風呂上りとか深刻なのです・・・


昔から僕は割合頻尿だとか言って来ましたが、おととしの秋くらいがそのピークを迎えていたわけなんですけども、その頃はとにかく毎日のように1リットルもあるグレープティーやアップルティーやマスカットティーを飲んでいましたからだと思うのです。飲みたくもないけど、なんだか飲まないと気がすまない。みたいな中毒性にかられて、僕は飲み続けていたのです。

しかし、去年の春ごろになってことの深刻さを気づかされたので1リットルの飲み物は極力買わないようにし始めたのです。なるべく家にある水や麦茶などで済ませておけば、お金も減らないしおしっこにも行きたくならない。なんていいことだらけなんだ!なんだか救われた気がする!と思っていたのです。

最近になって、またアップルティーとかが店頭に並ぶようになりましたが、味の再確認のために一度購入したのが最後、それも3日をかけて飲むようにしたので何も問題ないように思えたのです。


風呂上り。僕は一人戦闘後の股間を入念に石鹸で洗い流して、清潔を保っていました。そのため、自力で出ることのないタートルヘッドを乾燥させるためタオルでそれまた入念に水分をふき取って細菌一つ残らないように心がけていたのです。ちゃんと一通りふき取り、さーて服を着るか。と思って足をあげてみるとなにやら股間に違和感が・・・。・・・まだふき取りきれてなかったようだ。タートルヘッドは再び濡れていたので今度こそはと裏などをよく見てよく拭き、そしてパンツをはこうと足をあげようと思うと・・・まただ・・・また、股間に違和感が・・・。濡れている・・・何回拭けば気が済むんだ・・・どこから来てるんだこの水分?もしや・・・と思ってその水分を指先でとってにおいを嗅いでみると・・・

み、水じゃあないッ!

尿道から出ているものだったーッ!風呂はいる前にちゃんと用を達していたのにーッ!

僕の前に再び立ちはだかった膀胱の悪夢。そして、見え隠れする助け舟の姿・・・。まだだ・・・まだ助けるな・・・今はまだ諦めない!!

ハルンケアはまぁ加齢とともに増えてきたおしっこのトラブルを解決するお薬だ・・・。でも僕はまだ17才だぜ?以前35才とも言ったことがあったが・・・もしそうだとしても、まだまだ現役バリバリの年齢だぜ?工藤公康なんて43才とかだぜ?それなのに・・・それなのにーッ!

ボクサーパンツかな・・・そろそろ・・・
以前バイトしていたスーパーの前を通ったんです・・・


まぁ僕はおととしの夏にせっせとバイトをはじめたんですけど、低賃金の割に合わない重労働に、はじめて女の子に「死ね!」と言ってしまった子が働くようになったり、また昔席が隣だけど一度も話さなかった子もやってきてなんだか気まずいなぁ~、それにバイトと部活の両立ってなかなか厳しいものがあるよな~と思ってやめてしまったわけなんですよ。正直あのころは死にそうだった。部活が休みの日は全部バイトをいれ、また週に一日だけだったんですけどバイトと部活がかぶる日とかありましてね、もうその頃は人生で一番つらかったと言っても過言ではありませんでしたよ。

そういったもろもろの事情があったなか、一番のやめる原因となったのが本当に気持ち悪い上司Kさんがいたことでした。まぁそんなんどこでもいるでしょ、と思われるかもしれませんが僕は耐えられませんでした。腐りかけたミカンをもったいないからと言ってブジュルブジュル言わせて食べている現場に立ち会ったり、女性社員の人に軽くかっこつけて見せたり色目使って見せたり、さらにはそのような行動が裏目に出て同僚の人たちからはなんだか嫌われているみたいだったし、店長からは使えない人だと言われてもなお毎日朝早くから夜遅くまで仕事をしている姿を見て、なんだかかわいそうに思えてきたのです。気持ち悪いけど、同情しちゃったのです。そんな上司の下で働けますか?僕には無理だった・・・


それで店長に、あまりの使える人材じゃないので
「バイトのnebeの方が使えるじゃんか~Kさんよ~。」

それはさすがにないなと思いましたが、店長は冗談で言ったにせよKさんのプライドはズッタズタに傷つけられたんだろうなと思った瞬間でした。


そしてつい先週のこと。学校帰りに友達の家のほうにあったブックオフへ行って帰ろうと思ったら、見覚えのある大通りに出たのです。バイトをしていた近くの大通りでした。僕はなんだか懐かしいなと思って、そのスーパーの前を通ってみることに。中に入るのはなんだか気まずいからやめたけど、外から中の様子を伺っていたのです。

さすがにKさんはいないだろうな~、使えない人だったみたいだし左遷されてるんだろうなと思って見てみると、ぼさぼさの白髪頭にちょこんとかぶった衛生の帽子、丸まった背中にしわだらけの手・・・間違いない!Kさんだ!まだ働いていたんだーすげー、と思っていると僕がやめたあと変わった新しい店長と思われる人と話してる・・・あ、なんだか怒られてるみたい・・・。・・・・・・・・・。

なにも変わっていなかった。Kさんは何にも変わっていなかった。きっとこの冬も、腐ったミカンをブジュルブジュルいいながら食べていることなのでしょう。お腹を大事にしてくださいね。と念じて、僕は家路へとついた。
ノートを買うために文房具屋に行った帰り道のことでした。


僕はどこに行くにしても大体自転車なんですよ。たとえば家から徒歩5分でつくスーパーや、ブックオフとかにも歩くことを僕の足が拒み、「自転車に乗ってくれよぉぉnebeーッ!」って語りかけてくるかのように、勝手に足が自転車のほうに方向転換し、僕はいつのまにサドルの上に乗っているのです。

まぁそんなことはないんですけど、ただ単に歩くことが億劫なだけ。歩いて5分かかるより、自転車で2分で着いたほうが良くない?別に運動していないわけじゃないんだから、常日頃自転車に乗っていても何も問題ないと思う。ただ歩くのは遅くなったね。間違いなく。


自転車ばかり使っていると言うことは、まぁ言ってみれば自転車の扱いに関してはかなり上達しているわけなのです。たとえば、人ごみの中をいかに早く切り抜けて走り去っていくかなど。僕はアイシールド21のセナのように、とは言いませんが、ある程度の先を見据えながらコース取りをして、まぁ多少無理をして人ごみを抜けていくわけなのです。たまーにだけどおっさんとかに接触しそうになって、「気をつけろガキャー!」とか言われるけど、いままで自転車を飛ばしてちょっと疲れ気味で徹夜明けのようにテンションあがってきているのに、そんな怒られかたしたらめっちゃテンション下がる。体に力が入らなくなってうまくハンドルを握れなくなる。こえー、マジぶっ殺されたらどうしよう・・・とか最悪のパターンを考えてね。

まぁそういう時は、この部活で鍛えられた足をフルに使い、スピードをマックスで道を進んでいくのです。ハンドルに力が入らないほどショックを受けているので、目には目を、ショックにはショックをと、自転車にくるぶしをコツンと当てて激痛を生み出し、そして素に戻って逃げることだけを考えるようにうながしているのです。そういうことがしばしばあるので、自転車のスピードだけには自身のようなものがありました。


そんな文房具屋の帰り道。僕は新しいノートをかごの中に入れて、「こいつをどう料理してやるかな・・・やっぱり1ページ目だけは丁寧に書くべきだよな・・・フフフ」とか考えながら浮かれていると、車道を通るおっさんの乗った一台の自転車が僕を抜いていきました。そこの歩道は狭く、浮かれている僕がちんたら走っているのを見て車道に車線を変えて抜いてきたのでしょう。

抜かれて黙っている僕ではありません。陸上魂ぶっちぎっておっさんを抜かしてやる!と思い、太もものギアをチェンジし、短距離専門の筋肉を引っ張り出してきて一気にダッシュ。正面から来る風に負けないようにと、あくまで低い体勢をキープしながら。勝ったッ!第3部完!

「ほーお、それで誰がこのオレのかわりをつとめるんだ?」
とでも言ってくるかのように、またしても僕を抜いてきました。ちょっとそのおっさんを抜いたからって、僕もこぐのをやめていましたからね。なめてかかっちゃいけない人だとわかりましたよ。それじゃあ僕もそろそろ本気を出すッッ!100メートル走ってスピードに乗ってしまえば、そこからはリラックスして走れるが・・・スタートだけは筋肉のリミッターをはずさないとスピードになかなか乗れないものだ・・・。筋肉のリミッターをはずすということは、足にそれ相当の負担がかかっているということで、あまりやってはいけないことなんじゃないかと思う・・・

しかし!このおっさんに勝てないで何が陸上だ!何が足の怪我だ!僕は筋肉のリミッターをはずし、おっさんを抜きにかかるッ!風邪の抵抗を抑えるべく、なるべく!出来る限りの低姿勢で!そしてまた抜き返すことが出来たッ!

そうするとおっさんは車道から攻めることをやめて、歩道へ上ってきた・・・歩道でいったん抜いてしまえばなかなか追い越されることはない・・・考えたな。抜かすのは確かに難しい・・・それは有利か不利か!それは今のおっさんにとっては不利のほうだが・・・最後の賭けに出たのだろう・・・。この100メートル先まで進んでいくと、歩道橋にぶつかる・・・歩道橋の階段があって、そこから歩道が一回り小さくなってしまうのだ。つまり、勝負はこのラスト100メートルッッ!!!

僕は持てる限りの力を振り絞っておっさんを突き放すッ!でもどうせすぐついてくるんだろ・・・と思って後ろを振り返ってみるとおっさんははるか遠くで、もう立ちこぎすらしていながった。まさか・・・勝負ッ!と思っていたのは僕だけだったのだろうか・・・なんて恥ずかしい!恥ずかしすぎるッ!あのおっさんから見た僕は、「ちょっと飛ばして走っていたら、何対抗して走って来るんだこのガキ・・・」としか思っていなかったのだろう・・・

そう考えると、ますます恥ずかしさは増してきて僕はこぐことをやめた。歩道橋は目前だし、減速はしなきゃね・・・うん・・・。そう思った瞬間でした。

シャカ・・・シャカ・・シャカ!シャカッッッ!!

自転車のこぐ音!?まさかと思い振り返ってみると、おっさんの猪突猛進ッッ!?おのれ策士か!!!僕を見よう見まねしたのか、低い姿勢を保ったまま!まずい!コレでは抜かされてしまうッ!歩道橋まで残り約30メートル!!!

僕は30メートルダッシュだけだったら4秒台前半を出せる・・・それは静止しているところからだ・・・今は自転車、しかもある程度スピードが出ているッ!僕の最後の一搾りの力を使えば!足に何がおきるかわからない・・・でもココで何もしなかったら確実に抜かれてしまう・・・。すべてはあと2秒以内に片付くッッッ!!!

ウオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!

最後の一踏ん張りが強いところが僕なんだ・・・いままで2年間、ただ走っていただけではなく、中距離選手として頑張ってきたんだ。ここぞと言う時の体力とスピードの総合力では誰かに負けることはないのだ。僕があの時短距離か長距離を選んでいたら、この勝負、確実に負けていた・・・

おっさんは最後の最後まで諦めることなく、抜かそうと頑張ってきた。抜かそうとするということはつまり、僕の走っているところより横を走っているというわけで、歩道橋は階段があったおかげでそこから道が狭くなっているわけで・・・

おっさんは歩道橋の階段の下においてあったゴミの山に猛スピードで突っ込んでいった。もしゴミがなかったらおっさんはもしかして死んでいたかもしれない・・・僕は少し心肺になって自転車を降りた。おっさんが自力で自転車を引っ張り出そうとしている姿を見て、安心した。

「策士、策に溺れる・・・か。」

僕はかごに入っていたはずのノートの行方がわからなくなり、来た道をまた戻り始めていた・・・