■航一視点■
日曜日の昼下がり…結はこの間、俺のパソコンを借りて購入した洋服を鼻歌🎵混じりに試着してはイソイソと片付けていた。
「ねぇねぇ✨これどぅ??
」
「はいはぃ…💧可愛い…可愛いよ……😭」
これを何度繰り返した事か…。
ーRRRR...RRRR...ー
家の電話が鳴ったので、読んでいた論文をテーブルに置き、ソファから立ち上がって電話に出た。
『こちらはクレジットカードカスタマーサポートセンターの田中と申します。お世話になっております。櫻井結様のお電話でお間違いないでしょうか?』
「はい。結は妻です。代わりますね。お待ち下さい」
保留にして、結を呼んだ。
「なぁに~🎵」
「クレジットカードカスタマーサポートセンターの田中さんって方」
「んにゃ
??…もしもし…代わりました」
(カード会社から結に電話?セールス?)
最近、カード会社も生命保険の案内とかしてるしな…。
不思議に思って論文を読みながらチラチラと結の方を見ていると、
「え…
💧わかりません…知らないです…
えぇぇ……なんでぇ…💧」
どんどん顔色が変わっていき、今にも泣き出しそうになっている。
「結?どうしたの?」
「えっと…… チョットマッテクダサイ……
アノネ……航ちゃん…何カネ…結、お金イッパイ使ってるって…💧デモシラナイコトネ……ドゥイウ事?」
ふっ……ナゼにカタコトの日本語www?
で、結の説明ではちんぷんかんぷんで、何を言いたいのかわからない…💧
仕方なく受話器を受け取った。
「すみません。私、結の夫ですが、妻が何言ってるのかわからなくて……代わりに私が話を聞きますので、もう1度、お願いできますか?」
『あ、はい。大丈夫ですよ。えっと…通販サイトの○○○様からのご購入で、櫻井結様のカードで決済されているのですが、決済額がちょっと高額なのと、数日間続けての決済なので、不正使用の確認をお願いしたいと思いましてご連絡致しました』
「はい。では、○○○の方へ利用確認をした方がいいですね?ぇっと…数日間続けてとの事なので、いつからいつまでの使用が疑わしいか、教えていただけますか?」
『はい。よろしいでしょうか?』
「待ってくださいね…結?この間の洋服の購入明細書とかない?あったら持っておいで。
妻は、最近1回だけだと言っていますが…今、明細書を探してますので……ん、ありがと。
スミマセン。直近で2月16日に17,980円ですね。結、これより後は注文してない?」
「うん。してないぃ〰️
」
「後は何も購入してないそうですが…」
『では、16日以降のこちらで確認できる金額を申し上げますので、通販サイト○○○様に購入履歴の確認をお願いしてもよろしいですか?』
「はい。メモします。どうぞ」
『2月17日 38,690円と56,380円
2月18日 19,248円、19日 96,480円
2月21日 49,856円……ですね。
これらが不正使用に当たるモノかどうかを確認をいただいて、折り返しお電話ください。
櫻井様のお名前と『担当の田中』と伝えていただければ、大丈夫ですので。もし不正利用であれば、当社から通販サイト○○○様へ連絡し、お客様へは請求されないように処理致します。カードの方も、今時点で利用を止めさせていただきますね。ちなみに、不正にクレジットカードを利用されるような覚えはございますか?例えば…落としたとか……』
「う〰️ん…💧ちょっと本人に確認して、折り返しの電話の時にお伝えします。今……ちょっとショックが大きいようで、ビックリして泣いてしまっていて……スミマセン…」
『いえいえ、ビックリするのも仕方ないですよ…(笑)今、このお電話で、カードは利用をストップしますので、落ち着かれてからゆっくりで結構です。通販サイト様に確認いただいてのお電話、お待ちしております。失礼致します』
電話を切っても泣き続ける結を落ち着かせる為に、優しくポンポンして、事情を聞こうとする。
「結?もうカードは止めてもらったから、大丈夫。ちょっと落ち着こうか。もう一度聞くよ?この16日以外は買い物してないね?」
「うん。してない…💦でも、結のカードだから、ズズ…結がお金払わないといけないから…
結…結ね…どっか…コンビニとか…スーパーとか…バイト……なんでも…するから……
ハァハァ…どれくらいバイトしたらいいんだろぅ?
航ちゃん…お…怒んないで……ハァ…ハァ…ハァ…」
(どうしてこそんな思考になる??www)
「結?ゆっくり呼吸して。過呼吸気味になってる。息を吸うより吐く方に集中してごらん」
そう言ってる間にも呼吸はどんどん速くなり、脈も速くなってる。
(まずいな……完全に過呼吸だ…💧)
「支払いがどうこうとか、そんな話はしてないよ?そもそも、結が使ったんじゃないなら、支払わなくて大丈夫だからね。ゆっくり、ゆっくり…落ち着いて…」
「フッ…フェェ…
でもぉ……結ぃぃ…何でかわかんないよ……」
もぅ、今の結にどう言ってもわからない状態。
「どうしてこうなったかは後でね。
とりあえず、カード会社に履歴のある通信販売のとこに連絡してみようか?きっと、結本人じゃないと話が進まないだろうから、結が電話しなさい。ほら、しっかりして」
パシンッ❗パシンッ❗と軽くお尻を叩いた。
「な……何て言えばいい?ハアハア…」
「『カード会社から、第3者不正利用の連絡をもらったので、確認したい』って言ったら、その電話の人か、担当部署に繋いでくれるから、そう言ってごらん。過呼吸が落ち着いてからでいいからね」
少し落ち着いた頃、『カード会社から、えっと…第3者?不正利用の連絡をもらったので、確認したい…です』と結が電話を入れた。
「はい…はい…💧そぅ…でも、でも、ホントにっ!ホントに私じゃないんですっ!使ってないんですぅっ!!ハアハアハアハア…」
興奮気味に話して、今にも倒れそうな結をなだめる。
「はい…ハア…はい…そうなんです…え?お客様ID??金額ぅ??」
きっといつのいくらの分かを聞かれているのだろう…カード会社から教えてもらった日付と金額のメモを結に渡して、電話をスピーカーにする。さっき興奮気味になったからか、また過呼吸気味に浅い息をするようになってる。
『落ち着いて、ゆっくりで大丈夫ですよ。
こちらで購入履歴を確認致しますので、まず、明細書の右端のお客様IDとお名前をお願い致します』
結がIDと名前を伝えると、
『保留に致しますので、そのまま電話を切らずにお待ちくださいね』![]()
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しばらくして、結の確認が取れたので、担当者に日付と金額を伝えると、
「確かに、櫻井様のクレジットカードで決済されていますね……ですが、櫻井様のお客様IDでログインされていませんね…。新しくIDを作り直したということもありませんか?」
「ないです……私……、私の買い物じゃないけど、私……こんなにお金…払えないです…どうしたらいいですか?(スンスン…💧)」
『大丈夫ですよ。こちらで登録履歴を遡って追跡は致しますが、クレジット情報以外の個人情報は櫻井様とは違うので、おそらく架空の情報だと思われます。ご連絡いただいた2月17日~21日の分は全て、櫻井様のお客様ID以外のログインで櫻井様のカードで決済されていますので、この分はキャンセル処理させていただきます。
今後の流れをご説明しますと、このお電話の後お手数ですが、櫻井様からクレジットカードの方へお電話していただき、先程お伝えいただいた期間の金額は全て第3者不正利用であることが確認できた旨をお伝えをお願いします。後はカード会社様と当社で金額の精査を致しまして、櫻井様へ支払いがいかないようにさせていただきます。
クレジットカードは恐らく新規発行されると思いますので、ご自宅に到着後、支払いカードの変更をお願い致します。
色々とご不便とご不安な思いをお掛けし、大変申し訳ございません…』
「ぇっと……とんでもないです。ありがとござぃます…。わからなくて、恐くて、取り乱してすみませんでした…カード会社さんに電話しておきます…」
『よろしくお願い致します。失礼致します』
丁寧に手順を説明してくれたお陰で、結も安心したようで、電話を切ってようやく少し笑顔になった。
「さてと……どうしてこんな事になったのかな?何か思い当たる?」
しばらく『ゔーん…ゔ~ん』と考えて、
「何かね……変なメールがいっぱい来るの…」
「変なメール……?スマホに?どんな?」
これ…💧と結が見せてきたスマホのメールを見た。
クレジットカード情報の確認が必要です
平素より クレジットカードをご利用いただき、
誠にありがとうございます。
お客様IDで登録されているクレジットカードが、
利用決済不可となっております。セキュリティ保護のため、該当する支払い処理を一時的に保留しております。
決済を継続するには、お客様ご自身によるカード情報の確認が必要です。下記の「クレジットカード確認」よりサインインし、登録内容の再入力をお願いします。確認が完了するまで対象の決済は処理されませんのでご了承ください。
(……(笑)よくできたメールだけど、明らかにフィッシング詐欺メールだな…)
「結、これ……もしかして返信したの?」
「何かね…メールの下の方のカスタマーズセンターってとこに電話したの…そしたら、カタコトの日本語の女の人が出てぇ……。『とにかく、メールに添付アリマス、URLに行ってクダサイ、必要事項を入力して』って言われたから…」
(ズ…?複数?w)「言われたから?」
「……初めて…来た時に、…………した」
(……釣られたな…💧💢)
「で?!💢」
この一言で、叱られると思ったのか、スンッとその場に正座する結。
「ぁ、ぅん……やっちゃったのね。でも、やる前にどうして僕に相談しないの?」
「その時は、何も思わなかったもん…」
(でしょうね…だから返信したんだもんね)
それから、カスタマーサポートセンターの田中さんに連絡を入れると、当然カードは再発行する事になった。
『……お話によると、当社名を騙ってお客様からカード情報を引き出す為のフィッシング詐欺メールだと思われます。当社はお客様からカード番号やセキュリティコードをメールで確認する事は一切ございません。
お客様へのメールには、アドレスの最後に『信用マーク』と言われる✅が入っております。それ以外の当社アドレスからのメールは、なりすましの詐欺メールだと思っていただいて大丈夫です』
「はぁ……はい…詐欺メール……気を付けます」
『もう大丈夫ですよ。カードの方は止めましたので、以降、不正な請求はございません。では、新しいカード到着まで3週間程、ご不便をお掛けいたしますが、よろしくお願い致します』
そう言って電話が切られた。
「えぇぇ~…3週間もかかるんだってぇぇ…💧どぅしてもっと早く出来ないの〰️!?」
(ちょっと……
💢)
「田中さんも、通販会社の人も、みんな結の為を思って細かく説明してくれてるのに、どうしてそんな言い方が出来るの?!💢」
「えぇ…だって、3週間だよ…?もうカード止めてるって言うんだったら、すぐに再発行してくれたらいいのにぃ……
もしかして、結が『わかんない』って泣いたから?そんなのしょうがないじゃん!詐欺なんてわからないんだしぃ!だいたいさ…ブツブツブツブツ……」
「結っ!ちょっとおいで」
結の手を引いて寝室まで行くと、何かを察したのか、ドアの前でイヤイヤする。
「航ちゃ…何で?やぁだ!」
「何が?」
「お尻ペンするでしょ?」
「どうしてペンされるの?」
「………💧」
予想は出来るクセに理由はわからないって…。それってどうよ…。
イヤイヤしたところで勝てるハズもなく、そのまま寝室に放り込んだ。
「お尻」
ベットの前でモジモジする結を見ながら、クローゼットからスパチュラを出して、
「結ちゃん?散っ々文句は言ってたけど、他には?何か言うことはないの?」
結のスウェットとパンツをずらして
パァンッ❗とお尻を叩いた。
「ひっ!ぁの………💧ごめんなさい……」
「何が?」
「ん〰️
〰️…」
「まだ、カードの再発行が遅いとか思ってるんでしょ?」
「だって、3週間だよ?なんでそんなにかかるのかわかんないもん」
(はぁぁ…やっぱりね...)
「今までのカードは使えなくなりました。
新しいの、はい、コレどうぞ。では済まないからだよ?不正利用された金額を通販会社と精査して合ってるかを確認して、どうしてそうなったかを検証するの。
今回は結がフィッシングメールに返信して、カード情報を教えちゃったからなんだけど、事と次第によっては消費者庁とか警察庁に連絡して…って、まだまだ僕達ではわからない手順が当然あるの。
それを『時間掛かりすぎ〰️
』とかよく文句が言えるね。そもそも釣られたのは誰なの!?」
パチィンッ❗バシィンッ❗
「ゆ…結ぃ…💧でもそんなに色々あるなんて知らなかったもん…」
「知らないなら請求金額を見ておかしいって思って連絡をくれた田中さんに、お礼は言えど、文句は言えないでしょ?」
「だから…田中さんには言ってないでしょ…。電話終わってから言ったもん…💧ちゃんとお礼も言ったし…」
ズゴゴゴォッ💢
「そういう事を言ってるんじゃないよね💢」
パチィンッ❗パチィンッ❗
パァァァンッ❗
堪忍袋の緒が切れたとはこの事で、ベットに手を付いて立つ結の腰をしっかりホールドして、強目にひっぱたいた。
「いゃぁぁ…💧ごめんなっ…さぃ!」
パチィンッ❗パァン❗
パァン❗バシィッ❗
「いやぁっ!💦いたいぃ!」
「『いたいぃ!』じゃない!当たり前!
痛いお尻で反省しなさい!」
バシィッ❗パチィン❗パァン❗パチィンッ
パチィンッ❗パァン❗パチィンッ❗
「ご…!ごめんなさいっ!もう言わないからぁ!」
パァン❗パァン❗バシィンッ❗
バシィッ❗パチィンッ❗
「どうしてこうなったか、誰が助けてくれたか、こうなる前にどうすべきだったか、ちゃんと考えなさい!」
パシィッ❗パシィッ❗パチィンッ❗
パァン❗パチィンッ❗
「う…💧ゔぇ…ごぇんなさい…ゅ…結がメールに返信しちゃったからぁ…教えてもらわなかったら、わかんなかったからぁ…航ちゃんに聞けばよかったぁ…💧」
パチィンッ❗パァン❗
パチィンッ❗
「メールに安易に返信したのが元々の原因だけど、返信した事だけを叱ってるんじゃないよ。
わからないのに誰にも相談しないでやった事を叱ってるの。誰にだってわからない事はあるし、騙そうとしてくる奴は、当然、急かしてくる。
そうしたら誰でも判断力は鈍るモノ。
だけど、そこを一旦落ち着いて考えて、誰かに相談するの。『1人で悩まないで、誰かに相談』って注意喚起のポスターとかテレビでやってるでしょ?」
「ぁい…💧お尻…痛い…」
パァン❗
「ひゃぁぁ…💧
」
「それを懇切丁寧に教えてもらったのに、電話終わってすぐにブツブツ文句言って!」
パァン❗パチィンッ❗
「いやぁぁ…💧ごめんなさ〰️い」
ペチィンッ❗パチィンッ❗
「何なら、今から連絡して、カード再発行を取り消ししてもらってもいいんだよ?![]()
通販の買い物も、しばらく禁止にしようか?」
パァン❗パァン❗パァン❗
「ひぃっ!!やだぁ!それはやぁっ!美容院にも行きたいしぃ!コンビニ行ってポイントでおやつ買いたいしぃ……!」
「ほう…ポイントでおやつ…(笑)そんな事してるから、最近夜ご飯を全部食べられなかったりするんだね?
」お尻ペチペチ…。
「あ……ぁの…ぇと…💧それは…ね…」
「問答無用」
パチィンッ❗パァン❗パチィンッ❗
パチィンッ❗パァン❗パチィンッ❗
「ひぃぃん…💧ごめんなさぁぁぁい!」
パァン❗パァン❗パァン❗パァン❗
「はいっ、結ちゃん。お約束。
1.新しいカードが来るまで服やおやつの買い物禁止!パァン❗
2.通販サイトのカードの登録は、僕がOKするまで禁止!パァン❗
3.ポイントでおやつを買うの禁止!もちろんチューハイもね!バチィィンッ❗
それまでは、自分のお小遣いの範囲で何とかしなさい!
お約束できる?」
「ひぃぃん…💧航ちゃんがいいって言うまでってどれくらい~?」
「ん~…3ヶ月」 「ながいぃ…💧」
「
💢 じゃ、1ヶ月にしてあげてもいいよ。その代わり、毎日、お尻叩きね」
![]()
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「やぁっ!それはやだぁ!っ。ごめんなさい!航ちゃんがいいよって言うまで、ガマンするぅ…💧」
「ガマンじゃなくて反省しなさい。
反省度合いによっては、お尻叩くからね。
覚えておきなさい」
バチィィンッ❗
「ひぃっ!……は……はぃ…💧」
(これだけ釘を刺しておけば大丈夫か…。)
「お尻を冷やすの持ってくるから、痛くても正座してなさい」
そう言って寝室を出て、ゆっくりとリビングでお茶を飲んだ。
15分程して寝室に戻ると、「ふぇぇ…💧グズ……(スンスン…)グジュ…航ちゃ…」と中から泣き声が聞こえる。
そっとドアを開けると、ちゃんと正座したままポロポロを泣いている結。
「航…ちゃ……結の事忘れて絶対コーヒー飲んでたでしょ
……(グジュ…)」
「あはは。ごめんごめん。でも、コーヒーは飲んでないよ~。お茶は飲んでた(笑)
はい、結もお茶どうぞ。さぁ、お尻冷やそうね。ヨイショ」
抱っこしてベットにコロンさせてお尻に冷やしたタオルを乗せて、背中を優しくトントンした。
「……航ちゃ…眠い💤ちょっと…寝てもいぃ?」
(案の定…でしょうね(笑))
「いいよ(笑)少ししたら起こしてあげるからね」
「……そ…ばに……ぃ…て…ね…」
「はいはい。ここにいるよ~」ポンポン…
その言葉を聞いたか聞かずか、スースーと眠りの世界に入っていった結の、目元の涙をぬぐって、「フフ…ッ」と笑った。
さぁ、結はどれくらいガマン出来るでしょうか……?
☆おしまい☆
