◼️航一視点◼️
残りの反省+追加の反省タイムで7分終了を知らせるタイマーが鳴った。
「結。さ、お~いで」(ポンポン)
ソファに座り直して、柔らかい口調で結を呼ぶと、ぱあぁ✨っと明るい顔で振り返った。
(まだ終わりじゃないのになぁ…)
結にポンポンと膝を叩いて合図すると、あからさまに嫌そうな顔をする。
(だからね、そのすぐに顔に出すのやめなさい…(笑))
ポテポテポテ…「航ちゃん…終わり!違うの?」
「『終わり』なんていつ言った?」
「だって…『おいで』って言ったよ?」
「お話聞いてた?『おいで』とは言ったけど、『終わり』とは言ってない」
「ひぃぃぃん…💧ウソつきぃ…」
「…ウソもついてない」
モニュモニュモニュモニュ……
「じゃ、続きね。結がケガをする前の話、覚えてる?」
「え…うぅん…💧」
(……でしょうね…💧)
「『もう少しシャンとしないと、今に大きなケガするよ!気を付けなさい』
おでこ打った時も『注意された時に、しっかり聞かないからこんな事になるんだよ』って、ちゃんと言ったよね?
……で、今回のケガだよね?
いったい、何を聞いてた?ケガした時の結に聞いたら、『夕日がスッゴいキレイで? ルンルンって?…フラフラ寄り道しながら走って?』……ねぇ?💢」
「あの……えっと…💧ごめんなさい〰️」
「どう言ったら、気を付けられる?あと何度注意して、お尻に教えたらいい?」
モニュモニュモニュモニュ……
「ゆーいー?」
モニュモニュモニュモニュ……
「もぅしません…今度からちゃんと気を付ける。お尻…もぅ痛いからぁ…おしまいなの…」
「お尻が痛いのは、お仕置きをやめる理由にはならない。そんな理由で終わらせてもらおうなんて考えてる時点で、まだお尻足りてない」
モニュモニュモニュモニュ……
「じゃ、どうすればいいのよ?…大人しくお尻叩かれればいいの?何さ…叩きたいだけなんじゃないの?」
「💢何て?『今は怒らない』から、もぅ1回言ってごらん?」
モニュモニュモニュモニュ……
「……ごめんなさいってちゃんと言ったもん…。なのに航ちゃん、まだお尻終わりにしてくれないもん…。もぅ反省したもん…。なのに航ちゃん、意地悪だもん!💦結のお尻、太鼓みたいに叩きたいだけでしょ?」
(ふぅぅぅ💨…さて、どうしたものか…💧このままお尻を叩いても意味ないな。『1人で考えて反省しなさい』って言っても時間掛けるだけで頑なな今の結には無理だな…)
「結?ちょっと、横に座って聞いて」
結を俺の横に呼んで座らせた。
パンツを履いていないので、スゥスゥするのか、スウェットの上着を引っ張って一生懸命隠しているww
「どうぞw🧸」
結が寝室から持ってきたおっきいクマ🐻のぬいぐるみを渡してあげると、抱き抱えて座った。
「結?さっき、結は『ちゃんとごめんなさいした』『反省した』なのにお尻終わりにしてくれないって言ったけど、何がごめんなさい?」
「ぇっと…ケガ?」
…ほら、とんちんかん回答…(笑)
「違う。言ったよね?自転車でコケた事でも、片栗粉を買いに出た事でもない。だから、ケガした事でもない」
「んっとぉ……」
「結は只でさえ天然なんだから、注意された時にシャンとしないとダメだよ?って言ったよね?
気を付けないとって。で、今回のケガでしょ?ケガしたことを叱ってるんじゃない。その過程を叱ってるの。悠真や父さん母さん、駿もどれだけビックリして心配したと思う?
ケガや事故なんて、やろうと思って出来るもんじゃないけど、しないために気を付ける事は出来たよね?自転車で寄り道してフラフラ走ってるから、コケたりするんでしょ?例えコケちゃっても、すぐに正しい対処してれば良かったと思わない?
それを僕も悠真も叱るんだよ?
その時に出来る最善の事を考えなさいって」
「あ……ぅん…そっか……航ちゃんや悠ちゃん、みんなにいっぱい心配かけた…💧でも、ケガの前に叱られた時は、『何でお尻痛くするの?』って言った……」
「思い出した?」
「ぁ、ぃ……忘れてた…けど思い出した」
「あの時何でお尻痛くした?」
モニュモニュモニュモニュ……
「ち、ちゃんと…聞かなかったから…」
「そぅだね。言われた時にちゃんと切り替えないから。ケガするまでに何度か注意したよね?それをテキトーに聞き流してたんじゃない?」
「そ……かもしれないデス…」
「じゃ、次からどうしようか?」
結に聞きながら、クマ🐻さんを取り上げた。
「どぅ……? あぁ…クマ🐻たん…💧」
モニュモニュモニュモニュ……
またモニュモニュする結を膝に倒して、お尻が膝まで来るようにした。
お尻を隠した上着を捲ると、満遍なく真っ赤になったお尻が顔を出した。
(ペチペチペチペチ…)「さ、どうする?」
「忘れないようにぃ…」
「忘れないように…?」
(ペチペチペチペチ…)
「ふ…ふぇ…💧ぅ…グズ……お尻…💧」
「フゥ…言葉で2回注意されてもダメだったんだから、もう『今度から気を付ける』は通用しないよね?僕も結のお尻を叩きたくて、あれこれ理由付けて叩いてるんじゃない。骨折とか、事故とか結にもしもがあってほしくないから。だから厳しくするの。結だって、この1ヶ月程のちょっと不自由な生活、嫌だったでしょ?」
「ぅん…ヤだった…💧」
「だから、気を付けられる事は気を付けなさいって言ってるの」
(ペチペチペチペチ…)
「はぃぃ……ごめんなさ…💧
(バシィ❗バシィンッ❗)いぃっ!!💢った……ぃょぅ…💧」
バシン❗バシン❗バチン❗パァン❗
パッシィン❗
「ふいぃぃっ!!ひぃぃ…ぁぁん…💧」
パァン❗パァン❗パチィン❗
バシィ❗バシィンッ❗
「ごめんなさいっ!ちゃんと気を付ける~💦もぅ、ごめんなさいっ!あぁぁん!」
「あと20回ね」
「ぃやぁ…!多い~💦」
バシィン❗バシン❗バチン❗パァン❗
パッシィン❗
「多いかどうかじゃなく、反省したかどうかでしょ!」
バチン❗パァン❗パァン❗パァン❗
バッチィン❗
「ごめんなさぁぁい!っ」
バッチィン❗バチッ❗バチッ❗
バチッ❗バチン❗バチン❗
「ひぃゃ…!ゃぁ!それ、ヤだぁ〰️」
パチィン❗パチン❗バチ❗
バッチィン❗💢
「ぅわぁぁぁんっ!!ごめんなさぁぁい!ごめんなさいっ!痛いよ~💦」
「結?よく聞きなさい。連打が嫌で痛いのはわかってる。今までにない叱り方をしているから。だけど、それは何で?
それは結に、絶対おんなじ間違いをしてほしくないから。次、おんなじ事が起こっても、今回みたいに軽く済むとは限らないから。それはわかるね?」
「ぁぃ…💧わかってる…けど、痛いからぁ…」
「忘れないでほしいから痛くするの」
「はぃぃ…(スンスン)…ごめんなさいぃ…💧絶対ぃ…(スンスン)気を…つ…ける…💧(ンック…💧)忘れない…」
「よしっ、約束だよ?わかった?」
「は…フゥ…おし、まい?(スンスン…ズゥゥ)」
「まだあるけど?」
「えぇぇ〰️!?💦」
「さっき、結ちゃんさぁ、『僕が理由付けて、叩きたいだけなんじゃないの?』って言ったよね?ww💢2回も」
「ぇっ…💧だっ…あれは……航ちゃんも『怒らない』って言ったよぉ?」
「うぅん。『今は怒らないから、もぅ1回言ってごらん?』って言ったよ?『怒らない』とは言ってない」
「ウソ……」
「ウソはついてない」(←2回目…(笑))
「やだ……ゃだぁ……」駄々っ子のように膝の上でジタバタ暴れる結を下ろして、さっきの壁まで連れていった。
「はい。手ついて」
手をつかせてお尻を突き出させると、お尻の状態がよくわかる…。(だいぶん腫れてるな…真っ赤だし…でも、最後までね)
「結。スパチュラで10回ね」
そう言うとすぐ、結の手を壁から離れないように着けて、ギュッと握った。
「やっ……ゃっ…💧ぁ」
バッチィン❗バチンッ❗パァン❗
パァン❗バッチィン❗
「痛いよ~💦ごめんなさぁぁい❗」
「僕が結のお尻叩きたいだけで、ごちゃごちゃ理由付けてるとでも?心外だなぁ…。結の事を思って、大切だから叱ってるのになぁ…💧」
バッチィン❗「キャァッ!ぃたぃ…えとぉ…」バッチィン❗「そんなつもり…」
バチンッ❗バチンッ❗
バッチィン❗「ああぁん……!」
「はいっ、おしまいね。よく頑張りました。ちょっとそのまま、壁向いて反省してなさい。そんなお尻じゃ、パンツも穿けないでしょ?」
アイスノンをお尻に当てて持たせると、
「航ちゃん…ソファでコロンして冷やしちゃダメ?」
「ダメ。コロンすると、結は絶っ対に寝るから。お昼ごはん出来るまで、冷やしながら反省してなさい」
もぅ11時30分だ…。
今日は当直先の病院の『焼き立てのパン屋さん』で結の好きなアップルパイやお惣菜パンを買ってきてる。(コンソメスープでも作るか…)
ソーセージと玉ねぎ、ピーマン、人参を切って、コンソメスープとコーヒーを作った。
「結ちゃんはしっかり反省出来たかな~?」
そう言いながら結の立つ『反省の壁』まで行くと、グズグズ…スンスンとしゃくり上げながらお尻を冷やす結。
「だいぶん落ち着いた?お昼ごはんにしよぅかww今日はパン屋さんでお惣菜パン買ってきたよ☺️温め直したから、フワフワだよ」
アイスノンを取るとまだ赤いお尻…(笑)
「航ちゃん…パンならソファでコロンして食べるぅ…座れないもん…」
「そんなお行儀の悪い事は許しません💢」
バチンッ❗バチンッ❗
「あぁ!いぃっっ…た💧」
「スープもカフェオレもあるよ。どうやってコロンして食べる気?(笑)椅子にクッション敷いてあるから、そぅっと座りなさい」
モニュモニュモニュモニュ……
「どぅしたの?まだお尻足りないの?」
「ちがっ!…ぅぅ…。パンツ…💧」
「あぁあ🍑ハイハイ🎵どうぞw」
笑いながらパンツとスウェットを子供みたいに穿かせた。
ホントに…世話が焼ける…(笑)
「そぅっと座りなさいよ~ww食べ終わったら、お薬塗ってあげるから」
「あ…ぁぃ…。イテテテ…💧」
結の前にハムとチーズのお惣菜パンとアップルパイ、スープを置いてやり、2人でいただきますをした。
(モグモグモグモグ…ズズゥ…スンスン…ゴクン)「ェヘ……美味しい…❤️」
「スープまで飲んだら、カフェオレ入れてあげるね🎵」
「ありがと……航ちゃん?まだ怒ってる?」
「ん?僕は初めから怒ってはいないよ?
今回みたいな事が2度、3度あったら、流石に僕の心が持たないから、厳しく叱ったけどね」
「ごめんなさい…💧」
そんなつもりはなかったのに、プチお説教をしながらのお昼ごはんになった…(笑)
「結?おいで~。お尻、診てあげる」
片付けを済ませた結を呼んで、ソファにコロンさせてスウェットとパンツを下ろした。
「まだ赤いけど、さっきよりマシかな?
(プニプニ…)ここ、痛いでしょ?」
「いっっ💢……たぁ…」
「お薬塗って、もう少し冷やそうね」
「航ちゃん、今度からちゃんと気を付ける。
航ちゃんや悠ちゃんみたいに、ちゃんと正しい判断が出来るように頑張るから…」
「フフフ。スゴい決意だね。でもね、『わからなかったら、僕や悠真に聞く』ってのも、正しい判断の1つなんだって事、忘れないでね。何でも1人で抱え込んじゃダメだよ?わかった?」
「はいっ、……ごめんなさい」
「よしよし✨結ちゃんはいい子🎵」
薬を塗って、また濡れタオルでお尻を冷やして、クマ🐻のぬいぐるみを枕にしている結の頭を優しく撫でてやると、すぐにウトウトし始めた。
ね?お昼ごはんの用意できるまで反省していて良かったでしょ?ww
タオルを除けて、パンツとスウェットを上げてやり、毛布を掛けてあげた。
少しおやすみ😪結ちゃんw
⭐おしまい⭐