◼航一視点◼

(さて…💧どうするかな?)
啓祐達が帰った後、俺はソファでぐっすり眠る結の傍に座り、缶ビールをコップに注いで呑んでいる。
まさか、こんな時間に酔っ払った結を起こして説教してお仕置きするつもりはない。
そもそも、酔っ払った人間に説教など、馬の耳に念仏だ…(笑)
(このまま寝かすか…💧)
イヤイヤ…考え直して、結をベッドに抱いて運ぶ事にした。今は大人しく寝ているが、その内…(笑)
結は寝ている時もコロコロと元気によく動く。
初めの頃は、転がる度に俺は目を覚まし、
布団を掛けたり、方向を戻したりしていた。
まぁ、最近はマシになった方か…(笑)
そんな寝ている間も元気な結をソファなんかでは寝かせられない…💧転がり落ちて泣くのが目に見えている。
俺は危険予知と回避の出来る大人だ…(笑)

「結?ほら、歯磨きはしよう?虫歯になるよ。
はい、あ~んして(笑)」

「んも~…いいのっ!うるさいなぁ……
寝ぼけながらも何とか口を開け、歯ブラシを咥えるが、自分では磨けそうもない。
子供みたいに膝にコロンとさせて磨き、何とかうがいをさせた。

(『うるさい』か…(笑)酔ってなかったら即ペンだな…(笑))
「いいことない!💢ほら、着替えもするよ!」
結を着替えさせベッドに寝かせて、
リビングに戻り、残りのビールを呑んだ。
オレも寝るか…明日は朝から、一仕事しなくちゃいけないし?(笑)


ー翌朝ー
7時に起きて、結の為にお味噌汁を作った。
多分、必要だろうと思い、昨日結を送った帰りにしじみを買って砂抜きしておいた…(笑)
何て出来た旦那だろう…それを『私の事なんか愛してない』だと?結のやつめ…💧

お味噌汁を作り終えた頃、駿が起きてきた。
今日は嶋のジィジ達と遊びに行くから、早起きだ。
「パァパ、おはよ…いい匂い☺ママは?」

「おはよう😃駿。ママはまだ寝てるよ?もうちょっと寝かせてあげよ🎵お味噌汁飲む?」

「うん!飲む~😆」
喜ぶ駿に卵を焼いて、お味噌汁とご飯、
昨日、実家で母さんにもらった筑前煮を出した。
駿はお箸を並べてご機嫌に待ってる😃
つくづく、何て出来た旦那と息子なんだ✨

「ママは後で食べるから、先に食べちゃお」
そう言って、2人で朝食を済ませた。
駿の用意を済ませ、結の実家に送って行くのに置き手紙をして、家を出た。

駿を実家に預けて、玄関を入ると……
「いだぁぁぁんっ!航ちゃぁぁん💧」
結の盛大な泣き声が聞こえる。
「結!?どぅした?(笑)ただいま」
座り込んで泣く結を抱き上げ、ソファに座った。
「あだば~💦あだばいだい~💦!」
(あだば?あぁ、頭ね…💦)
「結?それ、2日酔いだよ😁ほら、お味噌汁あるから、おいで」
お味噌汁を入れてやると、ゆっくり、ゆっくり飲んだ。
「気分は?吐き気とか、ない?」

「ちょっと気分悪い…💧でももっと頭痛い」

「はい。お薬。飲んで少し横になりなさい。
話はそれからね」

しばらくして、結の様子を見に行くと、
起きてベッドに座ってボ~…っとしていた。
「結?起きた?頭どう?大丈夫なら、お風呂
沸かしたから、入っておいで」

「うん…💧大丈夫…」
すごすごとベッドから降りて、お風呂に入りに行った。
「上がったら、お話、しようね」
「ん?」
どうやら、まだハッキリ状況がわかっていないみたいだ。


「結。こっちおいで。座りなさい」
お風呂から上がった結を呼んで、ソファに座らせた。
「まず、昨日はどうやって帰ってきたか、覚えてる?」

「おぼ…えてなぃ…えー💧」

「カラオケで泣いて、そのまま寝ちゃって、由美ちゃんが啓祐を呼んでくれて、送ってくれたんだよ」

「えぇぇ~💦うそぉ~…」

「本当。ちゃんと言ったハズだよ?『呑みすぎない事』それから?何だった?」

「えっと…💦カラオケ入る前と、0時迄には‥電話……」

「した?僕からは何度も連絡したけど?」

「しなかった…💦ごめんなさい‥」

「さて、どうしようか?」
結はソファから降りて黙って床に正座した。


「ふぅえぇぇ…ショボーン💦」

「泣いてもダメ。昨日、守れなかった約束、
言ってごらん?真顔

「んと…呑みすぎちゃって…んと、カラオケの前に電話しなかった…💦0時迄に、『帰る』って連絡、しなかった…💧」

「そうだね。由美ちゃんは『結はそんなに呑んでない』って言ってた。確かに、見せてもらったレシートでは、そんなにバカみたいな呑み方はしてなかった。ただ、自分の限界を知らずに呑んだんだと思う。カクテルはね、あんな呑み方しちゃいけないんだって、教えてなかった僕も悪い。
『大人になったら、美味しいお酒の呑み方を教えてあげる』って言った約束、僕も守れてなかったからね。
だけど、泣いて寝ちゃう前、カラオケに入る時の連絡は忘れてたよね?何で連絡しなさいって言ったと思う?」

「わ、わから、なぃ……」

「(フゥ‥)わからないんだったら、そう言われた時にどうして聞かないの?何で?って。
わからないままにするから、大切な事だって心に残らないんだよ」

「はぃ……ごめんなさい‥」

「0時迄に『帰るコール』しなかった事は?
ま、寝ちゃってたから仕方ない部分もあるけどね。そもそも、愚痴って泣き疲れて寝ちゃって、迎えに出た僕に悪態付くほど、何がそんなに不満なの?」

「あ、悪態?……ついた?」

「うん。『何さ…航ちゃん……いつもいつも、ペンばっか…💦私だって……』とか?
『すぐ怒る!航ちゃん……嫌い💦』だとか?
由美ちゃんにも、『航ちゃんは厳し過ぎる。ちょっと位、多目に見てくれても…。私のお尻を叩きたいだけで、私の事、愛してなんか無いんだよ』って言ったみたいだよ?」

「そ、そんな…💦こと……ごめんなさい」

「結の為を思って、お説教したりお仕置きしたりしてきたのに、そんな風に思ってたんだ…
ショックだなぁ……」
いつもならお仕置きする所だが、今日は思いっきり突き放してみようと思った。

鯉みたいに口をパクパクしながら「いゃ……あの……ちがぅの…えっと…💧」
と何とか取り繕うとしている。

「言い訳は聞きたくない!どうせこうやって
お説教されてても、内心『うるさいなぁ!』って思ってるんでしょ?もぅ、いいよ」
そう言い捨てて、俺はリビングを出て、書斎に入った。
書斎のドアを閉める時、チラッと結を見ると、床に突っ伏して泣いていた。
(あんまり泣くと、また頭、痛くなるよ)
そう思ったがしばらく反省させる為、
放っておこうと思い直して、書斎のドアを閉めた。

★しつこく…つづく(笑)★