毎月2~3往復、分け隔てなくいろいろな航空会社を使っていると、それぞれの会社と機材にそれぞれオススメポイントが出てくるものです。今回はそんなオススメポイントをまとめてみます。航空会社の順番は、アルファベット順です。
ANA
ANAの一番のメリットは、セール運賃で予約が入れやすいことです。セール運賃の発売時(午前0時)はサイトが混雑してつながりにくくなりますが、翌朝つながりやすくなった後でも、金曜夜の福岡発東京着、月曜朝イチの羽田発福岡着の便は、だいたい残っていて、いつも楽にセール運賃を買えています。運行便数も多く、セール以外でも選択肢が多いのは助かります。
機材面ではANAの運行機材はB787の率が高いので、トイレが快適という利点もあります。便座に取っ手のような突起部分があって清潔に開けやすい点が、ポイント高いです。そして、B787の一部(78Mと78G)とB777-200の一部(予約時に見分ける方法は不明)には座席に個人モニターがあり、しかもサイズがJALより大きいです。見たい映画が上映ラインナップに入っているときに、これらの機材の予約を持っていると嬉しい気分になります。
一方で、個人モニターのある機材は数が限られているので、機材面の当たり外れは大きめです。特に、個人モニターのある便をセールで狙って買うのは難しく、通常の早割で狙って個人モニターのある便を取っても機材変更になってしまえばそれまでというところはあります。
JAL
JALの一番のメリットは、羽田福岡便の大半の便で座席に個人モニターがあることです(A350とB787)。モニターのサイズはANAのものより小さめですが、だいたいどの便を選んでもモニターがあるのはポイントが高いです。しかも個人モニターがあるシートにはヘッドレストがついていて、国際線と同じようにヘッドレストを折り曲げてもたれることができるので、寝るときも頭を安定させやすく、便利です。
また、JALは機内Wifiの安定度が頭一つ抜けている感じがするのもオススメポイントです。機内Wifiは知らないうちに接続が切れていて再接続がうまくいかずにイライラする、ということが時々ありますが、JALの場合はこれがほとんど起こりません。A350の機内Wifiは地上滑走中や着陸後も使えますし、このあたりの設備の充実度はポイントが高いです。
一方で、セールでのチケットの購入のしやすさは今ひとつです。待合室方式になってサイトがダウンするようなことはなくなりましたが、待合室のアクセス制限がなくなる頃には、金曜夜の福岡発羽田行の便はほぼ例外なく売り切れています。月曜朝イチの羽田発福岡行きは取れることもありますが、取れないこともあります。セールの販売座席数が少ないのか、セール狙いの人がANAより多いのかは分かりませんが、JALでセールを狙う場合には発売開始時刻にアクセスして待合室を攻略しなければならず、ここに一工夫必要です(やや物量作戦気味にはなりますが攻略法はあります。そこはまた、別の機会に)。
スカイマーク
スカイマークの最大のメリットは運賃が安いことです。年末年始のような超繁忙期を除けば、レギュラーの割引運賃が一番安いのがスカイマークで、割引運賃の割引率がイマイチな時期はスカイマークを第一選択にすることも少なくありません。羽田発福岡行き20時発の最終便を運行しているのもポイントです。
そして、スカイマークは単に運賃が安いだけのLCCではありません。あくまで個人的な印象ですが、ここで取り上げる4社の中で、客室乗務員が乗客のことを一番よく見ている航空会社が、スカイマークだと感じています。たとえば、どこの航空会社も離陸時や着陸時に乗客がシートベルトを装着しているかどうかを客室乗務員がチェックしますが、シートベルトがねじれていることを指摘されたのはスカイマークがはじめてでした。また、虫刺されを掻き壊して出血したときも、すぐに気づいてくれて絆創膏をくれました。n=1なので全然実証的ではないですが、個人的には客室乗務員への信頼感を一番持っているのがスカイマークです(どことは言いませんが、離陸後の上昇中のベルトサイン点灯中に頭上の物入れが複数開いてしまって、CAさんがあわてて閉じに来た某社と比べると、こういう感想になってしまうのです)。
反面、機材はB737で小さめですし、機内エンターテインメントも機内Wifiもありません。機内安全のデモンストレーションもビデオではなく客室乗務員が自ら実演するスタイルです。なので、これらの点の充実を求める人には向かないのも事実です。が、昔の飛行機なんてみんなこんな感じだったので、個人的にはそんなもんだという感じもします。そう思えるのかどうかによるのだと思います。
スターフライヤー
国内線ではじめて個人モニターを搭載したシートを運航した会社です。個人モニターがオンデマンド式でないなど今となっては古さを感じるところもありますが、国内線で個人モニターということだけで、登場時は衝撃的でした(新型機では機内Wifiが入るかわりに個人モニターがなくなるようです)。いろいろなところで独自色とローカル色が強く、安全ビデオ(空の守護神スターフライヤーマン)をはじめて見たときは度肝を抜かれました。機内エンターテインメントにWorld Fukuoka Newsが入っているのも楽しいです。
羽田発福岡行き20時発の最終便を運行しているのもポイントですが、それ以上にスターフライヤーの利用面での特色を際立たせているのが、北九州空港に夜遅く着く便を運行していることです。個人的には1回しか使ったことがありませんが、どうしても東京で夜の用事があって、羽田空港20時の福岡行き最終便に間に合わず、しかし翌日朝イチで福岡で仕事があるというとき、スターフライヤーを使うと、北九州空港経由で福岡に深夜に戻ることが可能です。この経路で福岡市に戻ると帰宅が午前2時近くになるので、翌日朝イチの仕事というのはなかなかハードで、最後の手段っぽいところはありますが、純粋に選択肢があると助かる場合があるのは確かです。
このほか、単身赴任者の視点では、ANAやJALと比較すると繁忙期の直前でも株主優待運賃の予約が入れやすい(特に北九州空港路線)ので、優待券さえ入手できるなら繁忙期に急な移動が必要になったときの命綱としての使い勝手がよいというメリットもあります。コロナ以降、家族が急に発熱したとなれば単身赴任先から飛んで帰らなければいけない場面もありますし、急な不幸などで時間にかかわらず飛行機に飛び乗らねばならないことがあるのは今も昔も変わりません。
反面、普通に予約をする限り、値段の面ではANAやJALと比べて特段安いわけではなく、便数でも使いたい時間に便があるとは限らないあたりが制約要因になります。特に羽田から福岡に朝移動しようとすると羽田発の始発が6時40分発で、次が9時20分発と3時間近く間が開くので、住んでいる場所によっては使い難いかなという感じです。
まとめ
独断と偏見で色々書きましたが、どの航空会社もそれぞれ良さがあり、違いを見るつもりで乗ると楽しいものです。これまでに書いたほかにも、夜間の離着陸で照明を消すかどうかや、アプリの有無、アプリの使い勝手、それぞれに特色があります。また、今回マイレージについては度外視しましたが、マイルをためて特典航空券を狙うとか、単身赴任の機会をいかしてANAやJALのステータスを狙うなら、この2社のどちらかを集中利用することになるでしょうから、青組と赤組のどちらがよいのかという比較も熱を帯びそうです。
私は単純に都合の良い時間帯の便に最安運賃で乗りたいだけなので、アプリやらマイレージやらは二の次で、この記事はそういう人の視点からの感想ということになりますが、羽田福岡便を運行している4社それぞれ、シーンに応じた使いでがあると思っています。
そして、自宅が成田空港に近かったら、きっとピーチやジェットスターを使っていたのだろうとも思います。LCCは、単身赴任とは関係なく以前ずいぶん使った経験があり、シーンは選ぶものの使いでのある移動手段だと思っているからです。ただ、今の東京の住居から成田空港は遠いので、積極的な選択肢になりにくいのが、残念だと思っています。どう考えてもLCCの方が安いので、これが活用できれば単身赴任生活ももう少し経済的に楽になるのですが・・・こればかりは仕方ないですね。