「フィッティングアドバイザー」(1級・2級・3級含)発足当初に掲げられたゴールイメージや内容で、大きく変化した二つの流れについてスポットを当ててみよう。
〈その1〉は、発足当時に認定審査で重視された「フィッティング技能力」に関するパーツが、「コンサルティングセールス」の一環に組み込まれているようなイメージのシェアになってきている。
〈その2〉は、他業態との差別化を図ることと、労働組合(JSDの百貨店部会)が、組合員の再雇用時に優遇…といった二つが、当初の目標にあった。
前者に関しては、現在も「フィッティングアドバイザー」制度の趣旨として、“フィッティングに関する、専門知識と技術を持ち、スタイリングアドバイスができるアドバイザーの育成を目ざす”となっている。
習得できる主要項目として、①接客・販売の基本マナー、②素材・品質表示・お手入れ、③服のデザイン・構造・縫製、④採寸・サイズ・フィッティング・お直し・補正などが揚げられている。
それらの項目を学べるとは、70~90年代に、百貨店でお世話になった先輩諸氏からみると、「なんと恵まれた時代であるか」という声も聞かれるだろう。
その一方で、①が資格審査で重視されることに対して、先輩たちは、「うーん」とうなる方も出てこよう。かつては、現場で、①の部分をたたき込まれたからだ。
後者に関しては、「3級の通信講座」が一般公開されたことによる、「メリット」と「デメリット」が今後、さらに見えてこよう。
大なり小なりの「リスク」を伴わねば、いずれの分野でも新しいコトを実践できないだろう。
因みに、創業85年の老舗テーラー「TALOR MARUMO」で「フィッティング・アドバイザー」が活躍されていて、以前からプロフェッショナルが、おもてなしをしているが、同様に、百貨店にも高水準のスキルが期待されよう。
究極の「フィッティング技術」とは、既製服でも、注文服であっても、ゴールは一つである、と認識されている方が意外に少ない。
わずかな違いは、「縫製工程」がどのくらいか、例えば「メンズ服」なら、250工程から50工程までと、メーカーや企業によって極端な差がある。
あとは、「既製服」の範疇(はんちゅう)で可能な「サイズ調整」と、「体形別補正」(=メーカーのパターンと、お客さまのボディラインとの不つり合いから発生する、不自然なシワやツレを目立たなくする)についての「技能力」を、一級・二級の合格者が自信を持って行えるか?…だ。
お客さまの多くが、いずれにも「着心地満足」(Fitting Satisfaction)を願っていよう。
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」連載「百貨店プロセールス資格制度」より抜粋加筆
Copyright(C)2000-2008 DOMINANT LIMITED All Right Reserved.
【無断転載使用不可】
月刊『ファッション販売』8月号 発売中!
児玉千恵子 書き下ろし! 「お直しに関する質問15」
「サイズの詰め出し」「修理」「補正・リメーク」etc.にわたる15のケースに
このジャンルのパイオニアとして知られる児玉千恵子が、
お客さまから「これは聞かれる!」という質問を選りすぐり、
解説付きでズバリ模範解答!
『ストアーズレポート』 2008年7月号 発売中!
百貨店プロセールス資格制度フィッティングアドバイザー
第47回 「ソリストたちが奏でる夏の商戦」
◇ 今夏の資格審査と周辺情報
◇ 技能力をこう活かす
◇ 決め手はアフターフォロー
【プロ販売員模試】 夏商戦のソリストテスト
