいじ):橋本功
徳兵衛の友人だが、お初に恋している。徳兵衛から借りた金を返さず、いいがかりをつけて踏み倒してしまう。

 

大阪の生玉神社の境内で偶然の再会を喜ぶ、お初と徳兵衛ですが徳兵衛が言うには、醤油屋・平野屋主人の久右衛門が自分と久右衛門の姪の縁談を勝手に進めており、すでに徳兵衛の継母に持参金(銀二貫)を払ってしまったとのこと。しかし徳兵英は、お初と一緒になりたいので、継母から親子の縁を切り持参金を取り戻します。

そこへ徳兵衛の友人・九平次が仲間を引き連れて現れます。そして徳兵衛は取り戻した持参金をどうしても金がいると頼む九平次に貸していましたが、九平次は金など借りていないと、後に白を切ります。(このような状況を大阪では〝借りパチ〟または〝借りパク〟という)

そして徳兵衛は九平次の印鑑がついた借用書を見せますが、なんと九平次はその印鑑は偽物だと騒ぎ立て、徳兵衛のほうが嘘をついているとまわりの人たちに焚きつけます。
これには徳兵衛も怒り出し九平次に食ってかかりますが、誰も信じてくれずに徳兵衛はボコボコに

殴られてしまいます。大阪は商人の街なので、信頼関係がモノを言います。このような事が世間に知れると街に居る事ができません。


追い詰められたお初、徳兵衛は夜中に遊郭の天満屋から二人で逃げ出そうとします。
扉を開ける音が聞こえないように、下女のお玉が寝ぼけて火打ち石を鳴らす音に合わせて少しずつ扉を開けた二人は、暗闇の中を手探りで心中の旅路へと急ぐのでした。(歌舞伎では花道を二人で行くシーン)

 

暗闇の中を曽根崎の森へとたどり着いたお初と徳兵衛。
「此の世の名残り夜も名残り、死にゆく身をたとうれば、あだしが原の道の霜、一足ずつに消えてゆく、夢の夢こそあわれなり」(名セリフらしい。しら・・・)
縁談、義理、金と八方ふさがりになった徳兵衛は、自分を育ててくれた叔父・久右衛門への謝罪の言葉を述べながら、19歳という若さで自分と運命をともにするというお初を哀れみ、お初も自分の父母への思いから泣き崩れます。
ひとしきり此の世との別れを惜しんだ2人は、
「未来成仏うたがいなき恋の手本となりにけり」
という詞章とともに、最期の時を迎えるのでした・・・。(長いのでかなり簡素化しています)

1978年製作/112分/日本

 

〇感想

昔から浄瑠璃、歌舞伎などで超有名な演目の映画化です。内容は知らなくても近松門左衛門=曽根崎心中というように覚えているのではないかと思います。また大阪の人であれば曽根崎町の〝お初天神〟を思いうかべると思います。

今回は映画の「曽根崎心中」なので、時系列をラストシーンの曽根崎の松林のシーンを中心に過去へ行ったり、来たりする映画特有の流れです。

またお初を梶芽衣子、徳兵衛を宇崎竜童が演じており、宇崎竜童の演技については竜童節で演じているので、それはこっちに一時保管しておきます。♬

(良い悪いは置いといて、音楽もダウンタウンブギウギバンド)

 

お初の梶芽衣子がメチャ、メチャ、ヘビー級な〝重い女〟を演じており、野郎は勘弁して!と逃げ出したくなります。

「早く、一緒に思いを遂げよう(心中)」という事しか言いません。たぶん徳兵衛は優柔不断なので、お初があれだけ言わなかったら、徳兵衛が無罪というのが途中で分かり、平野屋の主人もお初の事を認めてくれたので、結果は良い方向へ話が進んだと思います。ある意味、映画「ミスト」のような結末になってしまいました。

こ、こわい~、でも綺麗!

 

歌舞伎の「曽根崎心中」は、徳兵衛が刀でお初の首を刺そうとする恰好で幕が降ります。しかし映画では徳兵衛がお初を刀で刺して、徳兵衛も剃刀で自分の首を・・・けっこうスラッシャー系スプラッターな所まで映像化していました。

また、徳兵衛がお初を刺そうとしますが、躊躇してしまい何度も刺し誤り、逆にお初を苦しめる結果になり、そのシーンは観ている側も苦しくなります。徳兵衛の変な優しさが裏目に出るシーンです。(こんな解釈でええん?)

そして二人は絶命してしまいます。

お初の白い着物が血で真っ赤に染まり、それはまるで映画「キャリー」のプロムパーティーを思い浮かべてしまいます。

 

ここから勝手な妄想、→絶命し、微動だにしないお初が、むくむくっと動き始めると、

「ぬぉーーー!」っと急に立ち上がり、閉じていた目をカッ!と開き、開口一番!

「この恨み~、はらさでおくべきか~」と〝見得を切る〟〝お初!〟(掛け声)

血潮のように紅く染まった朝焼けを背に、突如、松林の中から空中に舞い上がり、くるりと一回転したと思うたら、風はないのに、着物をヒラヒラと靡かせながら、お初の想いの如く、遠くの空へと

消えた・・・。

それ以降、お初の命日が近づく日の、夜とも朝ともつかない〝曙の時〟になると、西から東へ赤い衣が飛び去る光景を目にする者が増えたという。(こんなシーン、逸話はありません)

 

「曽根崎心中」は本当にあった心中話を近松門左衛門が読み物にした作品です。他の浄瑠璃、歌舞伎バージョンも観てみたいなぁ~って思いました。思い立ったが吉日!動きます🎵

 

 

大阪は商売人の街、商売になるモノはこんな感じに仕上がります。

 

 

〇映画のお供

「セブンイレブンのアメリカンドッグ」

移動途中の買い食いって美味しいよね~🎵本当はマスタードがもっと欲しい!

あのケチャップとマスタードの容器で、バランス良く配合されてしまう。;;

個人的にはアメリカンドッグの〝心棒〟の根本についているカリカリの所が好きです。

(持つところ側の衣だけのカリカリ、分かるかな~?)

お初と徳兵衛は〝辛抱〟が無かったからね~、心中してしまった。辛抱があったら今頃、仲良く

アメリカンドッグの心棒をカリカリやってかもね~🎵