企業や店舗から発信される「スタイル」や「センス」に、昨今のお客さまは敏感に反応されよう。
昨年は、「KY(空気を読む)」なる用語が流行った。それは「接客サービス業」の前提条件とも言える一要素だったが、一般人にお株を奪われた。
このところ、各地の大型店や百貨店では、マニュアル通りを超えてしまったかのような「接遇マナー」が蔓延気味だ。一人ひとりのお客さまの「空気」を読み、自然体の「体話&対話」に努めてみよう。
さて、「フィッティングアドバイザー(2級)レディス・メンズ」資格認定審査だが、2003年秋のスタート以来、少しづつ微妙な変化が見られたが、当初の「主旨」とは、審査時の着眼点やニュアンスが違ってきている。
今までの推移をふり返ってみよう。
全国の百貨店が「接客のプロ」を育てようと、共通の資格制度を導入する…といった方向性を発表したのは、2002年10月2日付の某新聞(夕刊)でのことだった。
体形などに合わせて衣料を選ぶ能力がある販売員に、「フィッティングアドバイザー」の資格を与えるといったもので、来秋にも最初の試験を実施。制度は百貨店業界の労使が共同で創設する(原文のまま)と掲載されていた。
それ以前(2002年4月)には、別の業界紙に、伊勢丹とアパレルメーカーのジュングループが共同で「ハーフメイド服」を開発し、ジュンから派遣された「アルテリスト(補正師)」が、部分的に仮縫いができる「セットアップ服」を担当する…という記事が載っていた。 西武百貨店「衣料フィッター」研修より
それらを含めた一連の記事や関連情報をキャッチしたとき、ある種の衝撃が全身を駆けめぐったものだ。
なぜなら、「FBS((財)ファッションビジネス振興財団)」のスクールで、1989年からすでに私は、既製服の「フィッター」に関する講義を務め、その必要性を、各種の紙・誌で盛んに提起していたからだ。
また、そういった経歴や実務と「構想」、「考え方」を具体化できたのは、95年からの7年間にわたり、西武百貨店で、服飾業界初の社内認定制度である「衣料フィッター」の育成に、講師・審査委員長としてのチャンスをいただけた頃だ。
プロの真価を問う厳しい審査(筆記テストの他、採寸&補正技能力・スタイリング提案力・エチケット&マナー・会話&説得力など)は、総合得点が550点で、うち410点をクリアした後、各々の項目のすべてで規定ラインを充たすことが条件だった。
合格メンバー(290名)の大半は、営業利益が芳しくなくなった状況下でも、持てる力を最大限に発揮し売り上げに貢献していた。
その頃から、丸井福祉会をはじめ、数社の百貨店が声をかけてくださり、人事部や労組からの要請で、「サイズフィッター」「ボディフィッター」「ドレスフィッター」「スタイルフィッター」「ファッションフィッター」「フィッティングアドバイザー」「フィッティングコンシェルジェ」…と、それぞれの企業らしい呼称で、既製服を販売するエキスパートの「フィッター」育成をお手伝いしてきた。
そういった動きと実践例が反映されたスタート時の「フィッティングアドバイザー制度」は、「着心地満足服」の追求と「販売力の向上」に重点が置かれていた。
したがって、各指定校の授業内容やカリキュラムも主旨の流れを汲んでいた。
ところが昨今は、精度の高い「フィッタースキル」よりも、「接客の基本」が、審査では重視される傾向になってきているようだ。
市場を取り巻く環境はそんなに甘くはないから、コトの本質を見極めて、本物を育てていく土壌を耕し続けなくてはならないだろう。
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」百貨店プロセールス資格制度フィッティングアドバイザーより抜粋
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