熟成したカリフォルニア・ワイン@カリフォルニア・ワイン・ガーデン麻布十番
カリフォルニアの「カルト・ワイン」がブームであった5~12年前は、毎日のようにカリフォルニア・ワインを楽しんでいましたが、最近は繊細なブルゴーニュばかり飲んでいます。
ブドウの生育期間に雨がほとんど降らないカリフォルニアでは、ブドウが樹に生っているハングタイムがボルドーやブルゴーニュに比べると短いので複雑性が今一つ、また朝晩が涼しいナパ・ヴァレーでも酸をキープするのは難しい。
ピノ・ノワールに関しては石灰質土壌ではないので(一部はあるけれど)、ミネラリーで引き締まった味わいや繊細さはあまり期待できないのですが。。
優秀な造り手によるバランスの良い素晴らしいワインも多く存在していているので、チャンスがあれば色々と飲みたいと思っています。
今回は、熟成することによって複雑性が増し、美味しくなったレアなオールド・ヴィンテージに出会うことができて幸運でした。
ブルゴーニュ・ワインクラスに勉強にいらしているJC氏はカリフォルニア・ワインにかなり造詣が深く、コレクターとしてもトップクラス。クラス放課後食事会に私達にワインを提供してくれることになりました。
JF氏は、2月26日にナパの「プルミエ・ナパ・ヴァレー・オークション」で、過去最高価格で落札された、「スケアクロウ」5ケース125.000ドル(約1千万円)を落札した中川ワイン販売の中川さんと一緒にオークションに参加されました。
「レルミタージュ・ブリュット 1999」
シャンパーニュのルイ・ロデレール社がカリフォルニアのアンダーソン・ヴァレー(メンドシーノ郡)に1981年設立。
ロデレール・エステートが造るスパークリング・ワインの中のトップ・キュヴェだけあって、エレガント。シャルドネ53%、ピノ・ノワール47%
「ロキオリ・リヴァー・ブロック・シャルドネ 1997」
カリフォルニアでブルゴーニュスタイルが成功しているソノマのルシアン・リヴァー・ヴァレー。1938年からブドウ栽培をし、最高級のブドウを世に出しているロキオリ・ファミリーが、ワイナリー設立したのは1984年。リヴァー・ブロックは1989年にシャルドネを植樹した最上の畑。
14年の時を経て朱金色に輝き、とろりとしたハチミツのようなアタックにカカオ風味がありパワフル
「オー・ボン・クリマ・ピノ・ノワール リザーヴ・サンフォード&ベネディクト 1995」
サンタ・バーバラの怪人と呼ばれるジム・クレンデネンのオー・ボン・クリマは1982年設立。1970年代にワインメーカーを始めたジムは、その後ボルドーやブルゴーニュで修行。特にアンリ・ジャイエの影響を強く受け、エレガントなワイン造りを目指している。
カベルネに比べると熟成が早く進むピノ・ノワールだけれど、まだ若々しい果実味に溢れていた
「カレラ・ジェンセン 1984」
ミスター・ピノ、ジョッシュ・ジェンセンが造る最上のジェンセン畑
深いガーネット色、官能的なロマネが熟成したような味わいで、ブルゴーニュの古酒にある甘さもある
1974年にセントラル・コーストのマウント・ハーランに設立したワイナリーに、私は2003年に行ってきました。モントレーから山に向かって上り40km、カーナビにも出ていないゴツゴツした山中にワイナリーがあり、畑はそこから山頂を目指して車で1時間以上かかるというので畑見学はあきらめました。
ミスター・ピノが初来日した1989年に試飲会に行きましたが、その時のワインよりも古いワインで、またクラシックなエチケットにも感激
NASA宇宙局の地図から石灰質の土地を見つけてピノ・ノワールを植えた話は超有名。「カレラ」は石灰岩で作った石釜という意味で、畑に実際あったそうだ。
ジェンセン、セレック、ミルズ、リードのクローンは、「カレラ・クローン」と呼ばれているが、ブルゴーニュのロマネ・コンティと同じDNAのものもあるらしい。
カレラのカジュアルなピノ・ノワールは、ディジョン・クローンとポマール・クローンだと聞きました。
「オスピス・ド・ソノマ・ピノ・ノワール デリンジャー・オクタゴン 2003 落札by中川ワイン」
オスピス・ド・ソノマは、恵まれない子供達の支援などを目的とし、ソノマの生産者が集って行うチャリティ・イベント。
1975年にルシアン・リヴァー・ヴァレーに設立された「デリンジャー」は高品質ピノ・ノワールのパイオニアとして有名。
「オクタゴン」(八角形)は最高級キュヴェであり、年産120本というウルトラ・カルト・ワイン
勢いのある完熟したザクロやベリー系果実味と旨味に甘いスパイスが一体となって迫力がある
ワイン生産者も多く訪れるという「カリフォルニア・ワイン・ガーデン」の4000円のコース料理は、また、信じられないほどコストパフォーマンスが良く、美味しかったです。