真島茂樹さんがお亡くなりになりました。

 

 

本当に残念でなりません・・・

 

 

 

 

僕たちは真島さんの事を

 

愛と尊敬を込めて「マジさん」とお呼びしていました。

 

 

 

マジさんとの出会いは、

 

僕が東宝と契約して2年目

 

意外だと思われますが、ミュージカルではなく

 

日比谷の芸術座での現代劇「流れる」でした。

 

 

 

平岩弓枝さん脚本、戌井市郎さん演出、

 

山田五十鈴さん、杉村春子さん、乙羽信子さんという

 

日本を代表する女優さんが出演し、

 

花柳界に生きる芸者たちの日常を描いた名舞台で、

 

マジさんは賑やかな隣人を演じていました。

 

 

1幕の後半だったか、

 

落ち込む主人公を慰めるため

 

「ルイジアナ・ママ」に合わせて踊る場面があり、

 

明るく華麗に踊るマジさんの姿が、

 

いまでも目に焼き付いています。

 

 

そして

 

マジさんとの再会は

 

西田敏行さんを迎えての「屋根の上のヴァイオリン弾き」

 

帝劇稽古場での事でした。

 

 

振付はヴァイオリン弾きを演じていた坂上道之助さん。

 

マジさんはダンスリーダーで、

 

或る時、稽古始めのウォームアップで、キャストとストレッチした後、

 

全員で軽いランニングをしていたのですが、

 

マジさんが突如手を挙げてレビューダンサーの動きになると、

 

キャスト全員がそれを真似て輪を作り、

 

まるでレビューショーが始まったかのようになり、

 

稽古場に笑顔と歓声が溢れたことが忘れられません。

 

 

 

マジさんはロシアンダンサー役で、

 

酒場のシーンではソロダンスを披露。

 

誰よりもキレッキレの動きで、足を高く上げ

 

その素晴らしい跳躍に目が釘付けになりました。

 

 

1幕後半では

 

頭に瓶を乗せて踊る「ボトルダンス」のソロ。

 

本人曰く、本番で一度も落としたことが無かったとのこと。

 

脚を振り上げた時に、衣裳の赤い裏地が

 

誰より一番美しく見えるよう、常に研究していたとか。

 

 

 

2004年

 

市村正親さんをテヴィエに迎えての新演出版がスタート。

 

 

初演と再演は坂上さんに振付を担っていただきましたが、

 

残念ながら2006年にお亡くなりになってしまい、

 

途方に暮れている所をマジさんに助けていただきました。

 

 

それ以来、2021年の公演まで、

 

マジさんが振付を担当していただいた「屋根」は

 

2025年3月に明治座での再演が発表になったばかりでした。

 

 

 

東宝ミュージカルでは引っ張りだこで

 

「屋根」はもちろん、

 

「ラ・マンチャの男」「王様と私」「ラ・カージュ・オ・フォール」など

 

類まれなるダンス力と唯一無二のキャラクターで作品に命を吹き込み

 

共演した皆さんから常に愛される存在でした。

 

 

日劇ダンシングチームのスターとして舞台に立った後は

 

とても苦労なさったお話を何度もお聞きしましたが、

 

「マツケンサンバⅡ」の振付と

 

その明るいお人柄でお茶の間でも大人気になりましたね。

 

 

本当に嬉しかった!! マジさん最高でした❣

 

 

 

昨年、マジさんが主演した「ミー?ザビエル!」という映画も公開されて

 

まだまだこれからと思っていたのに・・・・

 

 

 

本当に残念でなりません。

 

 

 

 

ただ、悲しんでばかりいては、

 

「なにやってるの! ほらもっと笑顔で!」と怒られてしまいますね。

 

 

マジさんの舞台にかける情熱と、

 

深い深い愛を忘れることなく

 

マジさんの繋いでくださった「屋根の上のヴァイオリン弾き」を

 

心を込めて

 

引き継いでいこうと

 

今はただそれだけを思っています。

 

 

 

マジさん、

 

本当に有難うございました。