人材不足を打開する一環として、大手のアパレルメーカーでは、販売職を契約社員から正社員に登用する企業が増えてきている。
また、定着率をさらに高めようと、給与・待遇面の改善、販売以外のセクションへの異動…その他と、一部の動きではあるが改革に着手し出したことは、採用される側や現職のスタッフにとって「やりがいとはげみ」になるだろう。
しかし、そういったことの前に改善されるべき課題が、いくつも残されていよう。
例えば、自らが店を経営しているケースなら話は別だが、物を売る仕事は、3K(きつい・苦しい・根気がいる)の職種だ。したがって、若手を採用しようとすれば、昨今では少しでも楽な仕事に流れていくから、離職率が高いのは当然か?
こういった人材確保や改革への動きは、今に始まったことではない。過去にも、10年サイクルぐらいであった。
採用する側は、世間に染まっていない教育しやすい若い人を望む傾向がある。
一方、本当に販売職が好きで、人と接することが好き、そして、自らの暮らしを充実させるためには、「きつい販売職もいとわない!」といった人材は、ある程度の経験を重ねてきた人に多いものだ。
欧米などでは、百貨店や著名メゾンの中に、熟年スタッフの面々が、若手に混じってバランス良く配置されていることが多い。
もちろん扱い商品のテイストやターゲットにもよるが、「感性年齢」が若く見えれば、FA(販売スタッフ)の年代を気にするお客さまは意外に少ないだろう。
数年前のことだが、都内のある百貨店で、派遣スタッフ(メーカーからの出向社員含)の大幅な若返りが図られ、入れ替えが実施された。ところが、そういった思いきったテコ入れが裏目に出てしまい、しばらくの間、業績に大きく響いたという実例があった。
そこから他店へ移ることのできたFAに、お客さまが異動先にまでついていったというケースが続出したためだ。
お客さまによっては、若くて素直なスタッフでも、経験豊かなFAに比べて「人間力」という点でモノ足りなかったようだ。
いずれにしても、安定雇用が保障されるようになったら、「販売職」に対する、次は「イメージの刷新」も必要か?
私事だが、販売職だった70年代の後半に、自らをすでにFA(ファッションアドバイザー)と呼んでいた。そうすることで、プロのあるべき姿を自分なりに「イメージトレーニング」できたので、やりがいはあるが3Kといわれる仕事もこなせていた。
例えば、キャビンアテンダント、看護師…うんぬんと、時代に即して職種名が改正されたように、「販売員」という堅いイメージの名称から脱却させてみるのも良いだろう。
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」連載 百貨店プロセールス資格制度フィッティングアドバイザーより
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