認知症を患う祖母が入所している施設へ行ってきました。
もう、わたしのことは分かりませんが…
祖母はにこにこと、笑顔で歓迎してくれました。
いつものように、ちぐはぐなファンタジーを語ってくれます。
もう、わたしのことは分からなくても…
元気で朗らかにしていてくれれば、それでいい。
手を振って別れようとしたとき、祖母は嬉しそうに、隣のお婆さんに話しかけました。
「この子、わたしの妹よ」
よかった。
わたしはまだ、家族でした。
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広々とした施設のロビーには、お年寄りが描いた絵や書道が掲示されています。
その中に、俳句もいくつかありました。
93歳のおばあちゃんの作品。
「梅雨晴れの 窓辺に立ちて ワンダフル」
なんだか可愛くて、微笑ましい句です。
ちょうど今日、母が「新聞に載っていた俳句の漫画が読んでみたい」と言っていたので、おつかいに行ってきたところでした。
「あかぼし俳句帖」
冴えない中年サラリーマンが、若くて美しい俳人と出会い、彼女とお近づきになりたい一心から俳句の世界にのめりこんでゆく。
「Shall we ダンス?」を彷彿とさせるストーリーです。
俳句の基礎知識、句会のシステム、実際の句の観賞ポイントなどを主人公と一緒に学んでいくという趣向のマンガで、とても勉強になりました。
主人公がどうしても好きになれなかったのですが…
最後の句で、かっさらわれました。
憎い終わり方をするものです。
素敵な世界を垣間見ることができる、とても興味深い作品でした。

