映画レビュー「三重県桑名市 諸戸氏庭園がロケ地の映画2選」パート2
前回、紹介しきれなかった「お嬢さん」を紹介します。
※三重県桑名市 諸戸氏庭園がロケ地の映画を選択。
 

「お嬢さん」
〇あらすじ
「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク監督が、イギリスの人気ミステリー作家サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案に、物語の舞台を日本統治下の韓国に置きかえて描いたサスペンスドラマ。


1930年代、日本統治下の韓国。スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキは、藤原伯爵と呼ばれる詐欺師から、ある計画を持ちかけられる。それは、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子を誘惑して結婚した後、精神病院に入れて財産を奪い取ろうというものだった。計画に加担することにしたスッキは、人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父の上月と暮らす秀子のもとで、珠子という名のメイドとして働きはじめる。しかし、献身的なスッキに秀子が少しずつ心を開くようになり、スッキもまた、だます相手のはずの秀子に心惹かれていき……。


秀子役を「泣く男」のキム・ミニが務め、スッキ役は無名の新人女優キム・テリをオーディションで抜擢。伯爵役は「チェイサー」のハ・ジョンウ、秀子の叔父・上月役は「最後まで行く」のチョ・ジヌンがそれぞれ演じた。
2016年製作/145分/R18+/韓国
※映画.comより抜粋

〇感想
“お嬢さん”が暮らす上月邸をロケ地として、諸戸氏庭園が使用されている。
映画は3部構成で少女スッキ(珠子)、令嬢・秀子の視点で話が進む。

この映画では韓国の俳優陣が日本人役を演じており、たどたどしい日本語が妙にこの映画の世界観を確立している。例えるならガロ系漫画の「少女椿」のような世界観である。
映画「ティファニーで朝食を」でも変な日本人が出てくるように、この映画でも良い意味で

〝似非日本〟の奇妙なシーンが満載である。


大勢の日本人の富裕層がこの屋敷(上月邸)に集まる目的は「春本(昔のエロ小説)の読書会」の為である。大勢の男達の前で、正座してを春本を読む令嬢・秀子の姿は、妙なエロチシズムがある。

秀子の口元がアップになり、その口から発せられる淫猥な言葉の数々を流暢に話してしまえば、そのままの猥褻な言葉となる。しかし、たどたどしい発音のため、エロには感じない不思議な響きな言葉として聞き入ってしまう。


更にLGBT(女性同士の恋愛)のシーンは、過去の映画でもスピルバーグも絶賛の「アデル、ブルーは熱い色」、モデル級の女性同士がからむ「アンダー・ハー・マウス」など色々あるが、この映画でも絵的に美しくかつ、ハードに描いている。
全体的には秘宝館のような映画で大人は楽しめるが、R18指定(成人映画)なので視聴には気を付けて下さい。