秘蔵ワイン会 ルフレーヴ1996 @アーティショー | 奥山久美子の美と健康のワインライフ

秘蔵ワイン会 ルフレーヴ1996 @アーティショー

今回のドクタージャンの秘蔵ワインは、ドメーヌ・ルフレーヴ1996

シュヴァリエ・モンラッシェ&ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ

この2本以外は、参加者が1本持参するというワイン会でした

 

ルフレーヴは、ピュリニ・モンラッシェ随一の造り手、つまり世界最高峰の白ワインの造り手と言える

 

ピュリニに所有する25haの自社畑のほとんどが、グラン・クリュかプルミエ・クリュという王者ぶりに加え、1990年からはビオディナミ農法にいち早く取り組んだりと、

代替わりしても常にピュリニのテロワールを純粋に気高く表現している

 

問題は、「1996年」ヴィンテージ

プレ・マチュア・オキシデーション(熟成前酸化、プレモックスとも言う)が、当時のコート・ドールでは大流行していたのだ

 

原因は、樽熟成中のワインに滓(酵母の死骸がアミノ酸に分解されたもの)のこってりとした旨味を付与するために、樽内にバトンを入れてバトナージュ(滓を攪拌)する回数を多くしたこと(空気に触れてワインは酸化熟成が進む)、

また亜硫酸の量が少ないとさらに酸化が早く進むと言われている。

 

左はビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ、右はシュヴァリエ・モンラッシェ

28年の熟成を経て、2つとも24金の黄金色だが、ビアンヴニュは茶色が多めの琥珀色に近い

シュヴァリエは、華やかな甘い蜂蜜にキャラメルとヘーゼルナッツの香味が力強く広がり、特にミネラルと酸の骨格がしっかりした円熟味のある偉大なシュヴァリエの印象

 

ルフレーヴのビオディナミ学校の校長をしていたアントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュ氏(現在ミクロネゴス運営)とシュヴァリエをテイスティングした時、「服を脱いだら凄い」(ミネラルと酸が引き締まって筋肉隆々の感じ)と仰っていたが、確かに熟成を経たワイン中でもミネラル感が凄かったです

 

ビアンヴニュ・バタールも、同じ条件でドクタージャンのセラーで眠っていたが、コルクの状態のせいか酸化による苦みがでていたのが残念

ビアンヴニュ・バタールは、バタール・モンラッシェの北隣に位置しているが、バタールよりも常に軽めに仕上がることに加え、シュヴァリエのように酸とミネラル感が強くないので、早めに熟成が進みへたったのでしょう

 

シャンパーニュ

Dhondt-Grellet  Les Terres Fines  Blanc de Blancs    (お店から)

Louis Roederer  CRISTAL 2013

Puligny-Montrachet  Sous le Puits 2019       Verget

Bienvenue-Batard-Montrachet 1996      Domaine Leflaive

Chevalier-Montrachet 1996     Domaine Leflaive

 

Vosne-Romanée 1er Cru Les Beaux-Monts 2013   Jean-Jacque Confuron

Vosne-Romanée 1er Cru  Clos des Rea 2013          Michel Gros

Gevrey-Chambertin 1er Cru Fonteny Vieilles Vignes 2013    Bernard Dugat-Py 

Mazis-Chambertin Cuvée Madeleine Collignon 1999     Hospice de Beaune

貴腐ワイン    Wehlener Sonnenuhr  TBA 1971          Joh. Jos. Prum 

 

8名でワイン10本あったので、少々飲み過ぎましたが、どのワインも卓越した造り手のものなので素晴らしかったです

2013年は7月の雹害で50~90%も収穫量が激減した年ですが、雹にも負けず生き残り選別されたブドウで造られているので個性豊かです
 

アーテイショーのシェフには、グラスの用意も大変お世話になりました

 

楽しい秘蔵ワイン会でした!