販売業務におけるパフォーマンスは、「演技」とか「まやかし」といったニュアンスの意味合いではない。私は、それを次のように定義づけている。
〈その1〉.
企業(店)やスタッフの、商品に対する思い入れや情熱を、その感性を支持してくださるお客さまに、全身全霊をこめてプレゼンテーションすること。
〈その2〉
商い人という生身の肉体を通して、店や商品の等身大の価値を、芸術的に表現する。
パフォーマンス理論は、古くは社会学者のゴフマンが、その定義を「日常生活における、自己のプレゼンテーション」として確立した。
また、社会心理学者マレービアンが、「自己表現の構成要素」は、言語表現(例・商いでは、セールストークに位置づけてみる)が30%、非言語表現(タイム&タイミング、モノによる自己表現・色彩・空間の使い方・身体表現・表情…例・商いでは、視界に飛びこんでくるものすべてと考えてみる)は、70%の割合であると理論づけした。
それらの定義や理論は、店舗や売り場の業績が悪い、もしくはスランプにおちいった場合にも応用が効き、「見直し、検討、早急な対応策」を講じる必要に迫られた時など、立て直しをはかるための要素として、重点項目にもなる。
たとえば業績が悪いということは、「お客さまに支持されていない」か、「店やスタッフ、商品と、お客さまとの出会いのチャンスがない」と直視すると、パフォーマンス(価値表現・伝達)理論の重点項目が浮きぼりになろう。
このように、商いを構成する要素を「言語表現・非言語表現」という視点でながめてみると、店やスタッフからのメッセージやアピールは、「こうあるべき」という姿が具体性を帯びてくるようになる。
例えばセールストーク(言語表現)にスポットを当てた場合、過去の社内研修や、フィッティングアドバイザー2級講座の経験を振りかえってみると、「技術や知識」はマスターできたが、「セールストークが出てこない!」とか、「セールストークが実務にとても役立った」という言語表現に関する感想が多数寄せられた。
また、ハンガーワークや試着時、スタイリングやピン打ち時に、笑顔は心がけるものの、「アイコンタクトやしぐさが、スムーズにいかない」といった嘆きも、人事や研修担当者から耳にした。…つまりそれらの課題が、「非言語表現」の代表要素ということになる。
“立てばしゃくやく、座ればぼたん、歩く姿は百合の花”のたとえは、遠い過去の話ではない。そして会話や接客用語は、“ハキハキクールミント”で迫るとさわやかだ。
資格のあるなしに関係なく、男性スタッフは、「ナイトかソムリエのように」振るまって欲しい!
いずれにしても、知識が豊かになって、技術に自信がついてくれば、「言語表現」も「非言語表現」も、第三者の目でフォーカスできるゆとりが生まれてくるものだ。
つまりパフォーマンス理論は、先の「資格制度を集客力につなげる」という項目に重ねて活用すると、課題の改善や活性化にも使える重宝な戦略にもなれるのである。
そこに、どんなにステキな「人・物・器」があっても、お客さまとの出会いがなければ、価値がないに等しい。
時代に即したハイセンスな企業パフォーマンスを、積極的に推し進めてはどうだろう!
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」 百貨店プロセールス資格制度フィッティングアドバイザーより抜粋
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