予定どおりに進まないことが、
「まさか、こうなるとは思ってなかった」ことに

つながったことってありませんか?

 

例年にない9月の長雨とつぎつぎ発生する台風。

 

台風の影響で、予定していた漁船は出航できなくなりました。

 

それでも、瀬戸内の内海ならと、
釣りに出られる場所を探して向かった海は、
驚くほど穏やかでした。

 

そして、思いがけず釣り上げた大きな鯛が

 旅の終わりに、もうひとつの喜びを

 運んできてくれることになります。

 

 

今回、家族四人で巡った旅を振り返ると、
予定の変更も、雨も、思いがけない出会いも、
ひとつの巡りのなかにあったように感じられました。

 

 

山口の錦帯橋から周防大島、広島、
そして浜松での息子の引っ越しへ。

 

そこには、不思議な、
めでたい流れがありました。

 

最初に訪れた錦帯橋は、気持ちのよい青空。

 

 

ロープウェイで山の上へと上がると、

眼下には錦帯橋と町並みが広がり、その先には瀬戸の海。

 

高いところから眺めることで、

目の前の景色だけではわからなかった

この土地の広がりを感じることができました。

 

 

一方で、台風の影響から、

予定していた漁船は出航できないことに。

 

それでも、瀬戸内の内海ならと

釣りに出られる場所を探して向かった海は、驚くほど穏やかでした。

 

釣り竿を握る手に伝わる感触。

 

リールから糸がほどけ、

海の底に着いたら巻き上げるリズム。

 

手元の感覚に意識を向けながら、


遠くの島々を眺め、
海や空と対話するように

過ごす時間。

 

魚を釣りたい気持ちはありながらも、
ただ、この場にいられることが心地よい。

 

そんな時間のなかで、

思いがけず大きな鯛が姿を見せてくれました。

 

 

うれしかったのは、
大物が釣れたことだけではありません。

 

海や空のリズムを感じながら、
今ここにあるものを味わっている。

 

穏やかな感謝が湧きあがり

 

何かをコントロールしようと力むことなく
その場に身を置ける豊かさ

 

そこに思いがけない喜びが
やってきてくれたことが

 

何より印象に残りました。

 

旅の間、雨が降ることもありました。

 

けれど、釣りをしている間はほとんど降らず、
ホテルに戻ってからは、ゆっくりと過ごす時間に。

 

 

部屋の露天風呂では、足湯しながら

雨音と波の音が交じり合いました。

 

台風の進路を気にしながらの旅でしたが、
広島での時間も息子の引っ越しも帰り道も、
大きく天候に妨げられることなく進むことができました。

 

帰路には、台風の予報のおかげか、
電車も道路も思いのほか空いていて、
雨も上がってスムーズにいったりもして。

 

振り返ってみると、
その時々に必要なことが起こり、
自然と次へ進んでいけたような感じがします。

 

すべてが思いどおりになったわけではない。

 

予定が変わることもあれば、
その場で方法を探すこともある。

 

それでも、目の前の状況を受けとめ、
できることを見つけて進んでいくと、


思いがけない道がひらけていく。

 

 

釣れた大きな鯛は、紆余曲折あって
息子の今回引っ越し先のお家へ

送ってもらうことになりました。

 

だから新居で初めてつくった料理は、
うろこをガリガリ取ってから

鯛の塩焼きになりました。

 

 

厚みのある身に、広がるおいしさ。

 

家族四人で味わう、
新しい門出を祝う食卓。

 

なんとも、めでたい時間に心から感謝しました。

ここにたどり着き、また始まっていく祝福がそこにある。

 

 

そして、その骨やアラから煮だしたスープは

次の日の息子の鯛めしのだしとなりました。

 

全部余すことなく、いただける幸せ。

 

そして、今回の旅では、それぞれが自分のできることが循環していきました。

 

みんなの希望が叶うように旅の企画や案内をする私。

 

母の負担が少なくなるように、
各地で車いすを押しながら支えてくれた息子。

 

息子の新居に合うように、
ホテルでカーテンの裾上げをしてくれた母。

 

家族みんなが安心して過ごせるよう、支えてくれる夫。

 

それぞれの得意なことも、
できることも、体調も違う。

 

だからこそ、同じように頑張るのではなく、
その時々にできることを生かしあう。

 

そうすることで、
みんなにとって心地よい時間が生まれ、


新しい暮らしへの一歩も、
あたたかい喜びのなかで迎えることができました。

 

 

実はこの旅の計画は、

5月に母が素敵なリゾートを見つけたことから始まりました。

 

そしてその場所が今は亡くなった父が

被爆した広島に近いので

息子を始めてそこに連れていく

機会になるとひらめいたこと。

 

その時は息子が引っ越すことも、

7月に母に訪れた思いがけない事件が起こるなんてことも

全く分かっていませんでした。

 

でもなぜかいろんなことが重なり合って、

息子にも母にも、その旅は 光と希望を見出す形になったのでした。

 

 

旅を終えて、あらためて思います。

 

私たちはつい、
予定どおりに進めることや、


自分の思い描いた形に近づけることに
意識を向けてしまいます。

 

けれど、少し立ち止まって、
今ここにあるものを感じてみると、

 

軸は大切にしつつも

こだわりすぎずに

プロセスを流れにまかせてみるのもいい。


そうすることで、そこから生まれる確かなものに
気づくことがあるのかもしれません。

 

人生には、自分で選び、動かせることもあれば、

思いどおりにはならないこともあります。

 

だからこそ、大切にしたい方向を見失わずに、

目の前の出来事に柔軟に向き合っていくことができます。

 

そんなふうに、今あるものと

響きあいながら進んでいくことができたら。

 

毎日は、まだ知らない豊かさに出会える

可能性いっぱいの旅となっていくのかもしれません。

 

 

 

めでたい門出に巡り合えたことに、心から感謝して。

 

#今に委ねて

#明日に架ける橋