あと○分ほどでございます。 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

クラシックの演奏会によく行かれる方で、遅れてお見えになったことのある方は、ホールに到着するとまずきっと『今何曲目の演奏中で、あと何分ほどで、どのような形で(自席までなど)お入り頂ける』ということの説明を受けると思います。


このとき、「あと○分ほどで」と、およその参考タイムをご案内します。それは、お客様にどのような状況かわかって頂ける方がいいという目的だと思っています。気持ちの面もありますし、クロークに荷物を預けたり、お化粧室に行ったりなどという判断もして頂けます。


ちょうど、駅のプラットホームで次の電車が今どこの駅にいるという電光掲示板と同じような意味合いがあると思うのです。あれを見れば、電車が「まだ当分来ないな。」と覚悟したり、「もうちょっとだから…。」とほっとしたり、イライラも軽減されることと思います。


ご案内の時間は、手元にある進行表に曲のタイムが書いてあり、それを参考にしています。ですので、1曲始まるたび、また、楽章が新たになるたび、私たちは時計を見て、常に逆算します。


肝心な進行表に記載されているタイムですが、リハなどで計った正確なタイムを出演者サイドから頂いている場合ならほぼ間違いないのですが、CDなどを参考に書かれている場合もあります。また、本番の演奏次第というところもあります。


ですので、あくまで時間は参考タイムとなり、実際にはかなりズレが生じることもあり、その場合はギリギリのご案内になってしまったり、「扉の前でお待ちください。」とご移動をお願いしたのにもかかわらず、なかなか曲が終わらなくてとっても気まずい思いをすることもあります。


お客さまの方が曲をよくご存じということもしょっちゅうあるに違いありません。新人さんは特に、でもベテランでもいつまでも慣れでは済ませられない緊張する時間です。


なかには扉の前で、何故遅れたのかや、間に合わなかった演奏への想いや、とても遠くからお越しになったことなど、色々とお話くださるお客様もいらして、会話が弾むこともあります。


あまり若い方にはありませんが、男女関係なくです。たいてい客席に入るタイミングになると「遅れてごめんなさい。。」とか「ありがとう~。」とおっしゃっる方も多くて恐縮しますが、焦ったり急いでいらして気持ちが舞い上がっておられると、一旦落ち着かれ、客席に入っていただけるのではないかと思います。


アタフタすることもありますが どうか温かく見守ってくださいね星に願いを