優秀なFAたちを、百貨店はいっぱい育て上げてきた。
つい最近のことだが、都心にある大手百貨店の、Lブランドをたずねると、チーフだった「S女史」の姿がなかった。
「ストアーズレポート」でも取り上げたLショップの店長だった彼女は、部下たちを上手にコントロールしながら才能を引き出し、年商3億円を上げていた。そのスゴ腕を買われてコーチに抜擢され、3月付でメーカーの本部へと異動となった。
もう一人の好事例は、同じ号で記述したT子(私のアシスタントを長くつとめた)の「その後」である。
彼女は、大手百貨店内にあるAブランドのFAとして配属されてから、数ヶ月あまりが経過している。
「忙しくて忙しくて、休憩にも充分に行けないときが多いんですッ」
「今どき、そんなに業績がいいなんて、スゴイことじゃないッ!…まるで、70~80年代に戻ったみたいねッ!」
「ところで、今年の売り上げ目標は?」の問いに、「4億円くらいかな」の答えが返ってきた。
絶好調の理由は、「商品・販売力・VMD空間」と、ブランドの「知名度」という四拍子が、うまくかみあっていることにあるらしい。
「各支店に、“フィッター”と“VMD”の専任がいて、私はその両方に指名されたんですッ」…電話の向こうでT子の弾んだ声がした。
元々おしゃれセンスに敏感で、服飾知識のベースも備わっていた彼女だったが、いくつもの回り道をした結果、百貨店という環境に恵まれて大輪の花を咲かせている。
彼女は感性人間だけではない、「売って、なんぼや」の世界もしっかりと心得ている。
一方では、商いと暮らしに役立つ各種の「資格」を持っていても、業績に貢献できていない、もしくは一つの職場に長続きしないFAも存在する。
人を育てることは、本当に難しい。しかし、あるとき思いもかけない「ツボ」にはまると、信じられないような「才能」を発揮し出した実例も目にしてきた。
「2・6・2」という、人材を抱える集団における組織論がある…組織内には、優秀な人が2割、普通の人が6割、できない人が2割いるという考え方をさす。
「あの時、あの百貨店で、あの課長から、あのようなアメとムチをもらわなかったら、私は…?」と思わずわが身をも照らし合わせてしまった。
皆さまに販促関連の記事をお届けできるのも、沢山の先輩やお客さまが、私に向いた「ツボ」へと招き入れてくれたのだと思う。
「一生さめない夢の魔法」(ディズニーランドのバックヤードが心がけている)を、大切なお客さまの元へ季節の風と共に運んでいきたいものだ…。
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」
百貨店プロセールス資格制度フィッティングアドバイザーより抜粋
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